司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

5月 2nd, 2008

5月 02 2008

シリーズ 特定調停②

 特定調停シリーズ2回目のテーマは「どこに申し立てるのか?」です。

特定調停は簡易裁判所に申し立てます。簡易裁判所は、裁判所の中で一番多く設置されている裁判所です。では次に、どこの簡易裁判所に申し立てれば良いかを調べる必要があります。これを「裁判所の管轄」と呼びます。

特定調停における裁判所の管轄の原則は、「債権者の所在地」です。この場合、特定調停ならではの特例があります。普通、「債権者の所在地」と言ったら、業者の場合は本店の所在地になりますが、そんなことを言ったら特定調停のほとんどを東京の裁判所に出さなくてはならなくなり、これでは素人を対象にしている制度としては現実的ではありません。従って、特定調停の場合、「債権者の所在地」は支店の所在地で構わないという取り扱いがなされています。しかも、業者が複数ある場合(複数あるのが普通ですね)、最も多くの業者の支店がある所ならOKということになっています。

これで、たいていの人は自分の住まいの近くで申し立てることが出来るはずです。しかし中には、取引の途中で引っ越す人もいます。そういう場合、全ての業者の取扱支店が遠方にあるというケースも出てきます。こういう人の為に特定調停は更に特例を認めてくれる場合が多いのです。

もし、上記のケースに当てはまる人がいたら、取引の途中で引っ越した事情を裁判所に説明して、現在の住所の近くで受け付けてもらえないか、粘って説得してみて下さい。私の経験では、ほとんどの場合、認めてくれるケースが多いようです。「何事もチャレンジ」の精神で熱意をもって説明しましょう。