司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2月 5th, 2013

2月 05 2013

個人再生解決事例②

依頼人が、親から譲り受けた土地を持っていたことと、手続の途中で正社員に昇格したことが印象に残っているケースです

Kさん、男性、住宅ローン無し(ただし土地は所有)
40代、会社員
借入先 6社、 借入総額 約400万円

結婚前から旅行が好きで、よく飛行機などを使って旅行に行っていました。旅行費用を捻出するために、たまに借入をすることもありましたが、その時は、給料で返せる程度でおさまっていました。ただ、借りることに抵抗が無くなっていたことはあると思います。

後に、前の会社を退職して事業をしないかと友人に誘われました。今、考えると、これが甘かったと思います。大事な退職金を、かなりの額、事業に使ってしまいましたが、そんなに世の中、甘くはありません。事業は軌道にのらず、投資した退職金は無くなり、更に新たな借金までかかえることになりました。

会社を辞めてしまっているので、新たな就職先を探さなくてはなりません。しかし、この不景気の中、正社員での就職は厳しく、しばらくは契約社員で過ごすことになります。当然、収入も以前に比べて減少し、借金の返済が苦しくなってきました。

そんな時にネットで借金について調べていたら、個人再生という手続があるのを知り、自己破産は抵抗があるけど、これならやってみても良いかなと思い、経験のありそうな司法書士を見つけて相談に行きました。

先生からは、「個人再生は、借金の5分の1か、100万円か、どちらか高い方の金額まで支払額が減らせる手続なので、あなたの場合は本来、100万円が支払額になるはずだけど、土地を持っているので、その分、支払額は若干増えます。ただし、その土地を処分する必要はありません。」と言われました。

親から譲られた土地は兄弟との共有になっていたのと、田舎のあまり便利の良い場所ではなかったので、私の資産価値は100万円ほどですみました。資産価値が低くて喜ぶことになるとは、皮肉なものです。

先生に伝えると、「貯金や生命保険などの他の資産と合わせると、あなたの資産の合計は150万円弱です。これがあなたの支払額になります。この金額を3年間で分割して支払っていくことになります。月あたり約4万2000円くらいですね」と言われました。

このくらいの金額なら何とか支払っていけそうだと明るい気持ちになってきました。すると、運も向いてきたのか、会社から正社員昇格の話がありました。真面目に働いてきて良かったと、この時は本当に思いました。すぐに先生に話すと、「裁判所に与える印象が非常に良くなりますよ。審査が通りやすくなるでしょう。」と言われました。

その後、順調に手続が進み、裁判所での面談も終わり、無事に認可決定が出ました。正社員になったことで収入も増え、無理なく支払うことが出来ています。個人再生に感謝です。

○司法書士からのコメント○
この人の場合、親から譲られた土地があったので最初は、その資産価値が不安でした。個人再生の場合、支払額の決定方法は、以下の3つのうちの最も高い金額と決められています。
① 借金の総額の5分の1
② 100万円
③ その人の資産の総額(清算価値と呼ばれます)

この場合、③に当てはまるわけです。ただし、個人再生のメリットは資産を処分する必要は無いという点です(自己破産の場合は、処分してお金に換えなくてはならない)。

ただ、不動産のように高額の価値になりやすい資産を持っている場合、支払額が高くなりすぎて、そもそも個人再生をやる意味がないというケースもあります。(分割になるメリットはありますが)

だから、実際の資産価値を聞くまでは心配でした。しかし、思っていたよりも資産価値が高くなかったので、支払額も充分にメリットがある金額になりました。

契約社員のままでも、ぎりぎり審査は通るかなと思ってはいましたが、やはり、正社員に昇格したのは良いタイミングだったと思います。いろいろなことが非常に、うまくいったケースだと印象に残っています。

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