司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

4月 24th, 2026

4月 24 2026

保証人からの主債務者の時効援用 時効(157)

Q 保証人が一部返済をした場合、主債務の時効はどうなりますか?

A 保証債務の時効は更新されますが、主債務の時効は更新されないでそのまま進行します。(時効の更新とは時効期間が振り出しに戻ることです。例えば3年経っていても更新すると再び0年から始まります)(時効の更新は旧法では中断と呼んでいました。旧法時代に契約された債権債務は今でも旧法で取り扱います)

Q では逆に主債務者が一部返済をした場合、保証人の時効はどうなりますか?

A 主債務者が行った行為は保証人にも影響を与えます。従って、主債務者も保証人も時効が更新されます。よって保証人が時効の援用をしたい場合は、主債務者が時効を更新するような行為をしていないかどうか、確認する必要があります。

Q では主債務者の一部返済が時効期間経過後だった場合は、保証人の債務はどうなりますか。同じ結果になるのでしょうか?

A このケースには注意が必要です。なぜなら結果が異なるからです。結論から言うと、主債務者の一部返済が時効期間経過後だった場合は、保証人の債務の時効は更新しません。保証人は時効の援用をすることができます。

理由は時効期間経過後の一部返済は正確には時効の更新ではなく、「援用権の喪失」という行為になるからです。援用権の喪失は信義則の問題なので、主債務者の行為が保証人には及ばないと考えられています。

Q 主債務者が時効の援用をして成功した場合は、保障債務はどうなりますか?

A 保証債務は主債務と運命を共にする附従性という性質があります。従って、主債務が時効消滅した場合は保証債務も自動的に消滅します。

Q 妻が保証人で主債務者が夫である場合、二人とも時効の更新事由が無い時は、妻は保証債務の時効援用をするべきでしょうか、夫の債務の時効援用をするべきでしょうか?

A まず、保証人は主債務者の利害関係人なので、保証人が主債務者の時効の援用をすることができます。このケースだと妻が夫の時効援用ができるのです。もちろん妻(保証人)は自分の保証債務だけの時効援用もできます。

ただし子どもがいる場合、たとえ離婚していたとしても親子関係は切れませんので、夫の債務が残ってしまうと、いずれ子どもに借金が相続される可能性があります。ですから子どもがいる場合は、妻は夫の主債務の時効の援用をするのが良いでしょう(附従性により保証債務も同時に消えます)。

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