11月 01 2017
戸籍の郵送申請と定額小為替(相続登記⑪)
相続登記の必要書類の中で最も手間がかかるのが、被相続人の出生から死亡までの戸籍であるということは、このブログでも何回かご説明してきました。
被相続人の戸籍を遡っていくと、転籍をしていることが良くあります。転籍に関しては、相続人も全て認識しているケースは稀で、取得して見たら気付いたというケースがほどんどです。
転籍先が遠方である場合は(北海道や九州などというケースも珍しくありません)、戸籍取得の為に交通費を払う人はいませんので、通常は郵送申請になります。この郵送申請が結構やっかいなのです。
まず、相続の特徴として、申請する段階では出生までの戸籍が何通あるか分かりません。仮に役所に電話しても、「申請して頂かないと通数は分かりません」と言われてしまいます。従って、申請書の書き方に工夫がいります。
また、戸籍の郵送申請の場合、役所の手数料は定額小為替で支払わなくてはなりません。そのようにルールで決まっています。
定額小為替について
定額小為替とは、郵便局で発行してもらう少額の為替のことで、受け取った人が郵便局で換金できる仕組みです。
定額小為替の種類は金額によって細かく分かれていますが、1枚あたり100円という結構高い手数料が取られます。小為替には50円という額面もありますが、50円の小為替でも手数料は100円なのです!
組み合わせを工夫しないと、手数料が結構高くなってしまいますね。
今後は、役所も支払い方法の電子化などに注力していただきたいと思います。
予算は厳しいのでしょうが……。
ここで先ほどの問題が再び起こります。請求する通数が事前に分からない為、定額小為替をいくら封入すれば良いかが決まりません。この場合、司法書士が行う方法は、多めの金額を封入しておいて余ったら、その分は小為替で返してもらいます。
司法書士の場合は余った分を小為替で返してもらっても、次の仕事で使うことが出来ますが、一般の人の場合は、余分に作成した時の手数料が無駄になりますね。
また、定額小為替には、「発行から6ヶ月以内に換金して下さい」と書かれています。これを真に受けて、返してもらった小為替の換金を忘れて6ヶ月を経過したら、あきらめて捨ててしまう人がたまにいます。実は、これは非常にもったいない行為なのです。
実際には、発行から5年以内ならば郵便局は問題なく換金に応じてくれます。万が一、6ヶ月以上経過した定額小為替を持っていたら、覚えておきましょう。
そして、戸籍を発行する役所の、定額小為替の扱いですが、先ほどの理屈でいくと、6ヶ月以上経過した定額小為替を封入して郵送申請しても大丈夫だと思われる方が多いと思います。
しかし役所は通常6ヶ月以上経過した小為替は受け取りません。
一部受け取る役所もあるそうですが、そのような柔軟な対応をしてくれる役所は少数派なので、あまり期待しないようにしましょう。












