5月
29
2019
仏壇、お墓、位牌などを祭祀財産という
仏壇、お墓、位牌などの財産は一般の相続財産とは区別され、祭祀財産と言います。祭祀財産とは祖先を祭るための財産という意味です。
祭祀財産は引き継ぐ方法も一般の財産とは異なり、第一には被相続人が指定した人です。被相続人が指定していない場合は慣習に従うとなっています。
また祭祀財産を引き継ぐ人のことは、相続人ではなく祭祀承継者といいます。
祭祀財産は相続放棄の影響を受けない
祭祀財産は一般の財産とは区別されますので相続放棄の影響を受けません。従って、例え相続放棄をした場合でも、仏壇、お墓、位牌などを引き継ぐことは問題ありません。祭祀財産のことで相続放棄をためらう必要は無いのです。
祭祀財産の種類
仏壇、お墓、位牌など以外にも祭祀財産はあります。例えば、遺骨、家系図、神棚なども含まれるでしょう。もちろん神道や仏教以外の宗教の場合もあると思います。
一般の財産は単純承認に注意
一方、一般の財産を一部でも相続してしまうと単純承認とみなされて、後ほど相続放棄をすることが難しくなることがありますので注意しましょう。
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相続放棄
7月
18
2018
相続放棄には3ヶ月という期限があります。しかし、債権者(貸主)が債務者(借主)の死亡を知らなかったために、3ヶ月以上経ってから請求してくるというケースが珍しくありません。このような場合、相続人はどうすれば良いのでしょうか。
まず覚えておいて欲しいのが、「3ヶ月以上経っているからといって、あきらめてはいけない」ということです。実際に私の事務所で手掛けた相続放棄事件で、3ヶ月以上経過しているにもかかわらず家庭裁判所に受理されたケースは何件もあります。
受理されるかどうかで最も注意するポイントは、「単純承認をしていないかどうか」です。一部でも死亡した債務者の財産を相続した場合には、法的には「単純承認をした」と判断されます。
従って、相続放棄をするためには、「死亡した債務者の財産を全く相続していない」というのが最低条件になります。債務者が亡くなってから借金の請求が来るまでの間、一部でも相続財産を換金したり消費してしまった場合は、「相続した」とみなされる可能性が大きいでしょう。
もう一つのポイントとして重要なのは、「あとから来た借金の請求書」が残っている、ということです。家庭裁判所に対して、「いつ、借金の請求をされたのか」を証明する必要があるからです。
以上の二つの条件を満たしている場合は、相続放棄が認められる可能性は充分あります。
更に私が申し立てる場合は、より受理される確率を上げるために、家庭裁判所に「どういう経緯で3ヶ月以上経ってしまったのか」を詳しく説明する上申書と呼ばれる書面を提出します。これで今まで、ほとんどの相続放棄が受理されています。
このように例え3ヶ月以上経過していても一定の条件が満たされていれば、あきらめるのは早すぎます。借金を相続するかしないかで、その後の生活に大きな影響を与えますので、専門家に相談に行きましょう。
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2月
07
2018
亡くなった家族の持ち物を調べていたら、消費者金融のカードが見つかったら、どうしますか?
あるいは、葬儀の後しばらくしたら、消費者金融やクレジット会社から借金返済の請求書が届いたとしらら、どうしますか?
他にも借金があるかもしれないと、すごく不安になりますよね。
このような相談は結構あります。
このままだと高額の借金を相続することになるかもしれない
とパニックになってしまう人もいて、残された家族にとっては深刻な問題です。
不安の1番大きな原因は、一体いくら借金があるのか分からないことです。
どうすれば、解決できるのかを事例をもとに見て行きましょう。
相続放棄するしか方法がない?
