司法書士ジャーナル<相続>
橋本司法書士事務所ブログ

遺産承継業務

9月 27 2024

ゆうちょ銀行の利息計算は残高証明に追加記載される 遺産整理(遺産承継)㉓

銀行の残高証明書と利息計算書

相続税の申告がある場合は、銀行の相続手続をする時に残高証明書も一緒に取得します(相続税申告に必要な書類だからです)。相続税申告が無い場合でも、他の相続人に財産がいくらあるかを証明しなければならない時は、やはり残高証明書を取ります。

残高証明書を取る時、証明すべき口座が定期預金の場合は利息計算書も取らなければなりません。死亡日までの経過利息を証明する必要があるからです。

ゆうちょ銀行は利息計算が残高証明書に追加記載される

通常の銀行だと定期預金の利息計算書を取得した場合、残高証明書とは別の用紙で出されることが多いです。
しかし、ゆうちょ銀行の場合は取り扱いが異なります。これまでも、ゆうちょ銀行の取り扱いが様々なケースで異なるという記事を書いてきましたが、利息計算書も異なるのです。

具体的には、ゆうちょ銀行の利息計算は残高証明書に追加記載される形になります。通常の銀行と取り扱いが異なり、なぜ、このようになっているのか不思議ですね。

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10月 24 2023

東海東京証券の相続手続 遺産承継(遺産整理)㉒

東海東京証券とは

東海東京証券は、東海丸万証券と東京証券が合併してできた証券会社です。
中部地区に強い地盤を持ち、名古屋駅前のミッドランドスクエアに本店があります。

東海東京証券の残高証明書

東海東京証券は相続手続をしようとすると、「まずは残高証明書を取得してください」と言ってきます。残高証明書を取ってからでないと相続手続に進めないという社内ルールになっているようで、金融機関の中でもかなり珍しいルールだと言えます。

例えば、相続人が一人で相続税がかからない手続の場合、残高証明書は不要と言う依頼人も多いので、そのような場合でも残高証明書を取らなくては次のステップに進めないことになります。個人的には、もう少し柔軟なルールに変更した方が良いのではないかと思いますね。

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7月 28 2023

JRA専用口座(A-PAT)の相続 遺産承継(遺産整理)㉑

A-PATとは

A-PATとは専用口座と紐づけることで、ネットや電話で馬券を購入できるシステムです。競馬好きの人にとっては楽に馬券が買えるので、持っている人も増えているようです。

JRA専用口座の相続

相続で相談を受けると、持参された通帳の中にJRA専用口座が含まれている場合があります。JRA専用口座の相続手続は、通常の口座とは手続が異なりますので注意が必要です。

まずは会員の解約から

何が異なるかと言うと、先に銀行に行っても相続手続ができないことです。「まずはJRAの会員の解約を行ってから来てください」と銀行に言われます。JRA専用口座は紐づけがされているので、会員のまま口座だけを勝手に解約することができないようになっているのです。

よってまずはJRAに連絡してA-PAT会員の解約書類を郵送してもらいます。書類に記入して必要書類と一緒に返送したら、解約された頃を見計らって銀行に行ってJRA専用口座の相続手続をするという順番になります。結構な手間ですね。

「解約された頃を見計らう」と言ったのは、JRAから解約されましたという連絡が来ないからです。JRAに電話すると、「解約書類を返送してから通常〇〇日くらいで解約される」ということは答えてくれますが、それだけです。なので、もう解約されただろうという頃を見計らって銀行に行くことになるのです。

競馬をやらない人にとっては、A-PAT会員のこともJRA専用口座のことも聞いたことがないでしょう。私もこの仕事をやっていて始めて知りました。そのような人にとっては、JRA専用口座の相続はとまどうことも多いでしょう。そんな時は専門家に任せるのも一つの方法だと思います。

