司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

任意整理

3月 19 2009

シリーズ 各業者の対応⑱

 本日はユアーズについての話です。

 個人的には、SFコーポレーション(旧三和ファイナンス)と並んで消費者金融のワースト1位を争っている業者です。(あくまで個人的主観ですが、恐らく同意してくれる人も多いと思ってます)

名古屋市に本社があり中部地方が営業の中心になっていますので、他の地域の方には馴染みが薄いかもしれませんが、中部地方では知る人ぞ知る問題業者です。最も小規模業者まで含めればユアーズよりも問題のある業者はありますが、そこそこの規模の中堅業者の中では、やはり問題の多さが際立っています。

 未だに取引開示には非常に消極的で途中で空白期間がある場合は、「以前の取引は完済して3年以上経っている為、破棄して無い」などと平気で言ってきます。

また、空白期間が無い場合は何とか出してきますが、途中で返済が遅れていたりすると、そこから先は全て遅延損害金をつけて請求してきたりします。

 分割払いにも極めて非協力的で、通常認められている3年払いで決着させるのは至難の業です。他の業者とのバランスを無視してでも出来る限り返済回数を少なくするよう執拗に要求してきますし、場合によっては一括払いを強要されることもあります。

 過払いになった場合でも、簡単には払いません。徹底的に減額要求してきますし、それを蹴って訴訟に持ち込むと、あらゆる難癖をつけてくるので決着が長引くことが多いです。

 以上のように、本当にやっかいな業者です。SFコーポレーションと並んで、依頼の中に含まれていると、思わずため息をつきたくなる業者の一つです。

名古屋の弁護士の中では、ユアーズ対策弁護団なるものを結成しようという動きがあったくらいの問題業者です。しかしながら、軒並み経営が悪化している中堅業者の中でも、しぶとく営業を続けていますから、あらゆる手段を駆使してでも何とか利益は確保しているのでしょう。

 次回はシンキについて取り上げます。

 

 

3月 13 2009

シリーズ 各業者の対応⑰

 今日はトライトについて話をしてみたいと思います。

 この会社はハッピークレジット・信和・山陽信販の3社が合併して誕生した消費者金融です。古くから取引がある人は、上記の名前の方が馴染みがあるかもしれません。

現在はアイフルの子会社となっており、ワイド・ライフカードなどと供にアイフルグループになります。なんと本社を調べると、アイフルと全く同じ住所で驚きます。京都なんですが、アイフルのビルにテナントとして入っているのかもしれません。(実際に京都に行って確認した訳ではありませんので、あくまで想像です)

 中堅消費者金融が軒並み過払いの支払いが悪くなっている中で、アイフルの子会社であることが影響しているのか、この会社の過払金の支払いは悪くありません。現時点では満額支払ってくれる優良会社です。(会社自体の財務内容が優良かどうかは分かりませんが)

ただし、旧ハッピークレジットから続いている取引の場合は、ハッピーの過払金は受け継がないという免責登記がされている為、やっかいなことになります。

このケースでトライトに過払請求すると免責登記を盾にして支払いの拒絶や減額をしてきます。判決は勝ち負け分かれている状態なので、このケースの場合は必ず満額、取り戻せるとは限りません。

 取引開示は問題ありません。アイフルと、そっくりな取引履歴が送られてきますのでシステムが同じなのが良く分かります。

 また、債務が残った場合も通常の3年分割ならば、今のところは問題ありません。

 まあ、評価としては最近、厳しくなりつつある中堅消費者金融の中では、やりやすい業者と言えるのではないでしょうか。ただアイフルの影響を強く受けていると思われますので、アイフルの経営状態が悪化した時は豹変するかもしれませんので要注意です。

 では、次回はユアーズを取り上げます。

 

3月 05 2009

シリーズ 各業者の対応⑯

 本日はSFコーポレーション(旧三和ファイナンス)を取り上げます。

 この会社が昨年9月に過払債権者から不払いを理由に破産を申し立てられたのは記憶に新しいところです。

その時は「かざかファイナンス」の支援を仰いで申立債権者には支払いを済ませ、今後発生した過払金返還請求には支払っていくことを約束して、破産が取り下げられたという経緯があります。

