司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2023年3月

3月 29 2023

携帯電話と任意整理 任意整理㊱

携帯電話の任意整理の注意点

クレジットや消費者金融の任意整理をしても、携帯電話やタブレットの利用に影響はありません。これは、金融業界のブラックリストと電話業界のブラックリストが別になっているからです。

しかし、機種変更や新しい端末の契約をする場合は影響が出るので注意が必要です。理由は、端末の購入については金融業界のブラックリストの影響を受けて分割払いの制限を受けるからです。よって一括払いをするしかありません。

携帯料金を任意整理した場合

携帯電話の利用料金を任意整理すると携帯電話が使えなくなります。今使っている携帯電話を利用したいならば、携帯料金は払っていくしかありません。

では携帯電話を複数持っている場合はどうなるのでしょうか。

例えば携帯電話とタブレットを持っている場合を考えてみましょう。この時、タブレット料金のみを任意整理の対象にした場合は、携帯電話を利用し続けることができます。もちろん携帯料金に未納分があったら解消しておくのが条件です。

携帯会社が発行するクレジットカードの任意整理

携帯会社は独自のクレジットを持っています。NTTドコモならドコモdカード、auならばauペイカード、ソフトバンクならばPAYPAYカードです。

この携帯会社発行のクレジットカードを任意整理しても、携帯の利用料金をそのまま払っていれば携帯電話を利用することは可能です。

携帯料金を任意整理した場合、携帯会社発行のクレジットは使えるか

先ほどの事例とは異なり、携帯料金を任意整理すると携帯会社発行のクレジットカードは使えなくなるケースがあるので注意が必要です。確認できた事例としてはドコモがあります。ドコモの携帯料金を任意整理するとdカードが利用できなくなります。

任意整理とキャリア決済

キャリア決済とは、携帯電話で決済したものを翌月の電話料金と一緒に支払うという仕組みのことです。金融でブラックリストに登録されても、基本的にはキャリア決済は可能です。なぜならキャリア決済は金融の事故情報を元に審査をしていないからです。

ただし、電話利用料金を任意整理した場合は、キャリア決済も制限される可能性がありますので注意しましょう。

任意整理について、より詳しい情報が知りたい場合は任意整理のページ

3月 28 2023

転付命令の効果の時期 強制執行(差押)⑥

転付命令の効果はいつから

転付命令の効果は第三債務者に送達された時から生じます。

しかし、効果が生じるには転付命令が確定している必要があります。

では確定するのはいつからなのかと言うと、債務者と第三債務者に送達されてから1週間後です。

ややこしくなってきましたね。少し整理してみましょう。

債務者と第三債務者

第三債務者とは差押の対象になっている会社(給料の場合)や銀行(預金口座の場合)のことです。

通常、債権執行では債務者が気付いて財産を移すのを防ぐために、第三債務者の方に先に送達します。ですから確定するのは一般的に債務者に送達されてから1週間後になることが多いでしょう。

すると勘が良い人は矛盾に気づくでしょう。転付命令が確定するのは効果が生じるよりも後になるからです。

これはどういうことかと言うと、実務上は確定するまでは効果が生じませんが、確定すると第三債務者に送達された時にさかのぼって効果が生じたとみなす(確定したときを待たないと、効果が発生しないけれど、確定した瞬間に、第三者に送達された日に効果が発生しているものとみなす。)というルールになっているのです。

効果の時期の意味

効果の発生時期を第三債務者に送達された時にさかのぼるのは意味があります。それは前のブログで取り上げた「差押の競合」をできるだけ早く避けるためです。

転付命令は差押の競合を避けるために行われることが多いので、先に送達される第三債務者が受け取った時点で、それ以降に新たな差押があっても競合にならないというルールになっているのです。

強制執行について、より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

強制執行のページ