7月 02 2015
相続放棄は結構大変で時間がかかります(相続放棄②)
相続放棄の申立書を提出してから、1週間以上待たされる
相続放棄の手続は、どの程度の時間がかかるのでしょうか?
この答えは、「想像よりも時間がかかる」です。
ほとんどの人は、「たいして時間がかからない」と考えているのではないでしょうか。
「戸籍や住民票を取るようなものなんじゃないの」と思っている人もいるかもしれません。
実際には、必要書類を添付して申立書を家庭裁判所に提出してから、1週間以上待たされる裁判所がほとんどです。
「なんで、そんなに時間がかかるんだ」と思うかもしれませんね。
これは、相続放棄が、重大な権利変更の効果をもたらすので、慎重に審査をしていると考えるべきでしょう。なにしろ相続の権利を完全に無くしてしまう訳ですから。間違っていたら大変なことです。
相続放棄の審査は1回だけではない
しかも、審査は1回だけではありません。
1回目の審査が終了した後で、相続放棄をする相続人に家庭裁判所から、書類が郵送されます。
「照会書」という質問書です。
この書類に書かれた質問に答えて家裁に返送すると、今度は2回目の審査になります。
ちなみに、この質問の答え方や印鑑の種類によっては、相続放棄が認められないケースもありますので注意が必要です。
2回目の審査は、1回目の審査よりは若干早いですが、それでも翌日ということはありません。
ここでも数日の時間がかかります。
審査の結果、問題無ければ「相続放棄申述受理通知書」という書類が家裁から送られてきます。
これでようやく相続放棄が完了したことになります。
しかし、実務の面では、これで終わりにはなりません。
債権者である金融機関に相続放棄を証明する書類を送る必要があります。
また、不動産の名義変更をするために法務局へ提出する場合も同様の書類が必要になります。
この為には改めて家裁に証明書の発行を申請しなくてはなりません。
これがまた、添付書類等が必要になりますので、戸籍や住民票を取るようにはいかないのです。
このように、相続放棄の手続は、全て終了するまでを考えると結構大変で時間がかかります。
「簡単に終わるんじゃないか」というイメージを持っていた人は注意しましょう。












