司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

1月 16th, 2023

1月 16 2023

複数口座の差押 強制執行(差押)⑤

複数の口座を差し押さえる場合

一つの口座だけを差し押さえた場合、預金残高が無く空振りになった時に他の口座の差押をしようと思ったら、最初から手続をやり直す必要があります。

これでは費用や時間の無駄と考える人は多いでしょう。また、差押が空振りになった時点で、相手方が他の口座から残高を全額引き出してしまうリスクもあります。

よって相手方の口座が複数分かっている場合は、一度の手続で複数の口座を差し押さえることを検討するべきです。ただし注意点があります。

請求金額を振り分ける

例えば請求金額が100万円だとして、A銀行・B銀行・C銀行を差し押さえる予定だとします。この場合、3つの銀行それぞれに100万円を請求できると勘違いされていることがたまにあります。

しかし、これは間違いなので気を付けましょう。理由は、もし3つの銀行に満額の預金があったら、300万円を差し押さえることになってしまうからです。

正しくは、3つの銀行に100万円を振り分けなくてはいけません。

振り分ける金額は債権者が好きなように決めることができます。例えばA銀行に50万円、B銀行に30万円、C銀行に20万円と請求金額を振り分けたとしましょう。このとき仮にB銀行の預金が0円だったとしても、A銀行とC銀行の請求金額を増やすことはできません。B銀行で回収できなかった30万円については新たな差押をするしかありません。

結論

従って複数口座の差押の場合、「どの銀行に、いくら振り分けるのか」を決めるのは非常に重要です。預金残高が多くありそうな口座に大きな金額を振り分けるのが理想です。しかし「預金残高など分からない」というケースも多いと思います。そのような時は均等に分けるのが一般的なやり方でしょう。

強制執行について、より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

強制執行のページ