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遺産承継

7月 27 2023

ゆうちょ銀行の相続に関する不思議な対応 遺産承継(遺産整理)⑳

ゆうちょ銀行の特殊性

ゆうちょ銀行は元は郵政公社という国営企業だったからか、他の銀行とは明らかに異なる点がいくつかあります。中でも相続手続は、かなり異なります。

まず全国どこの郵便局でも受付が可能です。これは良い点なのですが、相続の手続書類をもらうのに必ず郵便局の窓口まで行かなくはならないのはマイナスポイントです。

他の銀行では「手続書類を郵送して欲しい」と頼めば、どこでも郵送してくれます。

相続確認表を窓口に出さなくてはならない

ゆうちょ銀行で相続手続を行うためには、まずは「相続確認表」という書類を出さなくてはなりません。間違えやすいのは、相続確認表は相続手続のための書類ではないという点です。

私も最初の頃は驚いたのですが、相続手続書類をもらうために相続確認表を出さなくてはならないのです。こんな非効率な二度手間を要求してくる銀行は、ゆうちょ銀行以外にはありません。

しかも、相続確認表は郵送が認められていません。必ず窓口まで出しに行かなくてはいけないのです。ゆうちょ銀行の相続手続は各地域の貯金事務センターで行われています。だったら貯金事務センターに郵送すれば済む話ではないかと思い、何度も「郵送させてくれ」と頼んだことがありますが、答えは「ノー」でした。

相続確認表は手続書類ではないので、通帳や戸籍や印鑑証明などの重要書類を一緒に送る訳ではありません。それでも拒否されるのです。「まるで役人と話しているようだ」と思ったのは私だけではないはずです。

相続確認表の中身

相続確認表は3枚組の書面で、1枚目と2枚目に「被相続人の情報」「代表相続人の情報」「遺言書の有無」「法定相続人の情報」などを、かなり詳しく記入するようになっています。手続の前段階で、ここまで詳しい情報を書かせるのは他の銀行ではありません。
3枚目は相続財産である貯金の種類を詳しく記入するようになっています。ただ相続人が同居しているとは限らないので、貯金の種類などは不明な場合もあります。その時は貯金等照会書という書類を別に出して調べないといけません。他の銀行だと手続の段階で勝手に預金を名寄せして見つけてくれます。

相続手続書類に関する不思議な対応

相続確認表を窓口に提出すると2~3週間後に、ようやく相続手続書類が郵送されてきます。この手続書類の中には貯金事務センターに宛てた返信用封筒が同封されています。当然、この封筒に入れて返信すれば良いのだろうと通常は思いますが違うのです。

何と記入した書類と返信用封筒を持って郵便局の窓口に行かなくてはならないのです。こんな不自然な謎の対応には、何度経験しても慣れません。どう考えてもおかしいと思うからです。

窓口では、書類がそろっているかを確かめて封筒に入れて貯金事務センターに送ることになります。直接、送って何が問題なのかさっぱり分かりません。実際に郵便局員に「これ、直接送った方が効率良くないですか」と聞いたところ、「私も、そう思います」と言っていました。現場の人間から見ても不自然な対応だということです。

郵便局の口座でなければ入金できない

めでたく相続手続が完了し入金の段階になると、またしてもゆうちょ銀行特有の謎の対応があります。それは、相続預金の入金口座がゆうちょ銀行以外は認められていないことです。ゆうちょ以外で、このような対応を取っている銀行を私は知りません。
ということは、もしゆうちょ銀行の口座を相続人が持っていない時は、わざわざ相続預金の入金のために、ゆうちょ銀行の口座を作らなければならないことになります。

更に、ゆうちょ以外の銀行に入金したい時は、一旦ゆうちょ銀行に入金された相続預金を他の銀行に振り込むという2度手間をかける必要があるのです。

ゆうちょ銀行の相続手続の特殊性

このように、ゆうちょ銀行は明らかに他の銀行とは異なる特殊な手続を要求してくる部分がありますので注意が必要です。始めて経験すると驚いてしまうことも多いと思いますから、知っておかれた方が良いでしょう。

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遺産承継

12月 12 2022

上場株式の相続税評価 遺産承継(遺産整理)⑲

上場株式の相続税評価の方法

被相続人(亡くなった方)の相続財産に上場会社の株があった場合、相続税評価額は以下の4つの価格のうち最も低い金額となります。最も低い金額ですから、株に関しては税務署は甘いですね。尚、終値とは営業日の最後に付いた取引価格のことです。

