司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

4月 6th, 2016

4月 06 2016

セディナの過払金請求

≪どんな会社か?≫
セディナは、セントラルファイナンス・OMCカード・クオークの3社が合併して出来たクレジット会社です。OMCカードは元はダイエー系カードでした。
現在は三井住友フィナンシャルグループの一員となっていますので、破綻する可能性は低いと言えるでしょう。

≪過払金請求をした時の特徴≫
(1)過払金の発生する確率が他社クレジットに比べて高い
クレジット会社の中でも適正利率に変更した時期が遅かったので、他のクレジットに比べて過払金が発生している確率が高いのが特徴です(ようするに、ぎりぎりまで違法利息を取っていたということです)。また、適正利率に変更する前は、消費者金融レベルの比較的高い利率で貸し出していますので、過払金が高額になる傾向があります。具体的には、平成20年頃までは25%から29%の利率で貸し出しをしていました。平成20年以前から、セディナのキャッシングまたはローンを利用していた人は、過払金を疑ってみた方が良いでしょう。

(2)取引履歴の開示が遅い
セディナに取引履歴の開示請求をすると非常に時間がかかります。早くて1カ月、遅くて3カ月以上かかることもあります。取引の開始時期が古く、過払金が高額になりそうな案件ほど、より時間がかかる傾向があります。これは、古い取引の場合、マイクロフィルムに保存してあるので、復元に時間がかかるからです。取引履歴が開示されないと過払金請求は始まりませんので、セディナに請求する時は、ある程度の時間がかかることは覚悟しておきましょう。ただし、セディナの場合、開示されてからの回収率は比較的高い業者なので、時間がかかるからと言って、あきらめてはいけません。粘り強く待ちましょう。

(3)過払金の回収率は他社クレジットに比べて高い
三井住友フィナンシャルグループの一員なので資金的にも余裕があり、過払金請求をした時の回収率は高いです。特に争点が無い取引の場合、訴訟をすれば満額回収の可能性が高いです。利息も含めて満額以上になることもあります。訴訟をしない場合は、司法書士や弁護士からの請求で7割から9割、本人からの請求で5割から7割が相場です。従って、開示されたら素早く訴訟を提起するのが、おすすめです。

(4)裁判で、それほど争ってこない
裁判では、それほど強硬に争ってこないタイプの業者です。特に、取引履歴が古い為に途中から開示されているケースでは、いわゆる「残高ゼロ計算」をしても、受け入れてくれる傾向があります。対応は比較的良いと言っていいでしょう。この点でも、任意交渉よりも訴訟がおすすめの理由になります。

(5)取引履歴が読みにくい
始めてセディナの取引履歴を見た人は、「これ、どうやって見たらいいの?」と感じてしまう人が多いでしょう。その位、セディナの取引履歴は最初は分かりづらいです。セディナの場合、利率が複数ある取引が多いので、利率ごとに取引履歴が分割して作成されて、最後に全ての利率を統合させた履歴があります。恐らく始めて見た人は、そのような構造になっていることが分からないと思います(私も始めて見た時は分かりませんでした)。そして、本人が開示請求をすると、引き直し計算をしていない履歴が開示されます(司法書士や弁護士が開示請求をすると、引き直し計算がされた履歴が開示されます)。従って、本人が開示請求をした場合は、過払金がいくらあるかは一目では分からないようになっています。

≪総合評価≫
銀行系なので資金に余裕があるせいか、過払金請求に対する抵抗は、それほど強くはありません。また、かつては消費者金融レベルの高利率だった時代があるので、過払金が発生している確率が高く、しかも過払金が高額になりやすい業者です。従って、取引が古い人は過払金の発生を疑うべきで、過払金が発生していた場合は積極的に請求していった方が良い業者です。請求する時は、任意交渉で時間をかけるよりも、すぐに訴訟を提起した方が良い結果になる確率が高いです。