司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

9月 5th, 2017

9月 05 2017

ギルドからの訴状 時効(16) 

ギルドは消滅時効期間が経過している場合でも頻繁に訴訟を提起してくる業者です。現在の本社は大阪にあるので、多くは大阪簡易裁判所から「訴状」が郵送されてきます。

前にも何度か説明しましたが、裁判所から「訴状」や「支払督促」、「執行文」といった書類が送られてきた場合は決して放置してはいけません。放置すれば、いずれ給料や銀行口座の差押を受ける恐れがあるからです。従って、大阪簡裁からギルドが原告の訴状が届いたら、まずは「時効ではないか」と疑ってみましょう。

ギルドから訴えられた依頼を頻繁に受けていると分かるのですが、ギルドは定型の文面を使っています。ようするに、誰に対しても同様の文面で訴状を作成しているのです。

訴状の表紙はギルドの電話番号から始まって、次に振込口座、次に訴えた金額(ここに表示された金額は元金のみです)が記載されています。

2枚目は「当事者目録」です。原告と被告の住所氏名が記載されています。一般的な訴状では、原告1名と被告1名の場合は表紙に当事者を書いてしまいますが、そうすると表紙を使い回すのが難しくなると考えたのでしょう。当事者目録を2枚目にすると、表紙は日付と金額を変えるだけで済みますので、大量に訴えるのには都合が良いと言うことだと思います。

3枚目は「請求の趣旨」と「請求の原因」です。最も専門的な部分なので、詳しい説明は省きますが、日付や金額以外の部分は、ほとんど同じ形式の文章を使っています。

3枚目で注目して欲しいのが、真ん中あたりにある表です。表の枠の3つ目に「支払済みの額」という欄があり、その中に「最後に支払った日」という項目が見つかります。ここを見れば、最後に返済した年月日が分かりますので、消滅時効期間である5年が経過しているかどうかを判断する有力な材料になります。

上記の日付が5年以上前だった場合は、答弁書で消滅時効の主張をすれば裁判で勝てる可能性が高いことになります。ほとんどの場合、時効が完成していれば、法的にきちんとした答弁書が出された段階で、ギルドの方から裁判を取り下げてきます。

当てはまると思われた方は、まずは専門家に相談してみましょう。同封された口頭弁論期日呼出状に記載された呼出期日までは間に合います。呼出状には「期日の1週間前までに」と記載されていますが、実際の実務では、ぎりぎりでも問題なく受け付けてくれます。あきらめてはいけません。

より詳しい情報を知りたい方は以下をクリック

http://www.hashiho.com/guild/