司法書士ジャーナル<相続>
橋本司法書士事務所ブログ

1月 24 2025

査定価格と実際の売却価格は違う 相続登記㉚

相続不動産の査定

相続した不動産を売却したいと思った時、まずは不動産業者に査定をしてもらいます。自分が相続した不動産がいくらくらいになるのか、相続人なら誰もが興味を持つでしょう。

ご存知ない方も意外に多いですが、不動産の査定は無料で行っている業者が圧倒的に多いです。地方だと費用がかかる場合もあるようですが、都会の不動産業者はほぼ無料だと考えて間違いないでしょう。よって不動産の査定は複数の不動産業者に依頼される方が多いです。実はここで注意して頂きたいことがあります。

査定価格についての誤解

不動産関連の仕事をしている方を除いたら、不動産の売買に関わるケースはそんなに多くないでしょう。ほとんどの方が不動産売買については素人だろうと思います。そして素人の方がよく誤解しやすいのが、「査定価格を高く出してきた不動産業者に頼めば高く売ってくれるだろう」というイメージです。このイメージで依頼して失敗してしまうケースがあるのです。

査定価格と実際に売れる価格は違う

まず知っておいてもらいたいのが査定価格どおりに売れなくても、基本的に不動産業者に責任は無いということです。
不動産売買は買手次第なので、どんな買手が見つかるかを事前に正確に予測するのは困難です。「この位の価格で売れると思っていましたけど、売りに出したら見つかりませんでした」と言われて、当初の価格を下げることになったという事例は珍しくありません。

一般の方は「査定価格が売れる価格」と思ってしまいがちですが、査定価格には何の保証もありません。査定価格と売れる価格は違うということを覚えておきましょう。

やたらと高い査定は注意した方がよい

このように査定価格には保証はないので、契約を取るために、やたらと高い査定額を提示する不動産業者もあります。周辺の取引事例を参考にして現実的な査定額を提示した誠実な不動産業者が、「査定額が低い」と思われて契約してもらえないということも珍しくありません。

それで高い査定額の業者と契約したら「買手が見つからないから下げてください」と1~2週間くらいで言って来て、結果的に現実的な業者の査定額よりも低い価格で成約したということもあるのです。

不動産業者には査定額の根拠を聞こう

失敗しないためには、不動産業者に査定額を出してもらったら、なぜその査定額になったのかという根拠を説明してもらいましょう。きちんとした査定額を出してくれたかどうかを判断するためです。
この時に査定の根拠の説明が要領を得なかったり、難解な言葉を使って分かりにくかったりする不動産業者は、不当に高い査定額を出している不誠実な業者かもしれませんので注意が必要です。

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