2月
19
2024
給料の前払いとは
給料の前払いとは、働いた分の給料を給料日よりも前にもらうことを言います。この「働いた分」というのが重要で、働いていない分をもらったら前払いにはならない訳です。
給料の前借りとは
まだ働いていない分を給料日よりも前にもらったら、前借りと言います。文字通り会社からの借入であり、借金として扱われます。途中で退職した場合、前払いは返す必要はありませんが、前借りは借金ですから返さなくてはなりません。
自己破産における債権者平等の原則
自己破産をする場合、「債権者平等の原則」というのがあります。どこか特定の債権者だけに優先して返済することを禁止する、という意味です。ですから、一部の債権者を破産手続からはずすことはできないのです。
つまり、会社から給料の前借りをしている場合、それは会社に対する借金ですから、前借り分を破産手続に含めなくてはいけません。当然、裁判所から会社に破産の通知が届くことになります。ほとんどの債務者は、こうなることを嫌がって自己破産を躊躇するでしょう。
一方、前払いならば借金ではありませんから、破産手続きに含めなくて済むと考えられます。
前借りの場合は破産をあきらめるしかないのか
では前借りの場合は破産をあきらめるしかないのでしょうか。例えば、裁判所に出す前に会社に前借り分を返済して無くしてしまうという方法が考えられます。
しかし、先に返済したら「債権者平等の原則」を破ることになるのでは、と思った方もいるでしょう。その考え方は正しいです。
ただし、債権者平等の原則には例外もあります。それは「債務者が生活を維持していく上で必要不可欠な場合には考慮する余地がある」という考え方です。例えば家賃の滞納分を払わなければ家を追い出されるというような場合です。給料の前借り分の支払いも例外に当たる可能性が大きいと思います。決め手は、優先して支払うことに正当な理由があるかどうかです。
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スルガ銀行とは
スルガ銀行は静岡県沼津市に本店がある地方銀行です。「かぼちゃの馬車事件」という不動産への不適切融資事件で一時期マスコミを騒がせたことがあるのを、ご存知の方も多いと思います。
あくまで個人的な感想ですが、事務の対応なども他の銀行に比べて、あまり良い印象を持っていません。
スルガ銀行の個人向キャッシング
銀行には個人向けのキャッシングサービスを用意しているところが多く、スルガ銀行も例外ではありません。
そして銀行の個人向キャッシングの特徴として、消費者金融やクレジット会社の保証を付けている場合がほとんどです。(借りた本人は保障が付いていることに気づいていないことが多いです)
スルガ銀行の個人向キャッシングの保証会社
スルガ銀行の個人向キャッシングの保証会社にダイレクトワンという消費者金融が付いていることがあります。同じ静岡県の会社だからという理由もあるのでしょう。
スルガ銀行に任意整理の受任通知を送ると、まずは保証会社に代位弁済が行われます。代位弁済とは保証会社が銀行に代わりに支払って、その後は保証会社が債権者となって請求するという仕組みのことです。
保証会社が更に債権譲渡をするという驚きの展開
これは初めての経験だったのですが、何とスルガ銀行の保証会社であるダイレクトワンが、代位弁済した後に期間を置かずに他の回収業者に債権譲渡したことがあったのです。
通常、保証会社は、銀行の未払い債権を回収するリスクを負う代わりに、保証料という料金を取っています。ですからまずは自社で回収を試みるのが普通です。
何年経っても未払いの場合に債権譲渡するのはあると思いますが、代位弁済の直後に他の業者に譲渡してしまうというのは驚きの対応でした。自社では全く回収をしていないわけですから、何のための保証会社なのかと思いました。
譲渡されたのはAG債権回収
ダイレクトワンからAG債権回収という会社に債権譲渡されて、ようやく任意整理の交渉相手が決まりました。最初にスルガ銀行に受任通知を出してから何と半年近くが経過していました。
それまで交渉したくても出来ない状況だったのです。これほど待たされたのも、もちろん初めてです。待たされたのは事務所の責任ではありませんから、さすがにその間の経過利息の加算は認めませんでした。
AG債権回収の任意整理
AG債権回収は長く待たせてしまったことについては、申し訳ないという気持ちがあったようです。通常よりも緩い条件で分割に応じてくれました。債務者にとっては良い結果となりました。
それにしても、私も20年以上この仕事をやっていますが、保証会社が代位弁済直後に債権譲渡をするなどという対応は始めてでした。スルガ銀行の個人向キャッシングの保証会社が、どのくらいの頻度でこういう対応をするのかは分かりません。
ただ、こんなことをするならば最初から保証会社を引き受けなければ良いのでは、とは思いました。
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