司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2月 01 2017

ギャンブルや投資で多額の借金を負ってしまった方の救済  個人再生(36) 

4:21 PM 個人再生

借金の原因の大半がギャンブルや投資の失敗によるものである場会、自己破産で免責決定を得るのが難しくなります。例えば、500万円の借金のうち400万円がギャンブルによるものだった場合などは、免責不許可か、または一部免責(借金の一部を分割で支払った後に免責を認める)などの処置になる可能性が大きいでしょう。

また、最近の裁判所の傾向として、ギャンブルや投資の割合が多い方の場合、同時廃止ではなく管財事件に回されてしまう確率が高くなっています。

自己破産には、同時廃止と管財事件という2種類の手続があります。

同時廃止は期間も短く、何よりも裁判費用が1万から3万と非常に安いです。

一方、管財事件は裁判費用が20万から40万と高額で(この金額とは別に弁護士費用がかかります)、更に裁判所から破産管財人が選任されてきて、債務者の財産を、まるで税務署のように厳しく調査します。破産管財人は債務者に送られてきた郵便物を勝手に開ける権限まで持っています。

このように管財事件になった場合、費用の面でも手続の大変さの面でも、自己破産は非常に厳しい手続になります。また、これだけ大変な思いをしても免責決定が得られないかもしれないのです。

では、「このような方を救済する手段は無いのか」、と考えた場合、個人再生を検討してみる余地があります。

私は、「自己破産は同時廃止でこそメリットがあるけど、もし管財事件になるくらいだったら、個人再生が出来ないか検討するべき」だと思っています。

個人再生と自己破産の大きな違いとして、個人再生は「借金の理由を問わない」というメリットがあります。例え100%が投資の失敗による借金だったとしても、個人再生なら合法的な借金の減額が可能です。

自己破産のように完全に借金がチャラになる訳ではありませんが、個人再生の場合、最大で借金を5分の1まで減額できます。しかも、住宅ローンを抱えている人ならば、住宅ローンはそのままで自宅を手放さずに他の借金だけを減額することも可能です。

あと、「自分が借りたものを完全に支払わないのは気が引ける。少しでも払いたい」と言う人もいるでしょう。(実際に相談を受けていて、このように言われる人は珍しくありません)。こういう債務者の気持ちにも個人再生なら答えられます。

このように色々とメリットの多い個人再生ですが、経験のある事務所が少なく、個人再生が可能な人にまで自己破産をすすめてしまうケースも多いのが問題です。取扱業務に個人再生を掲げていても、実際にはほとんど取り扱っていないという事務所もあります。(こういう事務所は強引に自己破産をすすめてくる傾向がありますので注意が必要です)

ギャンブルや投資による借金の割合が多い人は、そもそも自己破産を選んでも免責決定が出るとは限りません(借金がチャラになるとは限らないということです)。しかも、管財事件に回されて多額の費用がかかり、破産管財人から厳しい審査を長期間受けることになる可能性も高くなっています。
それならば個人再生は有力な選択肢の一つになるはずです。自己破産を選ぶのは、一度、個人再生が可能かどうか検討してからでも遅くはないでしょう。

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