10月 06 2020
遺言が無くてトラブルになりやすい事例(4) 遺言(22)
今回は、遺言が無いためにトラブルになりやすい事例の四つ目のお話です。
割と良くあるケースで、持ち家があり、亡くなった人と同居していた相続人と別居の相続人がいる場合です。遺産分割で揉めることが多いケースです。
なぜ揉めることが多いかと言うと、同居の相続人は同じ家に住み続けたいが、別居の相続人は「家はいらないから相続分の金銭が欲しい」と言ってくる場合が多いからです。
特に不動産以外の預貯金財産があまり多くない場合には非常にトラブルになりやすいです。預貯金は簡単に分けられますが、不動産はそうはいかないからです。
預貯金が多ければ、不動産を誰か一人が相続しても、その分預貯金の相続を減らせば他の相続人は納得してくれるでしょう。しかし、遺産の大部分が不動産ということになると、不動産を売らない限り相続人全員に分配できないということが起こります。
こうなると今まで通り同じ家に住みたいという相続人と利害が対立しますので、なかなか遺産分割協議がまとまらなくなります。
同居している相続人に老後の介護などで世話になっている場合は、同居の相続人が同じ家に住み続けられるように遺言を残してあげるべきだと、私は個人的には思います。
一生懸命故人を介護していたのに、亡くなった途端に他の相続人から「家を売れ」と言われるのは、あまりにも可哀そうだと思うからです。
(マメ知識)配偶者居住権
相続法が改正されて新たに配偶者居住権という権利ができました。
これにより配偶者は相続が発生した後も住み慣れた家に住み続けられる可能性が高くなりました。ただし、この制度は配偶者だけに認められたものなので、同居の子については同様の問題が起こることになります。
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