8月 01 2025
信託登記の登録免許税 家族信託(民事信託)㉝
不動産を信託財産にした場合
不動産を信託財産にした場合、法務局に信託登記の申請をしなければなりません。不動産が信託財産となっていることを第三者に知らせる必要があるからです。通常は信託契約書作成を担当した司法書士が申請します。
信託の登記には2種類ある
信託の不動産登記をする場合、所有権移転登記と信託登記を同時に申請します。所有権移転登記は委託者から受託者へ名義を変えるために行う名義変更登記になります。
ただし、これだけだと第三者が見た時に信託で移されたのかどうかが分かりにくいので、所有権移転登記と同時に信託登記も申請して、誰が見ても不動産が信託財産であることが分かるようにするのです。
信託による所有権移転登記は登録免許税が非課税
委託者兼受益者の信託は、名義が受託者に変わっても権利は委託者のままです。よって信託財産の名義を移しても贈与税がかかりません。不動産の登録免許税の場合も同様で、信託による『所有権移転登記』は登録免許税が非課税となっています。
一方、贈与による所有権移転登記は登録免許税が2%なので、3000万円の不動産だと登録免許税は60万円にもなってしまいます。それと比べると信託による所有権移転登記の非課税措置は非常にありがたいですね。
信託登記の登録免許税は、かかるが安い
所有権移転登記と同時に申請する『信託登記』の登録免許税は非課税ではありません。信託登記は名義の変更を表すものではなく、不動産が信託財産であることを表すものだからです。
ただし、税率は安く設定されていて固定資産評価額の1000分の4となっています。これは相続登記と同じ税率で、贈与と比べると5分の1です。
また、土地の信託登記については租税特別措置法により更に安く設定されていて1000分の3となっています。
信託登記の登録免許税は合計した後で100円未満を切り捨てる
登録免許税には100円未満を切り捨てるというルールがあります。複数の不動産がある場合は合計してから切り捨てるというルールもあります。
信託登記は土地と建物で税率が異なるので、土地と建物の税額をそれぞれ個別に計算して、端数があってもそのままで、合計してから切り捨てることになります。個別の税額が出たところで切り捨てて、その後に合計してしまうと金額が違ってしまう事があるので注意しましょう。












