司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

債務整理一般

6月 21 2012

プロミス 社名変更

以前にもブログで紹介しましたが、いよいよ7月1日からプロミスがSMBCコンシューマーファイナンスと商号を変更します。これで完全に三井住友銀行の消費者金融部門という位置づけになる訳です。

だからと言って、いきなり全国の看板がSMBCコンシューマーファイナンスになる訳ではなく、利用者にとっては慣れ親しんだ「プロミス」という名称もブランド名として残すようです。従って、利用者は会社の商号が変更したことに、しばらくは気が付かないかもしれません。

さて、銀行の一部門になったプロミスは営業的には何か変わるのでしょうか。コンプライアンス(法令順守)が、より厳しく求められることになるのは間違いないでしょうから、その辺りは期待したいところです。

ただ、銀行が今まで慣れていなかった強引なやり方に引きずられる可能性も無いとは言えませんので、今後のあり方を注視する必要があるでしょう。

4月 12 2012

スマートフォンのブラックリスト

携帯電話からスマートフォンへの買い替えが若者を中心に広まっていますが、これが若者のブラックリスト化に拍車をかけているという記事がダイヤモンドオンライン(週刊ダイヤモンドのネット配信サービスです)に掲載されていました。

一見、スマートフォンとブラックリストは何の関係も無いように思えますが、実は携帯販売の仕組が変更になったことによって新たに引き起こされた事件のようです。

携帯販売は以前は、販売奨励金というものが携帯事業者から販売店へ支払われていて、それが元手になって携帯の機種変更が非常に安く抑えられていました。ところが、同じ機種を長く使っている人よりも頻繁に機種変更をした人の方が販売奨励金の恩恵を多く受けられて得になるシステムはおかしいとの批判が起こり、販売奨励金が廃止されたのです。

この廃止により、端末価格が高騰して、携帯を買い換える人が激減することを恐れた事業者が新たに編み出したのが端末代金の分割払い契約です。

今や国内の携帯契約数の実に3分の1が分割払いを選択しているそうです。そして、分割払いを選択した場合、支払情報がクレジットカードの延滞情報を扱っているCICに登録されているのです(このことを知っている携帯ユーザーは多分、少数派でしょう。)

そうすると当然に、端末の分割払いを延滞した時は、CICにブラックリストとして登録されてしまいます。すると何と携帯の延滞により、クレジットカードの申込みが出来なくなったりする訳です(この時点まで本人は気が付かない可能性があります)。

事実、販売奨励金が廃止になってから、この携帯がらみのブラックリストは激増しており、2010年の21万人から、昨年は145万人となっています。(半端じゃない増え方ですね)

また、最近流行のスマートフォンは高額な為、分割払いを選択する傾向が高く、より問題を深刻化させているようです。これが一見、関係の無いように見えるスマートフォンとブラックリストのつながりです。

若いうちに知らない間にブラックリストに登録されて、社会人になってクレジットカードがどうしても必要になった時に作れなかったということになりかねません。この記事を読んだ人は充分に注意して下さい。また、周りの人にも注意してあげて下さい。

3月 30 2012

プロミス 会社名変更

主要消費者金融のプロミスが会社名を変更するとの報道が読売新聞に掲載されていました。

プロミスが三井住友銀行グループであることは良く知られた事実ですが、この度、より結束を強める為に三井住友グループの100%子会社になることが決定し、その為の社名変更だそうです。(実際の社名変更は夏頃に実施予定とのこと)

ただし、50年近い歴史を持つ知名度の高いブランド名なので、店舗の看板などでは、そのままプロミスの名前で使い続けることになったようです。

この決定により、二つの大きな影響が出ます。以下、説明しましょう。

一つは、これで過払金請求を考えている人は、プロミスの倒産リスクを事実上、心配しなくてもよくなったということです。これは消費者側にとってはメリットと言えるでしょう。

二つ目は、銀行グループになることで、消費者金融に課せられた総量規制(年収の3分の1までしか融資できない)をクリアーして融資することが可能になるかもしれないことです。三井住友銀行も明らかに、これを狙って子会社にしたのではないかと思われます。

