7月
30
2010
さて本日からは、変化の激しい債務整理の最新の状況について紹介しましょう。まさに半年違えば状況が異なるのが最近の債務整理事情です。まずは武富士の状況についてです。
武富士は前から状態が悪かったのですが、以前よりも更に状態が悪化しました。本当に倒産するんじゃないかと心配になってきています。過払金返還請求に関しては、武富士との長期取引がある場合は急いだ方が良いでしょう。
武富士の深刻な状況を表しているのが、和解後の過払金の支払いです。最近の武富士は何と一旦、和解した(裁判上の和解も含みます)過払金の支払日に入金されていなかった、あるいは支払日直前に電話がかかってきて支払日を遅らせてくれと懇願してくる、などの信じられない対応をしてきています。とてもじゃないが、大手の貸金業者とは思えません。
過払金の支払日も、どんどん遅くなり、半年後ならマシな方で、8ヶ月後、10ヶ月後なども出てきています。従って、武富士の過払金をあてにして他の借金を支払う場合には非常に困ったことになります。半年以上も借金の支払を待たせていると、当然、遅れた分の利息を付けろと言ってくるからです。
また、過払訴訟においても、少しでも空白期間があると徹底的に争ってきます。例え苦労して判決で勝っても安心できません。かなりの確率で控訴してくるからです。控訴とは1回目の裁判で判決が出た後で、もう一回、裁判をすることです。要するに裁判が長期化する訳です。事務所によっては、裁判が長引くと余分な費用を後から請求するところもありますから、依頼する前には、しっかり確認しておいた方が良いでしょう。
それでも今のところ、武富士は過払金の支払額に関しては、何とか今までどおりの額を支払ってきてはいます。ただ回収するのが今までと比べて格段に大変になっているということです。最早、気軽な気持ちで取り組んでいる事務所では対応できなくなっているのではないでしょうか。
以上のことをふまえて、過払金請求を既に依頼している場合は、実際に過払金元金と比べて、どの程度回収しているのかを、しっかり確認するようにするべきです。まかせっきりだと、想像以上に減額されて和解されている可能性があります。特に最近の武富士で早く回収されていたりしたら疑った方が良いかもしれません。
一方、債務が残った時の分割払いに関しては、ほとんどの場合、将来利息を要求してきます。将来利息とは分割払いの契約が結ばれた後に、かかってくる利息のことです。今までは分割払いでは将来利息カットが常識でした。ところが最近は多くの業者が将来利息を要求してくるようになっています。
では今までの常識に合わせて将来利息を支払わないと言ったらどうなるかというと、要するに一括払いで支払うしかないということになります。他の業者で過払金が発生していれば、そこから払うことは出来ますが、そうでなければ、自分で貯めるか親族にでも頼むしかなくなります。
以上が最近の武富士の状況です。しかし、この状況が、いつまで続くかは分かりません。また半年後にはブログで紹介する必要が出てくるでしょう。それでは、次回はアコムの状況についてです。
7月
22
2010
本日はギャンブルについて考えてみましょう。
世間では良く、「多重債務になる人の、ほとんどはギャンブルで借金を増やしてるんだろう」という思い込みがあります。もちろん、そういう人がいないとは言いませんが、実際に相談を受けているとギャンブルで多重債務に陥った人は、むしろ少数派です。大半の人は、急激な収入の減少に節約意識がついていかなかったというパターンです。しかし、少数派と言ってもギャンブルは、その人自身はもちろん、家族にも深刻な影響を与えることが多いので、やはり目立ってしまうのです。
ギャンブルが止められない人には、ギャンブルが、いかに勝つ確率が低いかを分かって頂きたいと思います。(と言っても、これを理解してもらうのが非常に困難なのですが)
例えば競馬と宝くじを例に説明しましょう。まず、テラ銭の存在を意識していない方が大勢います。テラ銭とはギャンブルの主催者に対して支払う一種の手数料ですが、この手数料が他の業種と比べてギャンブルの場合、非常に高く設定されています。競馬の場合は約25%と言われています。ということは、購入された馬券の金額の総額から強制的に25%差し引かれた金額を当たった人で分け合っている訳です。
