司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

11月 5th, 2007

11月 05 2007

完済した業者

 最近よくある質問に「完済した業者があるんですけど過払金は取り戻せますか」というものがあります。実際は、どうなのか、いくつかコメントしてみたいと思います。

まず完済した時期(払い終わった年月日)が今から10年以内ならば過払金を請求する権利があります。過払金請求権(法律用語では不当利得返還請求権と言います)は10年で時効により消滅するとされているからです。

ならば10年以内に完済した取引は全て過払請求できるのかと言えば必ずしも、そうとは言えません。何故なら、小さい業者だと倒産している場合もありますし、たとえ営業していたとしても取引履歴を全く保管していないケースもあるからです。

完済して取引の終わった業者の書類を債務者が大事に保管しているケースは少ないですから、業者が保管していないと、お手上げです。この点、小規模業者は、あまり期待できません。

しかし完済した相手が大手の業者の場合は、取引履歴が保管されている場合が多いので期待できます。大手業者で10年以内の完済があれば過払金の請求を考えた方が良いでしょう。

ただし最近はクレディアのように大手でも破綻するところが出てきましたので、大手であっても取りはぐれる可能性があります。「10年までには、かなり時間があるから大丈夫」という判断は注意した方が良いかもしれません。

11月 05 2007

親族からの援助

 債務整理をしていて、よく思うのですが親族からの援助は、あまり良い結果を生まないことが多いようです。特に問題が多いのが親族が残りの債務を一括返済してしまう場合です。

何が問題かと言うと、一括返済という事実によって債務者の与信が上がってしまい(一括で返済してくれた訳ですから業者にとっては優良顧客として扱われます)、ほぼ例外無く再借入のセールス攻勢がかけられるからです。複数の業者に対して一括返済した場合は、あらゆるところからセールスが来る訳で、親族から援助を受ける人は、もともと家計が苦しい人が多いので、つい誘いに乗ってしまい再借入をしてしまいます。

また、こういうケースでは与信が上がっている為に返済前よりも多額の借入が出来る場合が多く、より借金が増えてしまいます。親族の援助による返済は、援助する方も援助を受ける方も充分に注意する必要がありそうです。

親族からの援助を考え始めた時点で専門家に相談に行くことを、おすすめします。