  1. 相続発生日の終値
  2. 相続が発生した月の終値の平均額
  3. 相続が発生した月の前月の終値の平均額
  4. 相続が発生した月の前々月の終値の平均額

上場株式の相続税評価の具体例

分かり易くするために具体的な例をあげましょう。亡くなったのが12月15日で、株価が以下のとおりだったとします。
12月15日の終値  → 800円
12月の終値の平均額 → 900円
11月の終値の平均額 → 700円
10月の終値の平均額 → 750円

この場合、最も低い価格は700円です。1000株あったとすると、70万円が相続税評価額になります。

相続発生日が営業日ではない場合

相続発生日が土曜、日曜、祝日の場合は、市場が休んでいるため終値がありません。このような場合は相続発生日に近い日の終値を相続発生日の終値とします。
例えば日曜日に亡くなった場合は、翌日の月曜日の終値を相続発生日の終値として計算します。

非上場株式の場合は

非上場株式は公開された市場で取引されていないので、相続税評価額を算出するのは簡単ではありません。全ての会社に適用できる一般的な方法はないので、会社の売上や資産など様々な情報をもとに個別に判断する必要があります。かなり専門的な作業になりますので、税理士や公認会計士などの専門家に依頼するのが良いと思います。当事務所では提携している税理士をご紹介することも可能です。

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遺産承継

6月 28 2022

信託銀行の株の相続手続 遺産承継(遺産整理)⑱

株主名簿管理人とは

株式会社に代わって株主名簿の作成および備置きその他の株主名簿に関する事務を行う者のことをいいます。

法律では株主名簿管理人の設置は自由ですが、上場企業の場合、証券取引所が設置を義務付けていますので、必ず設置されています。株主名簿管理人には信託銀行などが指定されていることが多いです。

※昔の商法では名義書換代理人と呼ばれていました

信託銀行と証券会社

信託銀行は株主名簿の事務代行をしている訳ですが、株式の売買取引には関与していません。売買取引を行うのは証券会社になります。
株は売買を前提に持っている人が多いので、ほとんどの場合は証券会社が取り扱い機関になっています。従って相続が発生した場合も、証券会社に対して相続手続を申請するのが通常のやり方です。

信託銀行が取り扱い機関になる場合

しかし中には株をずっと持ち続けて売却するつもりが無いという人も、たまにいらっしゃいます(かなりの少数派だとは思います)。そのような場合、証券会社ではなく信託銀行が取り扱い機関になっているケースもあります。このようなケースで相続が発生した場合は、相続手続の申請は信託銀行にすることになります。

信託銀行の相続手続

信託銀行の相続手続は非常に大変です。証券会社も銀行に比べれば大変なのですが、証券会社以上に大変なことが多いです。その理由は、信託銀行では株式の売却ができないからです。

相続した株の取り扱い機関が信託銀行だった場合、まずは、相続人がどこかの証券会社の口座を持っている必要があります。持っていなければ新しく証券口座を開かなければなりません。

信託銀行から証券会社に移す

証券会社が取り扱い機関ならば、同じ証券会社に相続人の口座を開けば書類も少なく手続きもスムーズに進みます。会社が同じなので情報が共有されるからです。

しかし、信託銀行が取り扱い機関の場合は、別の証券会社に相続人の口座を開き、そこに信託銀行の株を移さなければなりません。別会社ですから必要な情報も多くなり手続も複雑で時間もかかります。

証券会社で換金する

相続人の証券口座に株式の名義を移した後で、始めて相続した株の売却が可能になります。あくまで換金は証券会社でないとできないからです。

このように相続手続と換金を別の会社で進めていく必要があるので、手続のステップが増えて手間と時間が余計にかかることになります。
証券会社の相続と同様に、相続財産に株式が含まれている時は専門家に依頼した方が手間がかからないでしょう。

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遺産承継

6月 20 2022

證券会社の相続手続 遺産承継 (遺産整理)⑰

証券会社の相続手続の特徴

証券会社の株式の相続の場合、銀行預金の相続とは決定的に異なる点があります。それは、相続人または代理人の証券口座が必要になることです。

もし相続人または代理人が証券口座を持っていない場合は、別途、新たに口座を開設することになります。

相続用証券口座の開設

相続人または代理人が相続前から証券口座を持っていれば、それを使えば良いのですが(手続をする証券会社と同じ場合は更に便利)、日本ではまだ証券取引は一般的ではないので、証券口座を持っていないことの方が多い印象です。