にもかかわらず、最近、再び過払金の支払いが滞ってきていて、事実上、約束は反故にされたと言って良いでしょう。クレサラ対策弁護団が2回目の破産申立を検討しているという噂があるのも、うなずけます。

 この業者は旧三和ファイナンス時代から、悪質な業者として有名でした。

平成19年4月には、違法取立により、金融庁から全店舗を対象に業務停止が命じられました。

平成20年5月には埼玉県の支店で違法取立が発覚し、同店舗に対して業務停止が命じられました。

これらは公になった事件ですが、公にならない不当な行為は、債務整理に携わる司法書士や弁護士ならば、数多く経験していることでしょう。

 この会社は韓国にも進出していて、韓国では利息制限が日本よりも、かなり甘いこともあり、莫大な利益をあげていると聞いています。この利益で過払金の返還は出来るのではないかと考えている専門家も結構います。ただ、韓国であげた利益がどうなっているのかは闇の中です。

 このような業者ですから、任意整理に含まれている場合は、非常にやっかいです。まあ、過払金は訴訟で判決を取るまでは絶対に支払ってきませんし、最近では判決を取った事件でも値切ってきて、なかなか払わなくなっています。(私の場合は判決を取ったら控訴してきて2審の本人訴訟で争った事件がありました)

一方、債務が残った場合は強硬に一括払いを主張してきますので、要注意です。この点は、同じ「かざかファイナンス」から支援を受けたフロックス(旧クレディア)と、そっくりです。従って、「かざか」の方針と考えることも出来ます。

 私としては、この会社は市場から退場すべき会社だと思っていますので、2回目の破産が申し立てられるべきだと考えています。きちんと司法による調査をして、隠している財産などがないかを洗い出して欲しいものです。

 では次回はトライトについて取り上げたいと思います。

2月 20 2009

シリーズ 各業者の対応⑮

 本日は静岡県の業者である丸和商事について取り上げましょう。

 この業者は別名「ニコニコクレジット」と呼ばれていて、この名称の方が利用者には通りがいいかもしれません。クレジットとついているので、クレジット会社かと思う人がいるかもしれませんが、れっきとした消費者金融です。

クレディアと並んで静岡県の2大消費者金融ですが、規模の大きなクレディアの方が先に破綻してしまい、同一県内ということで丸和商事の破綻も近いのではないかという噂が絶えません。

実際、最近の過払金の支払いも非常に心細くなってきていて、大幅な減額を要求してきますし、例え減額しても支払期日が、とんでもなく遅かったり(半年後とか)します。支払期日前に破綻したら、どうしてくれるんだと、いつも心配になります。

 クレディアと同じように愛知県は丸和商事の主力営業エリアになっている為、利用者は結構多くて、債務整理をやっていると出くわす確率は高いです。

 取引履歴は、ある年度(すいません、ちょっと忘れました)までは何とか出てきますが、それを過ぎる長期になると、倉庫から探してくるらしく、開示されるまで非常に長引きます。(2~3か月待たされたこともあります)

 過払請求の場合は払いが悪いので、訴訟になることが多いです。訴訟になっても他の業者よりも長引くことが多く、数回、裁判期日を重ねた後で、ようやく決着したと思ったら、支払いは半年後だったりする訳ですから敵いません。まさに、いつ破綻しても不思議ではない業者だと言えるでしょう。(過払いが見込まれる人は早めに請求した方が良いでしょう)

 では、次回はSFコーポレーション(旧三和ファイナンス)を取り上げます。

 

2月 13 2009

シリーズ 各業者の対応⑭

 本日はフロックスについて取り上げます。

 この会社は破綻した消費者金融業クレディアから営業譲渡を受けて設立された、事実上、クレディアの引継ぎ会社です。民事再生の時にクレディアの支援をした「かざかファイナンス」という会社が100%出資していますので、「かざかファイナンス」の意向が強く反映されていて、とにかく任意整理には反抗的・非協力的な会社として有名です。

 愛知県は旧クレディアから借り入れをしている債務者が非常に多い地域なので、必然的にフロックスがらみの任意整理が他の地域よりも多くなる傾向があり、大変にやっかいな存在となっています。

