司法書士ジャーナル<相続>
橋本司法書士事務所ブログ

2020年9月

9月 18 2020

トラブルになり易い事例(3) 遺言(21)

最近、増えてきている事例で、同棲カップルで籍を入れていない場合、内縁の配偶者に財産を譲りたい時は遺言が絶対に必要です。

(マメ知識)内縁とは
同棲カップルのことを内縁関係と言います。籍を入れていないカップルのことですね。お互いのことを、「内縁の妻」「内縁の夫」と言うこともあります。法的には「特別縁故者」という呼び方をします。

日本の法律では、戸籍上の関係が無い場合、相続権はありません。どれだけ長期間一緒に暮らしていたとしても、考慮されることはありません。従って、内縁の妻(夫)に相続させようと思ったら、必ず遺言を残しておかなくてはなりません。

特に注意すべきなのは、片方の名義になっている家に同居して住んでいた場合です。もし遺言を残さずに名義人が亡くなってしまったら、名義人の相続人から「私が家を相続したから出て行ってくれ」と言われても、内縁の妻(夫)は拒否できないのです。

このようなことにならないように、同棲のカップルはある程度の年齢になったら必ず遺言を残すようにしましょう。どちらかに名義が集中している場合は片方だけでも構いませんが、名義が分散している場合はお互いに遺言を残した方が良いでしょう。

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遺言

9月 18 2020

トラブルになり易い事例(2) 遺言⑳

多くの相続トラブルを見てきて、絶対に遺言を残した方が良いと言える代表的な事例を紹介しましょう。
それは「子どもがいない場合」です。
子どもがいない状態で親が亡くなると、かなりの確率で相続トラブルになります。それは、相続人同士が面識があまり無い場合が多いからです。遺産分割協議をまとめるのが大変になります。

なぜそうなるかと言うと、最近は高齢で亡くなる方が多いので、亡くなった時には両親はだいたい先に亡くなっています。すると、相続人になるのが故人の兄弟姉妹になります。ところが、兄弟姉妹も既に高齢で何人かは亡くなっている場合が多く、その場合、故人の甥姪が相続人になるのです。

残された配偶者と故人の甥姪が頻繁に会っているというケースは、核家族の進んだ最近では珍しいでしょう。すると、あまり会ったことが無いもの同士が遺産分割協議をすることになるのです。想像しただけでも、まとめるのが難しそうですね。

実は、このケースで遺言を残した方が良い、もう一つの有力な理由があります。
それは、兄弟姉妹や甥姪には遺留分が無いからです。
遺留分が無ければ、遺言さえ残っていれば配偶者に全ての財産を引き継ぐことが可能です。遺言がある場合と無い場合の結果に大きな差が出るケースなのです。

「子どもがいない場合」は遺言を残すメリットが非常に大きいケースだと言えるでしょう。

(マメ知識)
遺留分とは、遺言で指定されていなかった場合でも最低限相続できる割合を法律で決められた制度です。
子どもや親には遺留分が認められていますが、兄弟姉妹や甥姪には認められていません。

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