この点は総量規制が始まって貸し渋りが強まったと考えている人にはメリットだと思うでしょう。

一方、再び多重債務の危険性が高まると考える人にとってはデメリットと思うかもしれません。個人的には、金利規制は必要だと考えていますが(ほとんどの自由主義国家においても金利規制はあります)、総量規制は自由主義国家においては、やり過ぎだと考えています(まるで社会主義のように私には思えます)ので、特にデメリットだとは思っていません。

新しい社名は「SMBCファイナンス」だそうです。SMBCは三井住友銀行のことですから、まさに銀行の消費者金融部門という位置づけになるのでしょう。

銀行の一部になったことで、より態度が大きくなる可能性もありますので、今後の対応にも注意する必要がありそうです。

 

3月 07 2012

クレジットの請求

クレジットカードの請求には大きく分けて2種類あります。キャッシングとショッピングの2種類です。

キャッシングは文字通り借入金なので任意整理や過払金の対象になります。しかし、ショッピングは代金の後払いなので借入金ではなく、任意整理や過払金の対象にはなりません。

例えばショッピングの場合は利息とは呼ばずに手数料と言います。翌月一括払いの場合は、その手数料もかからないのが普通です。(キャッシングは翌月一括払いでも当然、利息は取られます)

ショッピングの残高が払えなくなったという相談の中には実は借金の相談ではないものが含まれています。代表的なものが悪徳商法の代金をクレジットで払ってしまったというものです。

これは本来、悪徳商法被害ということで、クレジット会社への請求ストップや、時には既に引き落とされてしまった既払金の返還などで対応しなくてはなりません。

しかし、これらの相談が債務整理の事務所に持ち込まれた時、かなりの割合で借金の整理として処理されているのではないかと思います。(任意整理や過払金は無理なので、多くの場合、破産や再生になるのでしょう)

もし、このようなケースに当てはまる可能性があると思われる人が相談を考えている場合は、悪徳商法被害も業務として取り扱っているかを確認してからの方が良いでしょう。

 

3月 02 2012

会社更生後の武富士

武富士の会社更生は認可決定されてしまいました。では、その後の武富士はどうなっているのでしょうか。興味深い情報があります。

3月1日付で、武富士の消費者金融部門はロプロに吸収されたらしいのです。

ロプロと言えば、旧日栄のことで、ひと昔前にテレビや新聞で「目ん玉売れ、腎臓売れ」という言葉で世間を騒がせた、あの悪名高い商工ローン業者です。ご記憶の方もいらっしゃるでしょう。

今まで武富士と取引があって、過払いになっていなかった人は、何と今後はロプロから請求を受ける可能性がある訳です。何とも恐ろしいことです。(旧日栄は、かなり社会的に糾弾されましたので、さすがに昔のようなことはないと思いますが、それでも武富士と取引をしていた人達にとっては気持ちが悪いですね)

最近の貸金業界は本当に何が起こるか分かりません。情報には敏感になっておく必要がありますね。

2月 09 2012

裁判所の特徴⑦ 安城簡易裁判所

安城簡易裁判所は愛知県三河地方にあり、私の事務所からはちょっと離れています(車で1時間半くらい)。管轄区域は安城市、碧南市、刈谷市、西尾市、知立市、高浜市、幡豆郡です。トヨタ系のグループ会社が、たくさん集まっている地域として知られています。

たまに、これらの地域からの依頼があり、過払訴訟などで利用することがありますが、以前から素早く判決をくれる傾向があり非常に重宝しています。

最近の過払訴訟の場合、たいした反論もないのに明らかな屁理屈を並べ立てて、ひたすら訴訟を長引かせようとする貸金業者が増えています。杓子定規な裁判官だと、業者側の引き延ばし工作に付き合ってしまい、結果として訴訟が長引く傾向があります。

ところが安城簡裁では、業者側が悪意受益の利息に対する反論しか用意していない場合、初回の弁論で結審して判決を出してくれるのです。これは非常に評価できる取り扱いだと思います。

特に遠方から裁判所に出掛けている時は、この取り扱いは本当に助かります。

先日も対アイフルの訴訟が安城簡裁であり、相変わらず分厚い準備書面が事前に送られてきて(でも内容は薄い)、またかと思っていたところ(こうやって相手方をうんざりさせて、訴訟を自分に有利にすすめようというのがアイフルの戦法なのでしょう)、初回で判決を頂くことが出来ました。

