司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

10月 8th, 2013

10月 08 2013

法テラスへの疑問

先日、約40万円弱の債権回収の相談がありました。この相談者は最初、法テラスに連絡して弁護士を何人か紹介されたそうです。ところが、まともに相談にのってくれた弁護士は結局見つからず、結局、ネットで検索して当事務所にたどりついたそうです。(こういうことがあるから、ネットによる情報公開は大切なのです)

全く法テラスは一体何をしているのでしょうか。この相談者にとっては余分な手間と時間を取られ、さらに引き受けてくれる法律家はいるんだろうかという余分な不安も抱えることになり、はっきり言ってマイナスの影響しか与えていないという印象でした。

紹介された弁護士は非常に冷たい対応だったそうです(金額が低かったからでしょう)。40万円の回収に着手金を30万円要求されたり(間接的に断っているのと同じです)、代理人としての回収を希望しているのに「自分でやれば」とすすめられたりとか。

私が相談にのって詳しく説明した後、「希望されるなら引き受けます」と言ったら、非常に感謝して、引き受けること前提で話をしてくれた人は初めてだと言っていました。

それにしても、いかにも一般市民の味方のような顔をして、こんな対応しかできないのでは、法テラスの存在価値などないんじゃないでしょうか。最初からネットで探して相談に来ていれば、この人は不快な思いをせずにすんだ訳ですから、むしろ有害だとも考えられます。

繰り返しますが、このような対応をしているようでは、法テラスの先行きは暗いと言わざるを得ません。引き受ける気が無いのなら最初から紹介すべきではないのです。それこそ、「140万円以内なら司法書士を、お探し下さい」と案内する方が、よほど市民のためではないか思います。

最近はテレビコマーシャルなども流れるようになって、一般に認知されるようになってきた法テラスですが、認知が高まったということは社会的責任も高まったということです。現状では認知に見合った責任を果たしているとは言い難い状況のようです。「出来ないものまで引き受ける」体質は早急に改善して頂きたいものです。