これを見て、「何だ75%も配当されるんだ」と思った人は中央競馬会の思う壺にはまっていると言えるでしょう。何故なら、競馬場に行って一つのレースだけで帰ってくる人は、ほとんどいないからです。通常、一日のうちに複数のレースに賭けるでしょう。ということは、競馬場に詰め掛けた人全体の持ち金が一つのレースが終わった後には、何と当たった人も含めて75%に減ってしまうことを意味します。これは一つのレースだけの現象ですから、次のレースが終わった後には75%の更に75%で、最初の金額から見ると56%に減ってしまいます(もちろん当たった人も含めてです)。これが3つ目のレースになると最初の42%と半分以下になっているのです。4レース、5レースと重ねていくとどうなるか、もうお分かりですね。
このように競馬というのは主催者(中央競馬会など)にお金を貢いでいるようなものだということが、お分かり頂けると思います。
宝くじに至っては、競馬よりもひどい搾取の構造がまかりとおっています。ジャンボ宝くじのテラ銭は何と約50%にもなるのです。途端に買う気が失せてきた人も多いのではないでしょうか。要するに市場で販売されている宝くじを全て買い占めても、当選金は買占め額の半分程度にしかならない訳です。まさに消費者金融など顔負けの恐るべき暴利のシステムが宝くじなのです。
また当選確率が天文学的に低いのも宝くじの特徴です。1等が当たる確立は約1000万分の1と言われています。こんなものに当たってしまったら、これからの運を使い果たしていないか心配になりそうです。
以上、見てきたように多くのギャンブルが、いかに主催者が儲ける為のシステムになっているかが、お分かり頂けたでしょう。ギャンブルの勝利者とは要するに主催者なのであって(彼らは一切のリスクを負わないで巨額の利益を上げています)、参加者は時間をかけて損をさせられる側になるのです。このことに気付くと、ギャンブルに対しても冷静に考えられるようになって頂けるのではないでしょうか。
さて、次回からはシリーズを改めて、変化が激しい債務整理の最新の状況について取り上げたいと思います。
7月
15
2010
本日は賃貸住居費について考えてみましょう。
賃貸住宅に関しては、分譲のようにコダワリのある人は少ないと思われますので、やはり生活が苦しくなった時には思い切って賃貸料の安い物件に移るべきでしょう。分譲に比べれば、気軽に移ることが出来るはずです。
注意したいのが、引越を、ぐずぐずと先延ばしにすると、移りたくても移れないという状況に追い込まれる場合があることです。
何故なら、引越にも、ある程度の費用がいるからです。まず家具の移動にかかる費用がいります。他には、新たな物件にかかる礼金・敷金などです。最近は礼金不要の物件も増えてきたようですが、それでも敷金はかかってきます。
これらの費用を考えると、本当にギリギリのところまで移らないでいると、いざという時に移りたくても移れない可能性が出てくるのです。従って、やばいなと思ったら引越費用のあるうちに決断しましょう。
あと、この決断をした人は収入が下がっているはずですから、民間の賃貸に住んでいるなら、公的な賃貸を検討してみて下さい。
公的な賃貸には、いろいろな種類があります。役所などで聞いてみましょう。インターネットが使える人ならネットで探すのも良いでしょう。
公的賃貸住宅は何と言っても賃料が安いところが多いので収入が下がっている時には助かります。多くの場合、入居者の収入によって賃料が決まるようになっています。要は収入が低い人ほど有利な条件で借りられる訳です。ただ、当然、人気も高いので必ず入れるとは限りません。とにかく、チャレンジしてみて下さい。
賃料というのは引っ越さない限り節約のしようがない固定費です。家計の中から毎月、強制的に出て行きます。だからこそ、この固定費を下げることが出来れば、大きな節約になるのです。