 特に困るのが利息を引き直しても債務が残る場合です。こういう時、フロックスは将来利息カットの分割払いを認めないことが多いのです。

将来利息カットは任意整理の基本ですから、これが認められないと任意整理をする意味が無くなってしまいます。まともな専門家なら到底、呑める条件ではないので結局、フロックスに対しては何とかしてでも一括で払う道を探すことになります。(他で過払金が発生していれば、それで充当できますが、そうでないと非常に厳しいことになります)

このことから取引先にフロックスが入っていると、途端に任意整理がやりにくくなるという、全く困った存在なのです。まあ、フロックス側の言い分としては、破綻した業務を引き継いでいるのだから、利息をカットしている場合ではないということになるのでしょう。

 このように取り立ての方は非常に厳しいフロックスですが、こちらが過払いになった時は手のひらを返したように怠慢な応対になります。

請求しても全く回答が無く放置されますし、シビレをきらして、こちらから連絡すると「後ほど連絡するからFAX流しといてくれ」などと言われます。全く不誠実きわまりない態度です。

フロックスに対する過払金はクレディアの民事再生に従って減額されます。これは法律の決めるところですから、仕方がありません。しかし、民事再生に従えば、いくらになるのかは分かっている訳ですから、待たせる理由が無いはずです。さっさと計算して決められた金額を払えば良いのです。最初から減額が決まっているので、他の業者よりも随分とフロックス側に有利なはずです。それでも、この対応ですから、あきれてしまいます。

 要するに、この会社は、債務が残っても、過払いになっても、一筋縄ではいかない、やっかいな会社ということです。

 では、次回は同じ静岡県の業者で丸和商事を取り上げます。

 

2月 06 2009

シリーズ 各業者の対応⑬

 今回はオーエムシーカード・イオンクレジットサービス・クレディセゾン・UCSカードを取り上げます。

4社ともダイエー・イオン・セゾン・ユニーなどのスーパーを元に発展してきたので、俗に流通系クレジットカードと呼ばれています。スーパーで買物をする時に割引特典があったりするので主婦層の所持率が高いのが特徴です。最初のきっかけはスーパーでの買物で作成することが大半ですが、そのうち家計が苦しい時にキャッシングを覚えてしまい、次第にキャッシングの比率が上がってくるという経過をたどる場合が多いです。

 上記4社の中ではオーエムシーカードが最も任意整理には非協力的な態度が目立ちます。

まず、取引履歴の送付までの期間が最も長いです。ひどい時には3か月くらい待たされる時もあります。

取引履歴が送付された後の分割交渉や過払金返還交渉の際も、こちらの提案に対する回答がやたらと遅いです。それでも、回答があれば、まだマシな方で、こちらから再提案をしないと放置されることもあります。

 他の3社に関しては、まあ標準的な対応と言って良いでしょう。ただ、大手の消費者金融に比べると取引履歴の送付や、和解提案に対する回答は遅い傾向はあります。この辺りの事情は一般の方からすると意外な感じがするかもしれません。

 これらの流通系クレジット会社の取引履歴は最初から引き直し計算がされています。ただ、過払金が発生している時は、利息の計算まではされていませんので、自分で計算しないと利息の請求は諦めることになります。

従って、当事務所では必ず事務所で引き直し計算をします。これについては、やってない事務所もあると思われますので、依頼した場合は利息が請求されているか確認した方が良いでしょう。ちなみに上記4社の場合、訴訟に持ち込めば利息も含めて支払ってくれる場合が、ほとんどです。

 分割払いの交渉をする場合は比較的、こちらの提案に協力してくれる傾向が強いようです。従って、債務が残る場合は、ありがたい業者と言えるでしょう。今後は利率が下がって、過払いになるケースは減ってくると思われますので、任意整理に対する評価が上がってくることが予想されます。

 では、次回からは中堅の消費者金融について取り上げます。

1月 19 2009

シリーズ 各業者の対応⑫

 久しぶりのシリーズの続きです。今回はライフカードを取り上げます。

ライフカードは他のカード会社に比べてキャッシング比率が非常に高いことで知られており、売上の6割以上がキャッシングで占められています。また、プレイカードと呼ばれるキャッシング専用カードも出しており、キャッシング部門を受け持つライフキャッシュプラザという専用支店も各地に設けていて、事実上、消費者金融に近い形態のカード会社です。