夫が死亡、相続人は妻と子ども3人です。
相続財産は夫名義の不動産のみで、妻が住んでいます。現金預金等の財産はほとんどありません。
この状況で、消費者金融2社から100万円相当の請求書が届きました。妻は夫が借金をしていたことも知りませんでした。
請求書が届いたことで、妻だけでなく、独立して生活していた子どもたちも、パニックに陥りました。
他にも借金があるのではないだろうか、あったとしたら、いくらなのだろうか、と。
不動産は借地に建物を建てたもので築年数も古いので、ほとんど価値が無いため、売却して支払うことも難しい状況です。
この状況で子どもの1人が、相続放棄を思いつきました。
借金の状況がわからない以上、この選択は間違っていません。
しかし、相続放棄をすると夫と2人暮らしだった妻が、夫の名義の不動産を失い出て行かなくてはならなくなる可能性があります。相続放棄はマイナスの財産を引き継がなくて良いかわりに、プラスの財産も引き継ぐことはできないからです。
困った妻は「夫の借金は自分が何とか払う」と言い出してしまいました。
相続財産がほとんどないことが、はっきりと分かっていれば、相続人全員で相続放棄をすれば問題は解決します。しかし、相続財産が少しでもあると一気に難しい問題となります。
信用情報機関への開示請求
そこで事務所としては、信用情報機関に開示請求をすることにしました。信用情報機関は代表的なところが3か所あります。それぞれに相続人の代理人という立場で司法書士から開示請求書を送り、他に借金が無いかを調べます。同時に、既に判明している2社に対しては、業者宛に取引履歴の開示請求を出して実際の借金額を計算しました。
信用情報開示請求をすることによって、最初の2社だけであることが確定しました。また、消費者金融2社の取引履歴が開示され、それを事務所で利息制限法に引き直し計算をしたことによって、何と700万円近い過払金が発生していることが判明しました。夫は長い間、借入と返済を続けていたのです。
マイナスの財産つまり借金は無いという結果になり、相続放棄の必要性は無いことが分かりました。過払い金も戻ってきます。家を失う心配も無くなりました。
このように相続財産が少しでもある状態で、故人の借金が発覚すると判断が非常に難しくなることがあります。相続放棄には3か月という期間制限もあるため、早く決断しないと手遅れになる危険もあるので、素早い対応が求められます。
上記の事例で、もし妻が借金を支払って終わらせていたら、本来あった700万円もの過払金は無かったものとして過ぎ去っていた可能性が高いです。
年金暮らしの妻にとっては、経済的に厳しい状況が続くことになったでしょう。
仮に相続放棄をしていたら、支払うものは無くなりますが、妻は住み慣れた家を出ていかなくてはなりませんでした。
借金が発覚=相続放棄がベストでない場合もあるのです。
少しでも疑問が起きたら、専門家に相談してみましょう。
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12月
04
2017
相続放棄で、よく問題になるのが兄弟姉妹の相続放棄です。
なぜ、問題になりやすいかと言うと、いつまでなら相続放棄が認められるのかが分かりにくいからです。
最初から子どもも両親もいないことが分かっている場合は、それほど問題にはなりません。通常と同じように、被相続人が亡くなったのを知った時から3カ月以内に家庭裁判所に申述をすることになります。
問題は、亡くなった人の子どもや両親が先に相続放棄をしていた場合です。この場合、子どもや両親の相続放棄が家裁で認められて初めて兄弟姉妹が相続人になりますので、先順位の相続放棄が認められたのを知った時から3カ月以内が申述期間(熟慮期間)になります。
しかし、被相続人の子どもや両親と、兄弟姉妹が頻繁に連絡を取り合っているとは限りません。特に兄弟姉妹が遠方に住んでいたりすると、ほとんど会っていないというケースもあるでしょう。
そんなとき、先に相続放棄をした子どもや両親が、相続の権利が移ったことを教えてくれるとは限らないのです。
実際に、連絡せずに放置したという事例は案外多いです。
当事務所では、相続放棄をしたことにより、兄弟姉妹や甥姪などに被相続人の借金が引き継がれてしまう場合は、該当する人たちに連絡をするように強くおすすめし、そのようなサービスを行っています。
「そうなんですか?では連絡をお願いします」という人もいれば、「いえ、特に必要ありません」という人もいます。
強制はできませんので、必要ありませんと言われればそこで終了となりますが、心配にはなりますね。
先に子どもや両親が相続放棄をしている訳ですから、兄弟姉妹は、いつのまにか相続人になったとき、借金が回ってきてしまうことになります。

