10月
31
2008
今回はアイフルを取り上げます。
アイフルは武富士と並んで、主要6社の中では、独立系と呼ばれ、銀行や外資系金融とのつながりがありません。もう一つアイフルの特徴として、主要業者の中で唯一、東京に本社を置いていません。(アイフルの本社は京都です。一般の人は意外に知らないんじゃないでしょうか。)
本社が他の主要業者とは違うことで、アイフルの独自性は武富士よりも際立っているように思います。例えば、業界が絶好調だった時期に銀行を買収しようとして(提携ではありませんよ、要するにアイフルが銀行の上に立とうとしたのです)、財務省に、にらまれたこともあります。
その後も、様々な金融業者を傘下に治めています。有名なところでは、トライト、ワイドなどがそうです。
アイフルで注意すべきは、不動産担保ローンに非常に力を入れている点です。依頼者の中にもアイフルの不動産担保をつけられていて苦労したケースが結構あります。不動産担保がついていると普通の任意整理の分割に応じなかったりするのです。いざとなれば不動産を競売することが出来るので強気で交渉してきます。
これからアイフルの不動産担保を考えている人がいたら、止めておいた方が良いと忠告します。(アイフルに限らず、貸金業者に公正証書や担保を取らせることは危険です。後で非常に苦労することになります)
取引履歴の開示に関しては、以前は、なかなか開示しないケシカラン業者リストに入っていましたが、今は問題ありません。かなり古い履歴でも開示されます。開示のスピードも早い方です。ただ、ここも最近は、取引途中の空白期間が長い場合は、最初から二つに分けた履歴を送ってくる傾向があります。
過払請求に関しては、以前は訴えれば割とスムーズに支払ってくれる会社でした。あまり争ってこないという印象です。しかし、最近は途中に空白期間があると、取引の分断の主張はしてくるようになっています。
分割払いになった場合は、結構、融通のきく業者です。ただし、不動産担保ではないという条件つきです。不動産担保がついていると一転して強硬姿勢をとってきますので、注意が必要です。
では、次回はGEコンシューマー・ファイナンス(レイク)を取り上げる予定です。
10月
23
2008
今回はプロミスについて取り上げます。
プロミスは主要6社の中ではアコムと似たところのある業者です。両方とも銀行と密接な関係を持つことによって貸金業界冬の時代を切り抜けようとしています。
アコムの三菱東京UFJ銀行に対して、プロミスは三井住友銀行と提携関係にあります。聞いたところによると、三井住友銀行の中にプロミスから借り入れの出来るATMが設置されている支店があったそうです。三井住友銀行のカードローンの審査に落ちた人が、すぐにプロミスの借り入れの審査が受けられる訳です。私は普段、三井住友銀行を使いませんので、直接、この光景を見たことはありませんが、本当なら非常に怖いことだと思います。
あと、旬のアイドルを使ったTVコマーシャルでイメージ戦略をしている点も、アコムと似てますね。皆さんも何度か見たことがあるでしょう。アイフルもイメージ戦略は上手ですが、アイドルではなくチワワでしたね。
次に実務上の対応ですが、これもアコムと似ています。まず、取引履歴の開示は割と正直で、まあまあのスピードで出てきます。ごまかしの心配も、ほとんど無いので信用しても良いでしょう。ただ、取引の途中で、ある程度の空白期間があると、二つに分けて出してくる傾向があります。これは、「プロミスは一連計算をしませんよ」という自己主張だと考えて良いでしょう。
従って、過払金の請求の場合は、アコムの態度と非常に似ています。法律的に争える場合は、しつこく争ってくる傾向があります。他の業者に比べても弁護士をつけてくる確率が高い業者です。逆に法律的な争点が無い場合は割と素直に払ってきます。
分割払いの交渉は、他の業者よりも、まとまり安い印象を受けます。少なくとも、ひと昔前の武富士のように「将来利息をつけなければ和解しない」などと言うことは、今のところはありません。この点は評価できるでしょう。
あと、司法書士の立場から付け加えると、この業者は管理センターの名称や場所を良く変えるのが困りものです。管理センターは司法書士や弁護士の交渉の窓口になるところです。私の事務所のある中部地区で言うと、最初は中部北陸管理センターが名古屋にあり、それが閉鎖されて次に大阪にある西日本管理ブロックになり、今は東京の法務管理部(昔は東日本管理ブロックと呼んでいました)になっています。その度に、連絡先や書類の送り先が変わるので、いい加減にしてくれと言いたくなります。
では、次回はアイフルを取り上げる予定です。
10月
17
2008
本日は、また興味深いニュースがありましたので、臨時ニュースとして取り上げます。
4大消費者金融(武富士・アコム・プロミス・アイフル)は今まで、それぞれ独自路線を歩んでおり、どちらかと言えばライバルであり、協力して何かをやると言うことはありませんでした。ところが、最近の貸金業界に対する逆風に耐えかねたのか、ここに来て一部、協力する動きが出てきたようです。
具体的には、過払金返還請求の裁判において、重要論点に関しては簡単に妥協せず、徹底的に争っていこうという協定を組んだと噂されています。
その内容とは、①「途中空白期間がある取引の場合には、出来る限り分断の計算を主張する」、②「10年以上前から過払金が発生している場合は、出来る限り消滅時効の主張をする」、③「各地方ごとに担当弁護士を選任して、弁護士を使って徹底的に争わせる」というものです。
?については、全国で弁護士を探すのは、そう簡単には達成できないとは思いますが、見つかった地域から優先的に進めていく方針のようです。(今、貸金業者側についてくれる弁護士は、なかなか見つからないようですから)
いずれにしても、4大消費者金融の過払金返還請求に関するガードが今後、固くなってくるのは覚悟しておいた方が良さそうです。
10月
08
2008
三和ファイナンスの破産申立の件で、新しい情報が入りましたので、臨時ニュースとして取り上げます。
今回の破産は債権者破産と言って、過払金請求をしていた元債務者が弁護士に依頼して申し立てたものです。従って、三和が承知していた訳ではないので、何とか破産を回避しようと懸命に動いたらしいのです。
その結果、開始決定が出る直前に三和を救済しようという会社が現れました。「かざかファイナンス」というクレディアの救済にも一役買った会社です。こんな、つぶれかかった消費者金融ばかり救済して何のメリットがあるのかと思いますが、かざかファイナンスは破産を申し立てた過払金請求者に過払金を順次支払っているそうです。過払金が支払われたということになると、破産の原因が無くなりますので、裁判所も破産開始決定を出すのを中断したようです。
その後、判決が出ても支払われていないケースには、かざかファイナンスが資金を提供して順次支払っていくと噂されています。
これに対しては、確実に実行されるかどうかは不透明な段階です。しかし、実行されなければ、弁護団は第2・第3の破産申立も視野に入れていると言われていますので、本当に三和を立ち直らせる為には実行せざるを得ないように思います。もっとも、かざかファイナンスに、そこまでの資金力があるのかどうかが鍵になりますが。
いずれにしても、三和ファイナンスの破産に関しては、新しい展開となりました。今後の成り行きを見守りましょう。