この為、債務整理をするとライフカードが関わってくることも多く、債務整理ではお馴染みのカードです。

 ライフカードで最も注意する点は、何と言っても平成12年5月に会社更生法の適用を受けて一度、倒産していることです。その後、アイフルの完全子会社になることで復活しましたが、過払金の請求を行う上で、この会社更生法が大きな障害になることがあるのです。

具体的には、利息制限法に引き直し計算をした時に、取引期間の長い人だと平成12年5月の時点で既に過払いになっていることがあります。こういう場合、相手がライフだと平成12年5月以前に発生した過払金は全額カットされてしまうのです。(もちろん、それ以降に発生した過払金は問題なく取り戻せます)

これは最高裁判所が、会社更生法の届出期間中に届けなかった過払債権者は、自らの権利を放棄したと判断したからです。

しかし、平成12年の時点で過払金はポピュラーではなく、言葉自体を知っている人も、ほとんどいなかったと思われるので、届出をする可能性は限りなく低く、このような取り扱いは不当だという意見を言う人も大勢います。

実は私も、この件に関しては同じ意見で、平成12年の時点で過払いの届出など非現実的だと思ってます。しかし、相手は最高裁ですから、実際には、この件でライフに勝つのは難しいというのが現状です。ライフと長期の取引がある人は、このことを覚えておきましょう。

ライフは会社更生法を伝家の宝刀のごとくに振りかざしてきますから、昔から長い取引でも平気で取引履歴を出してきます。どうせ平成12年以前は払う必要が無いんだからと言わんばかりです。

分割払いは、まあ普通に応じてくれます。この点は他のクレジット会社と変わりません。

 では次回は、オーエムシーカードを取り上げます。

12月 17 2008

シリーズ 各業者の対応⑪

 今回は、オリエントコーポレーションとセントラルファイナンスについて取り上げます。

 まず、オリエントコーポレーション(以下、オリコと呼ぶ)については、業務の範囲が非常に広く、様々な種類のカードを発行しており、カード以外にも様々な商品を持っていることが上げられます。

例えば、通常のカードとは別にアメニティと呼ばれるキャッシング専用のカードがあったり、自動車ローンや契約書型クレジット(商品を購入する際に、1回ごとに契約書を書いて、その都度審査をする個別のクレジット契約のこと)も手広く取り扱っています。

 従って、クレジットがらみの債務整理をすると、かなりの確率でオリコが入ってくることになります。まあ、債務整理の常連といったところです。

 この業者は最近でこそ改善されましたが、以前はかなり問題のある業者でした。最も問題になっていたのは取引履歴を正直に出してこないことでした。要するに、ごまかしていたのです。

具体的に説明すると、過払いが見込まれる長期の取引の場合、必ずと言って良いほど、取引当初1年くらいの返済額が極端に少ない金額になっていたのです。

オリコに問いただすと、取引当初は債務者が実際に支払った金額ではなく、別の基準で計算された金額を記載していたと言います。だから、ごまかしではないと主張してきますが、はっきり言って、この主張は無理があります。

何故なら、取引履歴のどこにも、上記の説明が書かれていないからです。これでは、気がつかなかった法律家は、最初から実際に支払った金額として計算してしまいます。(事実、そのようなケースは珍しくなかったと思われます)

 私は、疑い深い性格なので、依頼者から引落口座の通帳を借りて、オリコの取引履歴の返済額と実際に引き落とされた金額をつき合わせてみて発見したのです。(こういう調査をしていなかった弁護士や司法書士は少なからずいたと思います。)

 後に問題となり、最近では、取引当初の計算の基準が分かるような形で取引履歴が送られてくるようになりました。まあ進歩と言えるでしょう。ただ、私としては、「最初から実際に支払った金額で全て記載してこいよ」、と言いたい気分です。

 もう一つ、中部地方で勢力を持っているクレジット会社のセントラルファイナンス(以下、CFと呼ぶ)についてですが、ここもオリコと同じ問題を抱えていました。要するに取引履歴のごまかしをやっていたのです。

