司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

6月 16th, 2010

6月 16 2010

シリーズ 多重債務からの脱出③ 自動車

 今回は家計の支出の中でも住居費と並んで大きな割合を占める自動車について考えてみましょう。

実は、自動車というのは想像以上に大きな支出になっています。車両本体が高額商品であることは、もちろんですが、それよりも家計に影響を与えるのが巨大な維持費です。自動車が他の商品と決定的に違うのは本体価格以外に維持費が、ばく大にかかってくることなのです。

だからと言って私は自動車を否定している訳ではありません。地域によっては自動車が無ければ生活出来ない場所もあるでしょう。仕事で自動車が必要な人も、もちろんいるでしょう。ここでは、自動車にかかっている費用について良く考えてもらって、少しでも負担を減らせるように参考にして欲しいのです。

では具体的に維持費が、どの位かかるのか分析してみましょう。ここでは愛知県で小型乗用車に乗っている場合で考えてみます。改めて見てみると驚いてしまう人も多いと思います。

まず、車検費用が2年ごとに約10万円かかります。1年で約5万円となります。(他に消耗品の交換などがあった場合は、追加費用が加算されます)

ほとんどの人が任意保険に入るでしょうから、これが毎年で約5万円です。(車両保険に入らなければ、もっと安くなるでしょうが、その時は、もし事故を起こした場合は大変な出費になることを覚悟しなければなりません。私はオススメしませんが)

次に駐車場代があります。都会の便利の良いところなら月に2万~3万円、郊外なら月に5000円~1万円でしょうか。これは毎月かかってきますから1年では、かなりの金額になってきます。

そして馬鹿にならないのが毎年納付する自動車税です。2リッター以下の小型車でも年間2万5000円~4万円支払うことになります。(車というのは税金の塊で主なものでもガソリン税、自動車税、自動車重量税と何段階にも分かれて取られています。最初にナンバーをもらう登録費用も役所に払うのだから利用者から見れば税金みたいなものですね)

他にオイル交換、バッテリー交換などの定期的なメンテナンス費用がかかります。年間に直すと1万5000円くらいでしょうか。

そして忘れてならないのがガソリン代と高速料金です。高速料金は今でこそ安くなってきましたが、ガソリン代は昔よりも高くなっています。走行距離の長い人なら月に2万円~3万円くらいかかるのではないでしょうか。

これらの維持費を1年にならしてみると、何とトータルで50万円近くかかっているのです。これは小型車の場合ですから大型車に乗っている場合は60万~70万かかっているでしょう。こうして計算すると、びっくりしてしまった人も多いのではないでしょうか。しかも、この維持費に加えて車両本体のローンも払っている人が多いのですから、以下に家計の負担が重いか分かって頂けたかと思います。

もし、都心の交通の便利な地域に住んでいる人なら思い切って自動車の無い生活を考えてみるのも良いと思います。その覚悟が出来れば、維持費とローンを合わせて年間で100万円近い負担が家計から消えるのです。この生活を10年続ければ自動車を持った時と比べて、何と1000万円もの余裕が家計に生まれることになります。どうでしょうか。考えてみる価値が出てきたと思いませんか。

ただし、この方法は郊外の交通の不便な地域の人は残念ながら使えません。これらの人の場合は、私は軽自動車への乗りかえをオススメします。理由は何と言っても維持費が安いからです。

それでも車好きな人は軽には抵抗があるという人もいるでしょう。そういう場合は次のように考えたらいかがでしょうか。「長い車人生の中で、一時くらい軽に乗ることがあっても良い。いつかまた収入が戻ったら好きな車に乗れば良い」と。このように考えれば、むしろ「いつかまた、好きな車に乗るぞ」と逆に励みになり頑張る意欲が沸いてきませんか。(是非、そうなって欲しいものです)

一方、家計が苦しい時に良く間違う方法に、「収入が減ったから中古車に買い換えよう。でも中古車なんだから前よりも、ちょっと良い車に乗ろう」というものです。これが何故、間違いかというと、中古車であろうと維持費は変わらないからです。むしろ前よりも大型車を選んでしまったら維持費は余計にかかってくることになります。本体価格を下げても家計の負担は大して変わらなかったり、それどころか負担が増える場合があるかもしれません。自動車という商品は常に本体価格と維持費の両方を念頭において考えなくてはなりませんので注意が必要です。

 では次回は生命保険について考えてみましょう。