3月 25 2015
遺言は、相続人の争いをなくすためのマナーです(遺言①)
遺言がなかったばっかりに、分割協議が2年に
こんな事例がありました。
夫婦で夫が亡くなって、子供がいません。
妻(仮にAさんとします)は認知症を患っており、成年後見人としてAさんの姪(めい)が選任されています。
姪は認知症のAさんに代わって相続手続をする必要があります。
しかし相続人は、Aさんだけではありません。
会ったこともないAさんの夫の兄弟も相続人なのです。
まず、居場所を探すところから始まります。
その後も遺産分割協議はなかなか進まず、2年近くも経過してしまいました。
それでも、まだ決着はついていません。
世の中には、このようなケースで困っている人が、実は意外と多いのです。
これから高齢社会をむかえる日本では皆が真剣に考える必要があるでしょう。
特に上記の例のように、将来相続人になり得る人の中に、ほとんど会ったことが無い人が含まれている場合は、事前の対策が必要です。
こういうケースに遭遇するたびに、「ああ、遺言を残しておいてくれたらなあ!」と、つくづく思います。
遺言は、相続人の争いをなくすためのマナー
上記のケースでは簡単に解決する方法は遺言しかありません。
遺言が残っていれば、後に残された人の負担は大幅に軽減されます。
例えば、子供がいない場合、財産を妻に相続させるという内容の遺言があれば良いのです。
(実際の文言は、もう少し詳しくなります。)
そうすれば、兄弟姉妹ともめる心配はありません。
遺言は生きているうちに残さなければなりません。
もし、遺言がないために、相続人の間で争いが起こったらどうなるでしょう。
最悪の場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。
親族が裁判所で争うことを望む人はいないはずです。
しかし、現実には、収拾がつかなくなるケースは決して少なくないのです。
私は、
「遺言とは、亡くなった人の最後のメッセージであるとともに、残された相続人の争いを無くす為の一つのマナー」ではないかと思っています。
日本でももっと遺言が広まって、争いが少しでも減ればいいなあと、常々思っています。