 まあ、オリコと同じようにCF自身は、「当社独自の計算基準であり、ごまかしではない」と言ってます。しかし、それならば取引履歴と一緒に実際の支払金額とは違うという注意書きや、独自の計算方法について書かれた書面があってしかるべきだと思いますが、残念ながら、そんな注意書きや書面は入っていませんでした。(よほど非難があったのか、途中から計算方法の書面は入るようになったと記憶しています)

 CFの場合も、私は依頼者の通帳を調べていて気がついたのですが、こういう作業を全ての弁護士や司法書士がやっていたかどうかは非常に疑問です。ごまかしに気がつかなかったケースも多いのではないでしょうか。

 CFに関しても、最近では普通の取引履歴を送ってくるようになりましたので改善されたと言って良いでしょう。改善の度合いはオリコよりも評価できると思います。まあ、当たり前のことをしているだけなので評価するというのも、おかしな話ですが。

 私が債務整理の仕事をしてきて、取引履歴のごまかしという点では最もひどかったのが、今回取り上げたオリコとCFです。ようやく最近まともになりましたが、以前はひどいものでした。

このような経験があるので、私はクレジット会社の印象が良くないのです。

 では、次回はライフカードについて取り上げます。

12月 05 2008

シリーズ 各業者の対応⑩

 今回は、銀行系カード一般について取り上げましょう。

 前回取り上げた三菱UFJニコス以外の代表的な銀行系カードと言えば、三井住友ビザ、あと各地方銀行の名前を冠した〇〇ビザと呼ばれているカード、外資系ではアメックス(アメリカンイクスプレス)、ダイナース、シティカードなどが上げられます。あと、銀行系とは言えないかもしれませんが似たような特徴を持つ会社としてJCBがあります。

 これらの銀行系カードの特徴と言えば、何と言っても目に付くのが、「担当者が大変、威張っていてエラそうである」ということです。

いかにも銀行系という感じで、「我々は被害者であって何ら落ち度は無い、まともに返済しないような輩に味方する司法書士は、とんでもない連中である」といったニュアンスが会話の中に、にじみ出ています。(私は個人的に、銀行系カードの担当者は、消費者金融よりも嫌いです。自分たちは正義だと言わんばかりの態度が非常に目立つからです)

 従って、銀行系カードの問題点も、この鼻持ちならない意識と密接に関係しています。

 一つには、入出金を日付順に並べた取引履歴を送ってこないことです。こんなことをするのは、銀行系カードとJCBくらいです。

では代わりに何を送ってくるかと言うと、顧客に毎月送っている請求明細の束を郵送してきます。取引期間が長いと、それはもうすごい分厚さで、小包のようなもので送られてくることもあります。

銀行系カードの貸付の特徴として、金銭貸付が多くの場合、翌月一括払いのキャッシング(マンスリークリアと呼ばれてます)と、定額払いのリボルビングローンに分かれていることが上げられます。そして大抵の会社が、リボルビングローンは利息制限法の範囲内で、翌月一括払いのキャッシングは利息制限法超過利息を請求しています。さすがに改正貸金業法が出来てからはキャッシングについても利率を下げてきましたが、つい最近までは違法利息を取っていた訳ですから、正義を気取るのは止めてもらいたいものです。

この明細はショッピングとリボルビングローンと翌月一括払いのキャッシングが混ざっていますから、司法書士の方で超過利息を取っているキャッシングを拾い出して、しかもキャッシングのみの入金は書かれていませんから、キャッシング元金と利息を合計して引落し日で決済したと考えて取引履歴を作成する訳です。

これは大変面倒な作業で、銀行系カードの請求明細が送られてくると正直うんざりします。

しかし、考えてみれば銀行系カードだって交渉する為には利息制限法に引き直した金額は知りたいはずであって、独自にキャッシングのみの取引履歴は作成しているはずです。それを送ってこない訳ですから、嫌がらせとしか言いようがありません。

