司法書士ジャーナル<相続>
橋本司法書士事務所ブログ

2023年12月

12月 14 2023

相続登記における登録免許税の免税措置の変更 相続登記㉝

相続登記における登録免許税の免税措置

相続登記には登録免許税という税金がかかります。法務局に申請書類を提出する時にかかるので、払わないと受け付けてもらえません。相続登記における登録免許税の税率は固定資産評価額の0.4%です。

そして相続登記の登録免許税には評価額の低い土地には免税措置がありました。この免税措置が現在、内容が変更されているのでお知らせしたいと思います。

登録免許税の免税措置の変更

以前は免税措置の対象になる土地は、不動産評価額が10万円以下の土地でした。それが令和4年の税制改正により、免税対象の土地の評価額が10万円以下から100万円以下と大幅に上限が引き上げられ、恩恵を受けられる土地が一気に拡大しました。

増税が目立つ最近の政府ですが、これは珍しい減税事例ですね。その位、相続登記の放置問題は深刻で、相続登記の義務化と合わせて、政府はこの問題の解決に真剣だということでしょう。

不動産持分で計算すると100万円以下になる場合

不動産を共有で取得している場合、例えばAさんとBさんが2分の1ずつ共有している場合はどうなるのでしょうか。

このケースで不動産評価額が仮に180万円だったとすると、不動産単体では100万円を超えています。そして、Aさんに相続が発生したとします。Aさんの持分割合は90万円です。このような時、法律の規定によると、持分割合をかけた金額が100万円以下ならば免税の対象になるとされています。

つまりAさんのように、持分として取得している金額分が免税対象金額ならば、免税制度の適用を受けることができるのです。

申請書に条文の記載が必要

この免税制度は、規定に当てはまっている土地ならば何もしなくても免税になる訳ではありません。登記の申請書に適用条文を記載しなくてはなりません。

今回の適用条文は、租税特別措置法第84条の2の3第2項なので、申請書の該当箇所に「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と記載する必要があります。

登録免許税の免税措置の期限

このお得な免税措置は期限があります。今のところ、令和7年3月末までということになっています。

ただし、所有者不明の土地を無くすという大きな目的があり、それがあと2年足らずで解決しているとは考えにくいので、期限がせまってきたら延長される可能性は高いと思っています(保証はできませんが)。

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