あと、実家が遠くて今の仕事に支障があるという人以外は、もし実家があるならば、実家に戻ることが何よりも節約になるということは覚えておいて下さい。何故なら実家は無料で住める訳ですから。もし、親が賃料を要求してきても、その相場は賃貸住宅の相場よりもずっと安いはずです。また、賃料が遅れたとしても追い出されることは、まずないでしょう。
親子関係がうまくいっていなくて、実家に帰りたくないという人は多いのですが、どうしても生活に困っている場合には最後の選択肢としては考えて頂きたいと思います。一方、親子関係が良好な人ならば、真っ先に検討してみるべきでしょう。実家は礼金も敷金も必要ない訳ですから。
では次回は、多重債務と切っても切れない関係のギャンブルについて取り上げます。
7月
05
2010
本日は出費の中で最も大きな割合を占める住居費について考えてみましょう。
住居費は確かに大きな割合を占めているのですが、だからと言って無くす訳にもいきません。人は住むところは絶対に必要だからです。ここが住居費の難しいところです。
住居費については2種類に分けて考えてみましょう。まず今回は、住宅ローンを組んで購入した場合を取り上げます。
住宅ローンで多重債務になるのに代表的なパターンが、いくつかあります。順番に紹介していきましょう。
一つは、ステップ返済になっていた場合です。ステップ返済とは返済の途中(5年後が多い)から返済額が急激に上がるタイプのローンのことです。最初のうちは返せていても優遇期間が終了して返済額が上がった途端に行き詰まってしまうのです。
二つ目は、ボーナス払いを利用していて、途中で会社の業績が落ち込んでボーナスが減らされ、毎月の返済は出来ていても年2回のボーナス返済が行き詰まってしまうパターンです。
三つ目は、無理のない返済計画を立てていたにもかかわらず、リストラ・減俸などで給料が激減し返済が出来なくなってしまうパターンです。
このようにローンが払えなくなってしまった場合に最もやってはいけないのがカードローンを借りて住宅ローンを返すことです。まさに多重債務の入り口になってしまいます。
では、どうしたら良いかと言うと、まずはローンの組み換え(リスケジュールと言います)を金融機関に頼んでみましょう。支払可能なレベルまで月の返済額が減るようにローンを組み替えてもらうのです。
この方法は特に住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)でローンを組んでいる人は絶対に試して欲しいことです。何故なら住宅金融支援機構はローンの組み換えに割と積極的に応じてくれるからです。(ローンの組み換えに関しては銀行よりもはるかに親切です)
ローンの組み換えをしても尚、払えなかったり、そもそも組み換えに応じてもらえなかった場合は、残念ですが売却を考えた方が良いでしょう。せっかく買ったマイホームですから未練があるのは充分に理解できます。しかし、売却時期が遅れてローンの未払いが貯まったりしたら余分な利息を取られて大きな損をしてしまいます。早い決断の方が傷が浅くて済みます。
売却してもローンが残ってしまう場合は、潔く専門家に相談しましょう。多くの場合は債務整理をすすめられると思いますが、私も同じアドバイスをするでしょう。残ローンを抱えたまま引越後の生活をするのは多重債務になり易いからです。
あと話は変わりますが、これを読んでいるあなたが、もし問題なく住宅ローンを払えているとしたら、是非、アドバイスしたいことがあります。
それは、お金に余裕が出来たら何よりもまず、繰上返済に回すべきだということです。この世の中に繰上返済ほど有利な金融商品はありません。特に返済初期の頃の繰上返済というのは支払った額の何倍もの利息軽減効果があります。これだけ得であるにもかかわらず、繰上返済はノーリスクなのです。世の中にノーリスクハイリターンの商品は無いと良く言いますが、こと繰上返済に限っては存在するのです。これを使わない手はないと思います。
従って、住宅ローンを組んでいる家庭では株や投資信託など目もくれずに、まずは繰上返済に回すことを、おすすめします。
では次回は、賃貸住居費について取り上げる予定です。