まあ、苦労して計算した結果、過払いだった場合は、さすがに素直に支払ってきますが、正直、すっきりしません。

 あと、二つ目の問題は、債務が残った時の遅延損害金を厳格に請求してくる傾向があります。意外に思われるかもしれませんが、世間でまともな会社と思われている業者ほど、遅延損害金は負けてくれません。要するに自分たちは正義で払わない方が悪いんだと思っている訳ですから、正当な請求をしてくる訳です。

通常は、最終取引日、悪くても依頼を受けた日(受任日と言います)で話がまとまることが多いのですが、相手が銀行系カードだと最悪の場合、支払日までの遅延損害金を請求されることもあります。まさに容赦なしという感じです。

 あと、分割払いについても、他の業者に比べて条件が厳しい場合が多いです。分割回数を縮めるように請求してくることも多いですし、債務者の家計の状況も詳細に聞いてくる傾向があります。少しでも余裕があると見ると、「もっと一月の支払額は増やせるはずだ」と言ってくることも珍しくありません。

 結論としては、滞りなく使っている分には、銀行系カードは他のカードよりもステイタスがあって、限度額も一般的に大きく、附帯サービスも充実している場合が多いので良いのかもしれませんが、ひとたび、支払が止まった時は他の会社よりも厳しくなる可能性があることは知っておいた方が良いでしょう。(この辺は、大元である銀行と同じですね。貸し出し条件は良いけど、滞った時は血も涙も無いのが銀行ですから)

 では、次回はオリエントコーポレーションとセントラルファイナンスについて取り上げます。

 

11月 27 2008

シリーズ 各業者の対応⑨

 今回は三菱UFJニコスについて取り上げます。

 銀行系クレジットも、本家の銀行と同様に合併を繰り返していて以前に比べると数が少なくなりました。特に目立つ大型合併がUFJカードとDCカードが日本信販と合併して出来た三菱UFJニコスです。

銀行系のメジャークレジット2社と日本信販が合併したのですから、巨大クレジット会社が誕生したと言って良いでしょう。依頼の中に三菱UFJニコスが含まれている割合は非常に高いです。

 合併した当初は、あまりにも巨大になり過ぎた為に事務が大混乱になり、司法書士や弁護士が何度、電話をかけても一向につながらない時期がありました。任意整理をやっていて、ニコスだけが電話がつながらず交渉が出来ない為に、1社だけ終わらないということが良くありました。

事務の混乱は取引開示にも影響が出て、ニコスだけが、いつまでたっても開示されない状態が続きました。ひどい時には取引開示だけで3か月近くかかったこともあります。

しかし、最近になって、ようやく事務も落ち着いてきたようで、電話もかかるようになりましたし、取引開示も以前よりは早くなりました(そうは言っても他の業者よりは、まだ遅い方です)。

 合併して良くなったこともあります。UFJカードやDCカードのような銀行系カードはキャッシングの取引履歴を自社で作成していないので(これは銀行系カードの特徴です。次回以降で詳しく説明します)。いわゆる毎月発行する請求明細の束を送りつけてきます。これは入出金を記録した取引履歴ではないので、入金と出金を拾い出して取引履歴を司法書士が作成しなければなりませんでした。

ところが、合併してからはニコスのシステムを共有するようになったので、取引履歴を旧UFJカード、旧DCカードの場合も業者側で作成するようになりました。これは評価できる改善と言って良いでしょう。

あと、これは合併前から続いている問題点ですが、10年以上前の古い取引履歴は開示されないケースが多々あります。請求しても処分して保存していないので無いと言ってきたりするので、なかなかやっかいです。(この辺はGEコンシューマーと似てますね)

 過払金に関しては、元金ならば割りと任意交渉で返還してくれます。満額返してくれることもあります。利息まで請求すると、さすがにすんなりとはいかない場合が多いです。そういう場合は消費者金融と同じように訴訟に持ち込むことになります。訴訟になった場合、あまり争ってくる業者ではありません。ただし、古い取引が開示されていないケースでは金額の大小について争ってくることがありますので注意が必要です。

 分割払いに関しては、こちらの申し出を非常に良く聞いてくれる業者です。取引の開示が遅いことが、分割の場合には支払いのスタートが遅れるので、むしろメリットになります。分割になる場合は、ありがたい会社と言って良いでしょう。

 次回は、その他の銀行系カード会社について取り上げる予定です。

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