司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2月 13th, 2009

2月 13 2009

シリーズ 各業者の対応⑭

 本日はフロックスについて取り上げます。

 この会社は破綻した消費者金融業クレディアから営業譲渡を受けて設立された、事実上、クレディアの引継ぎ会社です。民事再生の時にクレディアの支援をした「かざかファイナンス」という会社が100%出資していますので、「かざかファイナンス」の意向が強く反映されていて、とにかく任意整理には反抗的・非協力的な会社として有名です。

 愛知県は旧クレディアから借り入れをしている債務者が非常に多い地域なので、必然的にフロックスがらみの任意整理が他の地域よりも多くなる傾向があり、大変にやっかいな存在となっています。

 特に困るのが利息を引き直しても債務が残る場合です。こういう時、フロックスは将来利息カットの分割払いを認めないことが多いのです。

将来利息カットは任意整理の基本ですから、これが認められないと任意整理をする意味が無くなってしまいます。まともな専門家なら到底、呑める条件ではないので結局、フロックスに対しては何とかしてでも一括で払う道を探すことになります。(他で過払金が発生していれば、それで充当できますが、そうでないと非常に厳しいことになります)

このことから取引先にフロックスが入っていると、途端に任意整理がやりにくくなるという、全く困った存在なのです。まあ、フロックス側の言い分としては、破綻した業務を引き継いでいるのだから、利息をカットしている場合ではないということになるのでしょう。

 このように取り立ての方は非常に厳しいフロックスですが、こちらが過払いになった時は手のひらを返したように怠慢な応対になります。

請求しても全く回答が無く放置されますし、シビレをきらして、こちらから連絡すると「後ほど連絡するからFAX流しといてくれ」などと言われます。全く不誠実きわまりない態度です。

フロックスに対する過払金はクレディアの民事再生に従って減額されます。これは法律の決めるところですから、仕方がありません。しかし、民事再生に従えば、いくらになるのかは分かっている訳ですから、待たせる理由が無いはずです。さっさと計算して決められた金額を払えば良いのです。最初から減額が決まっているので、他の業者よりも随分とフロックス側に有利なはずです。それでも、この対応ですから、あきれてしまいます。

 要するに、この会社は、債務が残っても、過払いになっても、一筋縄ではいかない、やっかいな会社ということです。

 では、次回は同じ静岡県の業者で丸和商事を取り上げます。