その場合は相続専用口座を、手続をする証券会社で新たに開設することになります。

相続専用口座とは

相続専用口座とは相続手続のためだけに開設される口座で、手続終了と同時に口座が閉鎖されます。

そんな短期間なら、わざわざ開設しなくても良いのでは、と考える人もいると思いますが、これが無いと手続きができないので仕方がありません。

株式の相続

株式は被相続人名義のままでは換金することができません(この点、不動産と似ていますね)。まずは相続人または代理人の名義にしてから売却する必要があります。そのために相続専用口座が必要になる訳です。

一旦、相続専用口座で相続人または代理人名義の株式に移管してから換金します。換金が終わったら口座は閉鎖されます。もちろん口座を閉鎖せずに株式のまま持ち続けることも可能です。

口座開設の手間

相続専用口座を開設するのは結構な手間です。余分な書類も書かされますし、証券会社とのやり取りで時間も取られます。通常の相続手続に加えて行うことになるので、証券会社の相続手続は銀行よりも大変な場合が多いです。

株式の残高証明書

相続税の申告などがある場合、残高証明書が必要になるでしょう。銀行ならば死亡日を記入して申請すれば、手数料は取られますが比較的簡単に取得することができます。

しかし、株式の場合の残高証明書は、ずっと複雑です。なぜなら株式の相続税評価額は以下のような複雑な計算で算出されるからです。

①被相続人の死亡日が含まれる月の平均株価
②被相続人の死亡日が含まれる前月の平均株価
③被相続人の死亡日が含まれる前々月の平均株価
④死亡日の株価(終値)

上記①から④のうち最も低い株価が相続税評価額となります
※高く評価されすぎないように相続人に優しい評価方法になっています

このように残高証明書についても証券会社は銀行よりも手間がかかります。
相続財産に株式が含まれている場合は、相続手続は専門家に依頼した方が良いでしょう。

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遺産承継

5月 31 2019

戸籍が廃棄されている場合の相続手続 遺産承継(遺産整理)⑯

戸籍の廃棄とは

戸籍には保存期間が定められています。平成22年に戸籍法施行規則が改正されるまでは80年でした。現在は150年となっています。ただし、保存期間を経過していても役所によっては保存している場合もあり、一律の取り扱いではありません。一般的に大量の戸籍を扱う都会の役所の方が、廃棄している確率が高いと言えそうです。

除籍とは

戸籍には種類があり、大きく分けて現在戸籍・除籍・改製原戸籍の3つがあります。現在戸籍とは最も新しい戸籍で、通常、戸籍と言うと現在戸籍のことです。
一方、除籍とは戸籍に記載されている家族が全員いなくなった場合のことです。
いなくなる原因としては以下のような理由があります。
①死亡
②結婚による新たな戸籍の作成
③転籍(本籍地の変更)
戦後の戸籍制度では結婚すると親の戸籍から抜けていきますので、死亡や結婚で徐々に戸籍の人数が減っていき、全員がいなくなると除籍となります。また、転籍すると前の役所の戸籍は閉鎖されて除籍となります。
前項の保存期間は除籍謄本が対象になります。

改製原戸籍とは

結婚や転籍以外でも戸籍が新しく作られることがあります。それは戸籍法が改正された時です。戸籍法の改正によって閉鎖された古い戸籍のことを改製原戸籍といいます。戦後だと昭和23年と平成6年に戸籍法が改正されています。戦前生まれの方が亡くなった場合、ずっと独身で一度も転籍していなくても戸籍は最低3つはあることになります。
相続手続における「出生までの戸籍をたどる」ということは、除籍謄本や改製原戸籍も含めて全てをそろえるということです。特に除籍謄本については保存期間があるので注意が必要になるのです。

戸籍が廃棄された場合の相続手続

保存期間が80年だった時に多くの戸籍が廃棄されたため、相続が発生して戸籍の収集を始めると戸籍(除籍謄本)が取れないという事態に直面する場合があります。
相続手続では、銀行や法務局から被相続人の出生から死亡までの戸籍が必ず求められます。戸籍が廃棄されていた場合、出生までたどれないということが起こるのです。