是非、この取り扱いが他の裁判所にも広まってくれますようにと願わずにはいられません。

1月 04 2012

臨時ニュース 武富士その後⑧

明けまして、おめでとうございます。今年も、よろしくお願いします。

さて、新年の一発目が武富士から始まるとは今年も、お騒がせな会社です。

昨年末にスポンサー企業であった韓国A&Pファイナンシャルが急遽、資金繰りがつかないということでスポンサーを降りてしまう事件がありました。(更正決定が出た後にスポンサーを降りるなど、スポンサー企業側にも問題があることは間違いありません)

案の定、大混乱に陥った武富士側ですが、当初予定していた12月の配当金の支払いは中止となりました。

そこで、新たなスポンサー探しを始めた訳ですが、年の押し迫った12月28日に新しいスポンサーが決定したようです。Jトラストという会社です。

ところが、武富士の責任を追及する弁護士の団体が、この新たなスポンサーによる会社更生に対して取消を求める申立を東京地方裁判所に提出したようです。

理由は今回のスポンサーの変更によって、武富士に支払われる対価が30億円ほど減額になるらしいのです。これは文字通り過払債権者に支払われる分配金に大きな影響を与える可能性が大です。

従って、改めて関係人への説明集会の開催や、再度の書面投票が必要だと主張している訳です。

まあ、スポンサー企業の変更という会社更生の根幹に係わるような出来事が起こった訳ですから、「もう一度、債権者の信を問え」というのは説得力のある主張でしょう。

果たして、どういう結末になるのでしょうか。今年も武富士からは目が離せそうにありません。

 

12月 22 2011

民事訴訟の基本③ 被告の対応

さて久しぶりに民事訴訟の基本の続きです。本日は訴えられた場合の被告の対応について話しましょう。

訴える側の原告は準備万端整えて、いざという覚悟で訴状を出します。従って、心の準備は充分すぎるほど出来ています。これに対して被告は、ある日、突然、訴状が郵送されてきます。もちろん、その前に内容証明郵便が来たり、原告や原告の代理人から電話などで請求されていることが多いので、突然というのは言い過ぎかもしれませんが、大半の人が実際に訴えられるまでは、「いくらなんでも本当に訴訟まではしてこないだろう」と、たかをくくっていることが多いものです。そういう意味では原告に比べて心の準備が出来ていないと言えるでしょう。

そこで最も、やってはいけない対応が放っておくことです。前回でも言いましたが、被告が何もしないで放っておくと原告の主張を全て認めたことになってしまいます(民事裁判における自白)。結果は、原告の全面勝訴で判決書が郵送されてくることになり、更に放っておくと次に差押が来る可能性が高いです。

従って被告が取るべき対応は答弁書を書いて裁判所に2通送ることです(裁判所の分と、原告の分の合わせて2通。1通は裁判所が原告に送ってくれる)。

原告と被告の双方に弁護士や認定司法書士がついている場合は、直送といって裁判所に1通、相手方に直接1通送ることが多いです。しかし、一方が一般人の場合は裁判所に2通送ることが多いです。

答弁書の内容は、だいたいが定型の書式で決まっています。ここで書くと長くなりすぎるので省きますが、簡単に言うと、「原告の請求を棄却する旨の判決を求める」ことと、原告の請求原因をとりあえず全て否認しておくことです。

ここで大切なのは、例え原告の言うとおりだなと思うところがあっても、とりあえず全て否認して構わないということです。ある意味、時間かせぎです。

正直な一般の日本人の感覚だと、ウソをつくことになるけど、裁判でそんなことをして大丈夫か、と思うかもしれません。しかし、裁判実務では良く行われていることです。裁判官も特に気にしません。

そもそも、裁判とは、必ずどちらかがウソをついているか、勘違いしているかなのです。双方が正しいということは、ありえません。にもかかわらず、お互いに自分こそが正しいと思っているから裁判になっているのです。従って、相手の主張を否定するのは、むしろ当たり前で、全部、認めるなら、原告は訴える必要は無いはずだし、被告は裁判になる前に支払ってしまえば良かったはずです。

