5月 20 2008
シリーズ 特定調停③
3回目のテーマは申立の方法です。
裁判所には初めて行く人がほとんどでしょうから、最初は不安でしょう。しかし、特定調停は「素人が申し立てる」ことを前提にした制度なので、いろいろと便宜が図られています。
例えば、私の良く行く簡易裁判所では、特定調停の申立書は鉛筆書きでも良いことになっています。これは素人が申立書を書くと書き直す場合が多いからです。全ての裁判所に適用されているかどうかは不明ですが、特定調停に関しては、このように素人のことを考えた取り扱いがなされている場合が多いのです。
申立用紙は裁判所に置かれています。用紙の形式は裁判所によって若干異なるようです。ここでは、名古屋を例にして説明しましょう。
だいたい裁判所の様式に沿って書いていけばよいのですが、いくつか注意点があります。
まず、申立書は業者1社につき1枚必要です。業者ごとに事件番号がつき、それぞれ別の事件として扱われるからです。
次に、権利関係者一覧表に業者をまとめて書くのですが、この時、調停を行う業者と調停を行わない業者を分けて書くことが認められています。特定調停のメリットの一つですね。
あとは申立人の家計の状況を細かく書く欄が設けられていますから、前もって自分の手取り収入と家計の支出の状況を把握しておく必要があるでしょう。これが後にとても重要な資料になります。
窓口に持って行くと担当官がチェックして多くの場合、間違いを指摘されて一部書き直しを命じられます。この時、鉛筆書きが許されている裁判所だと消して書き直せるので、非常に便利です。
書き直しがOKならば、申立が受理されて事件番号が業者ごとに付けられます。この時に受理証明書をもらっておくと良いでしょう。手数料がかかりますが、家に帰ったら、すぐに各業者に対して、この受理証明書を郵送すれば特定調停が決着するまでの数ヶ月の間、取立・請求を合法的に止めることが出来ます。しばらく落ち着いて冷静になる時間が得られるので、是非やりましょう。