このようなケースで、兄弟姉妹が自分が置かれた状態に気付くのは、借金の請求をされた時や納税金の請求をされた時などが多いです。いきなり請求を受けて、「あなたが相続人になりました。支払って下さい」と言われる訳ですから、相当驚いてうろたえてしまいますよね。
これはあまりにも酷だろう、ということで、家庭裁判所も兄弟姉妹の相続放棄については割と広く申述期間(熟慮期間)を解釈する傾向があります。
上記のようなケースならば、気付いた日付を「請求がされた日付」だと主張することによって、先順位の相続放棄から3カ月以上経っていたとしても、家庭裁判所に認めてもらえる可能性が充分にあります。
兄弟姉妹の相続放棄は上記のような理由により遅くなりがちですが、認められる可能性は残っていますので、あきらめないで専門家に相談しましょう。
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9月
26
2017
例えば、亡くなった親が交通事故などの加害者だったとして、保険に未加入で、被害者から損害賠償を請求されていたとします。
もし損害賠償を相続したら、莫大な金額を支払うことになりますね。
相続人は損害賠償請求を相続放棄できるのでしょうか。
損害賠償請求の相続放棄
この問題は、あらゆる損害賠償に共通しますが、結論は「相続放棄できる」が正解です。
被害者の立場からすると理不尽なように思えるかもしれませんが、相続放棄の法律効果は、「最初から相続人では無かったものとみなす」です。
相続する義務は無いのも当然と言えます。
このような強力な効果があるからこそ、3カ月という期間制限が付いているとも考えられます。
相続人は損害賠償請求を相続放棄できますが、それでは被害者は困ってしまいますね。
どうすれば良いのかというと、保険に入っておけば良かったということになるのでしょう。
自己破産の悪意で起こした損害賠償
自己破産の場合は、悪意で起こした損害賠償については免責されないことになっています。
(免責とは支払義務を免れることです)。
自己破産は、あくまで本人が行うものですから、加害者本人が悪意で起こした損害を破産することが許されてしまったら、被害者はたまったものではありません。
それこそ気軽に損害を与える人が出てきてしまう可能性も否定できないので、モラルハザードを防ぐためにも、このような規定になっているのです。
自己破産が上記のような規定になっているので、それを知っている人が損害賠償請求の相続放棄も同様に免れることはできないのではないかと誤解していることがあります。
しかし、相続放棄は加害者本人がするものではありませんので、全く考え方が異なるのです。
同じような件でお悩みの方は、なるべく早く専門家に相談しましょう。
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9月
20
2017
相続放棄は、相続が発生したときに借金が財産よりも多いことが分かった場合に、借金を支払わなくて済む非常に有効な手段となります。
ただし、相続放棄が認められなくなるケースもあります。
相続放棄は、財産も借金も両方とも受け取らないことを前提にした制度です。
従って、財産を一部でも受け取ってしまうと、ルール違反とういことになり、相続放棄が認められなくなる可能性がありますので注意が必要です。
この場合に相続人がよく迷うのが、今回のタイトルにもなっている
未支給年金
介護保険の還付金
健康保険の還付金
です。果たして、これらは亡くなった方の財産と言えるのかどうか、というのがポイントになります。
財産ならば受け取れない、財産で無ければ受け取れる、という訳です。
結論から言うと、未支給年金は亡くなった方の財産ではなく、相続人固有の財産だと考えられています。
従って、未支給年金を受け取っても相続放棄は可能です。
一方、介護保険や国民健康保険の還付金の場合は亡くなった方の財産だと考えられています。
そうすると、これらの還付金は相続放棄をする場合は受け取ってはいけない、ということになります。
やっかいなことに還付をする役所は相続放棄に詳しい人が対応するとは限りませんので、「受け取っても構わない」と答えたりすることがあります。
安易に受け取ると、取り返しのつかないことになりかねませんので、覚えておきましょう。
実際の実務の上では、家庭裁判所に相続放棄の申述をする段階では、上記の事実が問題になることはまずありません。
そのまま審査が進んで、相続放棄申述受理通知書が送られてくるでしょう。
では何が問題なのでしょうか。
借金の請求をする債権者(業者)が調査をして、上記の事実が発覚した場合に、相続放棄の効果が否定される可能性があります。
つまり支払いを拒否できないかもしれないということです。
もちろん発覚しなければ大丈夫ということにはなりますが、大きなリスクであることは間違いないので、専門家としてはお勧めできません。
