司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

5月 21st, 2009

5月 21 2009

シリーズ 自己破産⑤ 破産を決意した時に必要なもの(後半)

 本日は前回からの続きです。

「銀行預金通帳・郵便貯金通帳」 本人名義のものは全て必要です。過去1年分の記帳が条件なので、1冊で足りない時は古い通帳も必要です。よく、記帳しないで放っておく人がいますが、そうすると破産の為に久しぶりに記帳した時に「オマトメ」と表示されて途中の記帳が省略されてしまうことがあります。この場合は、銀行に行って省略分のコピーを受け取ってこなければなりません。(結構、面倒です。こまめに記帳しましょう)

「車検証」 首都圏の人は別にして、地方の場合は車の所持率は非常に高いと思われます。車が無いと生活できないという場合も多いでしょう。従って、車検証の提出は必須です。登録年度や所有者、ローンが終わっているかどうかなどを判断する為の資料となります。ちなみに同居人が車を持っている場合も必要になりますので、ご注意ください。(もちろん同居人が車を取られる訳ではありません。誰の名義かを裁判所が確かめる為です)

「退職金見込額証明書」 派遣やパートや契約社員の場合は不要です。当然ですね。正社員で退職金が無い場合は、無いことを証明する書類の提出を求められます。ある場合は金額を計算して計算の根拠を示す書類(多くの場合、就業規則になるでしょう)を提出することになります。

「保険証券」 本人が契約者となっているものは全て必要です。よく忘れるのが自動車保険と子供にかけている学資保険ですね。あと、親が支払っているけど契約者は本人だったというケースも提出義務はありますので注意が必要です。

「保険解約返戻金証明書」 良く勘違いされますが、保険を解約する必要はありません。保険を継続したまま、現在貯まっている返戻金だけを知ることが出来るのです。保険会社に電話して、現時点での返戻金証明が欲しいと言えば、送ってくれます。明らかに返戻金が無いタイプの県民共済とか、損害保険などは不要です。

「診断書」 必須ではありませんが、病気やケガが借金の原因に含まれている人は提出した方が良い書面です。提出されれば裁判所が破産に理解を示してくれる可能性が高くなると思われます。

「パスポート」 借金の原因とは関係なく、海外旅行経験がある人は出すことになっています。出して問題になった経験は私はありません。何故、出すのか私にも不明ですね。

「税金・社会保険料の滞納額証明書」 税金や社会保険料を滞納している人は金額が分かるものを出さなくてはなりません。督促状が来ているはずなので、それを出せばよいでしょう。督促状を無くしてしまった人は覚悟を決めて、税務署や社会保険事務所に電話しましょう。ちなみに税金や社会保険料は破産できません。(正確には破産しても支払義務は残ります)

 以上が主だった破産に必要な書類です。結構、たくさんありますね。でも、借金が全額、帳消しになる訳ですから、この位の大変さは我慢しましょう。

では、次回は破産しても残る財産について説明しましょう。