戸籍が廃棄されていた場合の解決法

この場合は、廃棄した役所から「廃棄済み証明書」という書面を発行してもらって、この書面を添付することで相続手続をすすめていくことが可能です。以前は廃棄済み証明書に加えて、相続人全員の同意書を添付する取り扱いが一般的で、かなり事務的に面倒な手続でした。
しかし、平成28年に法務局の取り扱いが変更になり、現在では廃棄済み証明書が添付されていれば、相続人全員の同意書は不要な取り扱いになりました。これは相続手続の負担軽減になり、非常に良い変更だったと思います。(銀行の場合は、法務局で法定相続情報証明を取得して持っていけば同様の取り扱いになります)

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5月 31 2019

損害保険の死亡保険金に対する相続税 遺産承継(遺産整理)⑮

損害保険の死亡保険金とは

死亡保険金は生命保険が代表的ですが、損害保険にもあります。例えば、自動車保険などに付いている死亡保険金などです。

損害保険の死亡保険金の相続税は?

生命保険の死亡保険金には相続税の控除の制度があります。では損害保険の場合はどうなるのでしょうか。結論から言うと、同じような控除があります。「500万円×法定相続人の数」が控除の上限となります。

相続税の対象となるかは条件によって異なります

死亡保険金が相続税の対象となるかどうかは条件によって異なります。最も代表的な例は、「保険料の支払いが被相続人、被保険者が被相続人、受取人が相続人」の場合は相続税の対象となりますので、前項の控除が使えます。
しかし、例えば保険料の支払いが被相続人では無かった場合は、相続税の対象とはみなされないでしょう。

死亡保険金は相続税対策になる

法定相続人の数が多かった場合、死亡保険金は有望な相続税対策となります。
死亡保険金の控除は、相続人を一人に絞った場合でも全額受けられるからです。
例えば法定相続人が3人だった場合、控除額の上限は1500万円となりますが、これは3人に均等に分ける必要は無いのです。仮に一人に相続させる場合でも3人分の控除を受けることが出来ます。
この点は誤解されている方が多いので注意しましょう。

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2月 01 2019

遺産承継(遺産整理)⑭ 野村証券の相続手続

いきなり振り込めないので注意

亡くなった方が野村証券に証券口座を持っていることは珍しくありません(証券業界最大手ですから)。その証券口座の残高を遺産承継する場合、解約した後、相続人名義の銀行口座に振り込むという形を取ることが多いです。
しかし、野村証券の場合、証券口座を解約した後すぐに他行に振り込むという手続が出来ません(この点、ゆうちょ銀行と似ていますね)。一旦、相続人名義の野村の証券口座に解約金を移してからでないと他行へ振り込めないのです。

相続人が証券口座を持っていない時は?

相続人が野村証券の証券口座を持っていれば話は早いのですが、私の経験では持っていないことの方が圧倒的に多いです。その時は、相続人が野村に証券口座を開かなくてはなりません。もっとも司法書士が遺産承継業務を代行している場合は、司法書士が他行への振込のために野村に証券口座を作りますので、相続人が作る必要はありません。

新しく作った証券口座はどうなるの?

振込のためだけに野村に証券口座を作ったとしても、その後、証券取引をするつもりが無いならば不要な口座になります(大半の人が当てはまるでしょう)。
その場合は、振込専用口座を作って振込と同時に閉鎖してもらう手続が可能です。私が遺産承継業務を引き受けた場合も、振込と同時に口座を閉じてもらっています。
「そんなことをするくらいなら、最初から直接振り込めるようにすれば良いのに」と思われた方も多いと思いますが、まさにその通りだと私も思います。野村証券にその旨、伝えたこともありますが、「確かに手間ですよね。でも会社の規則なので」と変わる気配はありませんでした。

このように野村証券の相続手続は特殊な部分があります。また手続にかなり時間がかかることも注意です。解約金が振り込まれるまでの時間は銀行よりも遅いですから、先に手続をするのが効率が良いでしょう。

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