また、被告は原告に比べて準備が出来ていないことが一般的なので、大半の被告は一回目の口頭弁論には出てきません。簡単に言うと、答弁書だけ出して1回パスできる訳です。(答弁書が提出されずに欠席すると自白になりますので、答弁書が出ていることが欠席の条件です)

こうやって原告に比べて準備不足の点を、パスした時間で埋めるのです。この時間を使って、一生懸命、作戦を練りましょう。

以上のようなことは、弁護士や認定司法書士では常識ですが、一般の人は、ほとんど知らないでしょう。だから、訴えられると、ひたすら、あわててしまって失敗することが多いのです。

12月 14 2011

臨時ニュース 武富士その後⑦

順調に行くと思われた武富士の会社更生に危険信号が灯り始めました。予想外の展開です。

名乗りをあげていた韓国のスポンサー企業からの買収予定額の追加の入金が、ここにきて滞っているらしいのです。

何故、韓国のスポンサー企業の入金が滞ったのか詳しい事情は分かりませんが、一説によると、スポンサー企業自体が韓国国内で問題を起こしていて、そのことについて韓国で追及を受けており日本企業のスポンサーになっているどころではないという話しも聞こえてきています。(真偽のほどは分かりません)

いずれにしても、武富士にとっては予想もしない展開になっています。賛成多数で会社更生が決定してからは12月中に配当金を支払うと公言していたにもかかわらず、スポンサーからの入金が無い状態では最早12月の支払いは難しく延期は必至の状況です。そもそも延期したから支払える保証も無いのです。

配当金を支払うことが会社更生の条件ですから、武富士は新たなスポンサーを見つけなくてはなりません。果たして今から見つけることが出来るのでしょうか。

私の個人的な意見としては他の消費者金融に与える影響も考えると(過払金カットによる逃げ切りを許してしまうから)武富士には破産してもらいたいと考えていますので、ひょっとしたら破産に向かう可能性もあるのかなと期待してしまいます。

武富士に関しては全く余談を許さない展開になってきました。しばらく、武富士から目が離せません。

11月 29 2011

出会い系サイト被害

最近、出会い系サイト被害の相談を受けました。サイトを利用した後、確かに解約手続をして解約の画面も表示されたのに、その後もクレジットの請求が毎月、止まらないというものです。

一口に出会い系サイト被害と言っても内容は様々です。上記のようなケースもあれば、画面が「無料」と表示されていたのに後から料金を請求されたり、あるサイトに登録したら全く関係のない別のサイトに勝手に登録されていたり、退会したいと申し込んだら多額の違約金を請求されたりと色々です。

このようなサイトは、ほとんどが怪しい悪質サイトですが、かなり多くの人が泣き寝入りをして、お金を払って、そのままにしているようです。

特に問題を複雑にしているのが、クレジットの利用です。利用料金の支払は、ほとんどの人がクレジットを利用しています。この方がサイト運営会社も料金が取りやすいからです。しかし、クレジットには意外な落とし穴があります。それは、サイト運営会社とクレジット会社とは全くの別会社だということです。

これが原因で、被害を受けたサイト運営会社に対するクレームをクレジット会社に対して言っても取り合ってくれないことが多いのです。クレジット会社の言い分は「ウチは支払の代行をしているだけなので、文句はサイト運営会社に言ってくれ」ということになります。まあ、一応、理屈はとおっています。だから、やっかいなのです。

しかし、被害者からすれば、金を引き落とされるクレジット会社が一番、困るわけです。

今回のケースではクレジット会社と交渉することによって支払をストップすることが出来ました。しかし、いつも簡単に済むとは限りません。特に最近のクレジットは直接、加盟店と契約している訳ではないケースが多いので、やっかいです。では、実際に加盟店と契約しているのは、どこかと言うと、それを決済代行会社と言います。

決済代行会社はクレジットの明細に書かれている場合もありますが、書かれていない場合も結構あります。書かれていない場合は探すのが非常にやっかいですし時間もかかります。

このように、なかなか大変な出会い系サイト被害ですが、粘れば何とかできる場合も多いので困った場合は専門家に相談してみましょう。

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