司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2021年1月

1月 28 2021

引田法律事務所の「居住調査予定のお知らせ」 時効(82)

引田法律事務所は旧武富士の未払い債権の回収を多く行っていることで有名な弁護士事務所です。旧武富士の請求の場合、肩書に「日本保証代理人」と書かれています。この辺りの事情は下記に記したホームページをご覧ください。
なお参考までに、「東京都中央区日本橋小網町6番7号」に事務所が置かれています。ただし、債権回収業者は事務所を移転することも珍しくないので、あくまで令和2年12月時点の話です。

引田法律事務所から届く「居住調査予定のお知らせ」とは

引田法律事務所からの請求を何度も放置していると、「居住調査予定のお知らせ」という通知が届くことがあります。この通知の内容は以下のとおりです。

  1. 通知した理由
  2. タイトルの下の文章に通知した理由が書かれています。
    「事前に通知を送っても連絡が無いので、通知を送った住所に本当に住んでいるのか不明である。従って、調査会社に依頼し訪問調査を行う予定である」
    と言った内容です。たいていの債務者は訪問されたら困ると思っていますので、あわてる人が多いでしょう。
    それを見越して、「調査日時に関しては債務者の希望には添えない」とも書かれています。ようするに、「いつ来るか分からない」と言っている訳で、債務者には相当なプレッシャーがかかるでしょう。

  3. ご請求内容
  4. この欄には請求金額の合計と、その内訳(元金・利息・損害金等)が書かれています。この欄で重要なのが、「支払の催告にかかる債権の弁済期」という記載です。何が重要かは後ほど説明します。

  5. ご融資の契約内容
  6. この欄には契約の詳細が書かれています。契約者名・残高・会員番号・利率などです。この欄で重要なのが、「最終貸付年月日」という記載です。これについても何が重要かは後ほど説明します。

  7. ご返済口座
  8. 返済する時の口座名が書かれています。引田法律事務所の場合、みずほ銀行が指定されていることが多いようです。ちなみに口座名義は引田法律事務所ではなくて日本保証になっています。

  9. ご連絡先
  10. フリーダイヤルの電話番号が記載されています。

引田法律事務所の「居住調査予定のお知らせ」に対する解決法

まず先ほど指摘した「支払の催告にかかる債権の弁済期」と「最終貸付年月日」の日付を確認して、両方とも5年以上前ならば消滅時効で解決できる可能性が高いです。当てはまる場合は専門家に相談しましょう。
ただし、「訪問調査」という言葉にプレッシャーを感じて、引田法律事務所に電話をして具体的な支払いの約束をしてしまうと、後で消滅時効での解決が難しくなる場合があります。くれぐれも注意しましょう。

引田法律事務所について、より詳しい情報が知りたい場合は以下をクリック

引田法律事務所

1月 12 2021

過払金の利率の変更 過払金請求(69)

民法改正による法定利率の変更

令和2年4月以前の法定利率は年5%でした。しかし民法が改正されて、令和2年4月以降の法定利率は3%になりました。この改正は過払金の利息の利率にも影響があります。

過払金の利率は民事法定利率になる

過払金は法的には不当利得と言います。この不当利得返還請求権の利息は、法律上当然に発生する利息(法定利息)であり、契約に基づいて発生する利息(約定利息)ではありません。従って、利率は法定利率が適用されます。

過払金の利息の発生時期

過払金の利息は、個々の返済により過払金が生じた時に発生すると考えられていますから、令和2年4月1日以降における返済によって発生する過払金利息の利率は年3パーセント、それ以前の返済によって発生する過払金利息の利率は年5パーセントと考えれば良いでしょう。

充当合意による考え方もある

一方、過払金は過払金充当合意を含む基本契約に基づいて、取引を一連計算することにより算出されるものです。従って、令和2年4月1日よりも前の時点で一度でも過払金の利息が発生した場合には、それ以降に発生する利息の利率はすべて年5パーセントになると考えることもできます。

ただし、この考え方には貸金業者の激しい抵抗が予想されますので、過払金の返金を急ぐ人には向かないかもしれません。
この問題は一部の弁護士が最高裁まで争って決着するまでは、新たな争点になるでしょう。

過払金請求について、より詳しい情報が知りたい場合は以下をクリック

過払金請求

1月 08 2021

株式会社グリーンアイランドの不当請求 時効(81)

株式会社グリーンアイランドとは、どんな会社か?

株式会社グリーンアイランドは静岡県静岡市に本社のある回収業者です。グリーンアイランドの本社の住所は、なぜか中堅消費者金融クレディアの住所と同じになっています。クレディアと何か関係があるのかもしれませんね。

元の業者は、どこなのか?

株式会社グリーンアイランドは、元は以下の業者の未払い債権が移ってきたものが多いのが特徴です。以下の業者から借りた覚えがある場合は、グリーンアイランドから請求を受ける可能性があります。(他にもまだあるかもしれません)

  • ユニマット
  • ユニマットライフ
  • オリカキャピタル
  • ベターライフ
  • オリエント信販
  • ※上記のうち、ユニマットライフ・オリカキャピタルが特に多い印象があります。

    株式会社グリーンアイランドから届く書類

    株式会社グリーンアイランドからは以下のようなタイトルの書類が届くことが多いです。

  • 催告書
  • 法的手続き移行のご通知
  •  

    株式会社グリーンアイランドの自宅訪問

    株式会社グリーンアイランドは請求を放置していると自宅を訪問することがありますので注意しましょう。
    実際に訪問するのは、グリーンアイランドから業務委託を受けた日本インヴェスティゲーションという業者です。日本インヴェスティゲーションは、以前にこのブログで紹介した引田法律事務所の訪問調査も請け負っています。
    自宅を訪問された時に不在の場合は、「訪問通知書」「ご連絡のお願い」と言った書面がポストに投函されます。

    株式会社グリーンアイランドの消滅時効の確認

    時効期間が経過しているかどうかを判断するには、まず書面の下の方にある【本書作成時点での残存債務の額】という見出しを見つけてください。次に、「約定返済日」という欄に書かれている日付で確認できます。
    もし、この日付が5年以上前であれば消滅時効で解決できる可能性が高いです。グリーンアイランドに連絡する前に専門家に相談しましょう。

    消滅時効による解決法

    株式会社グリーンアイランドの請求は、長年未払いの状態で放置された債権が多いため、高額な遅延損害金が上乗せされて驚くような金額で請求されることも珍しくありません。
    例え時効期間が経過していても請求自体は違法ではないため、放置しても請求は止まりません。これが刑事事件の時効とは異なるポイントです。
    ただし、法的に整った時効援用通知を専門家に出してもらえば、ほとんどのケースで請求が止まり、支払いを拒否できます。

    しかし、相手に連絡をして、安易な発言をすると後に時効を援用できなくなる場合があります。相手は債権回収のプロですから、個人での対応はリスクがあるので注意しましょう。

    消滅時効について、より詳しい情報が知りたい場合は以下をクリック

    消滅時効