役所に言われるままに知らずに受け取ってから気付いたというなら、リスクを承知でやってみるということも否定はしませんが、もし受け取る前に気付いたのならば止めておきましょう。
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4月
28
2017
相続放棄の期間と借金の行方(相続放棄⑦)
相続放棄ができる期間は、被相続人が死亡したのを知ったときから3カ月以内、というのは結構有名になっていて、かなりの人がご存知だと思います。
しかし、詳しく知らないと意外な落とし穴があるのです。
基本は3か月以内
例えば亡くなった方が債務超過(借金の方が多い状態)で子どもと配偶者が相続人の場合、子どもと配偶者の両方が3カ月以内に相続放棄をしたとしましょう。
このとき、被相続人の両親がご存命の場合、借金は両親に相続されてしまいます。
これを防ぐためには両親も相続放棄をする必要があります。
では、両親の相続放棄は、いつまで可能なのでしょうか。
この問題は、勘違いされている人が多いので注意が必要です。
多くの人が、両親も、配偶者と子どもの相続放棄と同様の期間だと思っているようです。
現実には、両親の相続放棄は、子どもの相続放棄が家庭裁判所に認められてから3カ月以内にすればOKです。
理由は、子どもの相続放棄が認められるまでは両親は相続人ではないからです。
子どもの相続放棄の申述が家裁で受理されて初めて両親は相続人となりますので、そのときから3カ月となるのです。
むしろ、子どもの相続放棄と一緒に両親の手続をしても、家裁から拒否されます。
現時点で相続人でない人の相続放棄は出来ないからです。
もちろん、子どもがいない場合は両親は初めから相続人ですから、亡くなったのを知った時から3カ月です。
このとき、被相続人の兄弟姉妹がいる場合は、両親の相続放棄が認められてから3カ月以内に兄弟姉妹の相続放棄をする必要があります。
転々とする借金の行方
相続放棄の場合、第一順位(子)の相続放棄をすると第二順位(両親)に、第二順位の相続放棄をすると第三順位(兄弟姉妹)に、借金が移っていきますから、先に相続放棄をした人は、次の順位の相続人に連絡をすることが大切です。
これを怠ると後で大きなトラブルになりますので注意しましょう。
例えば、税金の滞納があった人が亡くなって、その後、子、両親と借金が移り、ついに兄弟にまで税金の請求がきた事例があります。
まさか自分のところまでは借金はこないだろうと、たかをくくっていると、実際に請求されてびっくりすることになるかもしれません。
心の片隅に、とどめておいてください。
請求が来ても相続放棄は可能ですが、油断して3か月を過ぎないようにだけは、注意しましょう。
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4月
19
2017
以前、相続放棄の照会書の話をしました。
>>>相続放棄の「照会書」って何?<<<
照会書と一緒に同封されているのが「回答書」です。
本当に本人の意思で相続放棄をしているのかを裁判所が確認するための書類です。
回答書には、いくつかの質問が書かれていますが、質問の数や内容が各裁判所によって異なっています。
実際に受けた依頼の中で、放棄をする相続人は名古屋の人ですが、被相続人が九州に居住していたケースがありました。
相続放棄は被相続人の居住する裁判所に提出する必要がありますので、この場合は、九州の裁判所に書類を出すことになります。
手続を進めて行くと照会書が届きました。同封されている回答書を見ると、随分と名古屋の裁判所とは違うという印象でした。
質問の数も多く、内容も細かいことを聞いていました。
名古屋の書式がシンプルだったので、意外な感じでした。
地方の裁判所の方が、審査が厳しい印象を受けたからです。
従って、ネットに上がっている回答書の質問を見て、同じものが届くと思っていると、それはどこか特定の裁判所のものである可能性が高いです。
後で違うものが届いて驚くことになるかもしれない、ということは知っておかれるとよいでしょう。
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4月
10
2017
相続放棄の戸籍収集は、簡単でしょうか。
それとも、大変なのでしょうか。
相続放棄の場合、単独で出来る手続なので、他の相続人が何人いるかは基本的に証明する必要がありません。
従って、不動産や預貯金の相続手続のようにすべての相続人を確定するだけの戸籍は必要とされません。
具体的には、被相続人の死亡の事実を証明する戸籍と、申述人(相続放棄をする人)が相続人の一人であることを証明すれば足ります。
ここまでなら、難しくなさそうですね。
第二・第三順位の相続放棄
ただし、第二順位(被相続人の両親・祖父母)、第三順位(被相続人の兄弟姉妹・甥姪)などの相続放棄の場合は、それほど簡単ではありません。
なぜなら、第二順位の場合は第一順位(子供・孫)の相続人がいない(あるいは相続放棄している)か、あるいは全員死亡していないと、そもそも相続人にはなりませんので、そのことを証明する必要があるからです。
少しややこしいですね。別の言い方をしましょう。
第一順位の人たちが確実にいない(あるいは相続放棄している)ことを証明しなければならない、ということです。
確実にいないことを証明する、ということはどういうことでしょうか。
最初から存在しない(子どもがいない)
子どもは存在したが、既に亡くなっている
子どもは存在しているが、既に相続放棄している
この3パターンが考えられます。
これには、被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍、更に既に亡くなった子どもがいる場合は、孫(亡くなった子どもの子)がいないことを証明するために、亡くなった子どもの出生から死亡までの全ての戸籍が必要となります。
注意が必要なのは、子どもが複数いるときです。
たとえば、裁判所に、3人の子どもの相続放棄が出されていたとしても、子は3人かどうかは、調べないとわからないのです。実は4人目が存在するかもしれません。子の数を確定する必要があるということです。
第三順位となると更に大変で、上記の戸籍に加えて第二順位の相続人がいないことも証明しなくてはなりません。
第一順位でも要求された事例
また、裁判所によっては、第一順位でも追加の戸籍を要求する場合もあります。
私が依頼を受けた事例で、お住まいは名古屋市ですが、亡くなった親が長崎県の方がいらっしゃいました。
相続放棄は、被相続人の住居のある裁判所に申述しますので、長崎の家庭裁判所に出すことになります。
そこで、長崎の家裁に出したところ、「当裁判所では、第一順位の場合でも、親と子が一緒の戸籍に入っていたときから現在までの戸籍を要求しています」と言われました。
この依頼人さんの場合、親も子も一緒の戸籍に入っていたのは長崎でも名古屋でもない別の県でした。
それから別々の戸籍に分かれてしまったので、双方ともたどっていくのは結構大変でした。
3カ月の期限がせまっていたので、専門家に依頼して良かったと言っていただけました。
このように裁判所によっては標準的な書類だけでなく、追加の書類を要求してくる場合もありますので注意が必要です。
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7月
07
2015
相続放棄のふたごの書類「通知書」と「証明書」
相続放棄には、非常に似通った名前の二つの書類があります。
「相続放棄申述受理通知書」と「相続放棄申述受理証明書」です。
以下、長いので前者を「通知書」、後者を「証明書」と呼びます。
名前だけではなくて、書類自体の見かけも非常に似ています。
「こんなの名前がちょっと違うだけで、ほとんど同じじゃないか」と思うでしょう。
通知書と証明書の効果の違いは?
しかし、法的には、この二つの書類は明らかに効果が違います。
「通知書」の方は公的な証明としては使えないことが多いのです。
相続放棄の手続が終了すると、放っておいても家庭裁判所から送られてくるのが「通知書」です。
裁判所から届いたのだから、そのまま相続放棄の証明として使えるんだろうと普通の人なら思ってしまいます。
(実は私も始めは、そう思っていました。)
ところが、「通知書」をコピーしてローンの債権者に送ると、
「これではダメです。証明書を送って下さい」と言われることが多いのです。
また、不動産の相続登記(名義変更)で法務局に提出しても、
「改めて証明書を出して下さい」と言われます。
ようするに「通知書」とは、単に相続放棄の手続が完了したという、家裁からのお知らせなのです。
(その割には「証明書」とあまり違いの無い書類なのですが。)
一方「証明書」は、相続放棄をしましたということを、家庭裁判所が証明してくれている書類です。
必要なときは、添付書類と申請書と手数料をそろえて家裁に申請しなくてはなりません。
「通知書」は相続放棄をした人に送られるお知らせなので、一通しか発行されないのが普通です。
複数必要な時はコピーを取って使用することになります。
「証明書」は何通でも申請できます。
債権者や法務局に出す時は、コピーではなく原本が必要ですから、提出したい分の通数を申請することになります。
「証明書」の原本が、文字通り相続放棄の事実を公的に証明した書類になります。そのためには、手続が終了した後も一手間かかるということを覚えておきましょう。
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