司法書士ジャーナル<相続>
橋本司法書士事務所ブログ

相続登記(名義変更)

5月 30 2019

法務局でも間違えることはある 相続登記⑱

共有持分の相続登記

父2分の1、長男2分の1という不動産があって、父が亡くなり長男が相続人となった場合、父持分全部移転という相続登記をすることになります。
この時、父が亡くなる前の長男の持分の表示は共有者となっています。亡くなる前は父と長男の共有だった訳なので、これは正しい表示です。

相続登記後の長男の表示

相続登記をして父の持分2分の1が長男に移った場合、不動産は長男一人のものになるので、この場合は所有者という表示になります。もはや共有では無いのだから当然です。

所有者の表示が共有者になっていた

私が相続登記をした事例で、何とこれが間違って登記されていたことがありました。長男一人のものになったのに、表示が共有者になっていたのです。明らかに法務局の間違いでした。

法務局が間違いを認めて訂正

司法書士は登記が終わった後、登記事項証明書を取得して完了後の表示を確認します。それで間違いを発見しました。急いで法務局に連絡すると、最初は驚いていたようですが、しばらくすると「確かに間違っています。早急に訂正して正しいものを送ります」と言う返事でした。

法務局にも間違いはある

法務局も人の組織である以上、(件数は少ないですが)間違いはあるということです。ですから登記完了後にきちんと確認するのが重要となります。
法務局も早期に間違いを認めて訂正の処理をしてくれましたので、結果として悪くない対応だったと思います。

相続登記について、より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

相続登記

10月 26 2018

相続登記⑰ 遺産分割調停後の不動産の相続登記

遺産分割が相続人の間の話し合いでまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。調停になるような遺産分割案件のほとんどが不動産がらみです。何故なら、預貯金は簡単に分割することが出来ますが不動産はそうはいかないので揉めやすいのです。

結果、調停が終了した後、不動産の相続登記が必要になります。たまに誤解されている人がいますが、家庭裁判所は相続登記まではしてくれません。終了後に相続人が自分で司法書士を探して登記をすることになります。

遺産分割調停による相続登記は通常の相続登記とは異なりますので、いくつか注意が必要です。

まず、最終的に話し合いがまとまると家庭裁判所から調停調書が発行されます。この場合は調停調書を添付書類として相続登記を申請します(他にも添付書類はあります)。

しかし、遺産分割調停をして結局話し合いがまとまらない場合は、遺産分割審判になります。このケースではほとんどの場合、裁判所による競売になりますので相続登記は不要になります。

ただし、数は少ないですが審判で相続登記をするケースもあります。その場合は家庭裁判所が発行する審判所謄本が必要になりますが、他に確定証明書も添付しなくてはなりません。これは忘れやすいので気を付けましょう。

調停調書にしても審判書謄本にしても、そこに書かれている不動産を取得する予定の相続人が単独で相続登記をすることが出来ます。これが遺産分割調停による相続登記の最大の特徴です。他の相続人の協力が不要なのです。この特徴があるからこそ、遺産分割調停をする意味があるとも言えます。

相続登記について、もっと詳しく知りたい方は以下をクリック

相続登記

6月 01 2018

相続登記⑯ 遺産分割調停による不動産の名義変更

最近は日本人の権利意識の高まりを受けて相続での争いが増えてきています。結果的に家庭裁判所の遺産分割調停に持ち込まれるケースも増加する傾向にあります。

遺産分割調停が終わった後に不動産の名義変更をする場合、通常とは違ったルールが適用されますので注意が必要です。

最も大きな違いは、「相続を証する書面」です。通常の名義変更では、被相続人の出生から死亡までの戸籍を添付しますが、遺産分割調停による名義変更では、調停調書または審判書がそれに当たります。

調停調書は遺産分割調停が話し合いで終了した場合に家裁から発行される書面で、最初に相続人に送られてくるのが調停調書正本です。名義変更をする時は、必ずしも正本である必要はなく、追加で取得できる調停調書謄本でも構わないとされています。

遺産分割調停が話し合いでは決着せずに裁判官の判断で終了した場合は、審判書が家裁から発行されます。この審判書で名義変更をする場合は、必ず確定証明書を付ける必要があります。審判書は確定証明書と一緒でないと名義変更には使えませんので覚えておきましょう。

他に注意すべき点としては、調停調書または審判書の中に被相続人の死亡日の記載が無かった場合は、被相続人の死亡日の記載がある戸籍謄本を添付する必要があります。

更に、調停調書または審判書の中に記載されている被相続人の住所が登記事項証明書記載の住所と異なっていた場合は、住所をつなげる為の住民票の除票や戸籍の附表などが必要になります。

遺産分割調停による名義変更にはメリットもあります。それは、調停調書または審判書に記載された不動産を取得する相続人の単独申請で名義変更ができる点です。

通常は、法定相続人全員の協力が無いと特定の相続人への名義変更はできませんので、これは大きなメリットです。ただし、遺産分割調停の終了前に法定相続分による登記がされてしまった場合は、単独申請ができない場合もありますので注意が必要です(この時でも、調停調書または審判書に、他の相続人が登記に協力する旨の記載があれば単独申請できる場合もあります)。

より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

https://www.hashiho.com/inherit/registration/

3月 09 2018

相続登記⑮ 土地の相続登記に対する登録免許税の免税措置の創設

相続登記が長年にわたって放置されたため相続人が死亡し、相続人の相続人が表れることによって相続関係が複雑になり、結果、不動産の処分が困難になるケースが増加しています。

政府も、この問題を深刻に考え、解決策として相続登記に係る登録免許税を一定の条件を満たせば免除するという措置を打ち出しました。これで、相続登記の促進を図り、登記が放置される不動産を減らそうという試みです。(平成30年度の税制改正大綱に盛り込まれました。)

具体的には、
相続により土地の所有権を取得したものが移転登記を受けないで死亡した場合、相続人等が平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に、その死亡した者を登記名義人とするためにおこなう移転登記に対する登録免許税が免除となります。

恐らく、そのままの形で国会を通過して法律となる可能性が高いと思われます。もし、上記の条件に当てはまる土地がある場合は、平成33年3月31日(実際には平成33年はありませんが、そこは新元号が決まったら読み替えて下さい)までに登記を行えば登録免許税を払わないで済むということになりますので、見逃さないようにしましょう。

より詳しい情報が知りたい場合は以下をクリック

https://www.hashiho.com/inherit/registration/

1月 19 2018

遺産相続で配偶者を優遇する規定の新設 (相続登記⑭)

現在、政府が進めている民法改正要綱案によると、遺産相続における配偶者優遇措置が強化されることになりそうです。

被相続人(亡くなった人)の配偶者が、これまで住んでいた家にそのまま住み続けられるように配偶者居住権という権利を設定できるという、法的に結婚している配偶者の優遇を強く打ち出した内容となっています。

総務省の全国調査によると、2人以上世帯の家計資産に占める不動産の割合は全国平均で約66.5%になります。
子どもがいる場合の配偶者の法定相続分は2分の1です。
法定相続で遺産を分割した場合、現状では、子どもの取り分をねん出するため、自宅を売却する必要に迫られるケースが多くなっており、配偶者が住み慣れた家を追い出されることで問題になっていました。

  • 配偶者居住権
  • そこで新しい要綱案では、住んでいる家に限って所有権とは別に「配偶者居住権」という権利を新設。
    この権利を設定することによって、他の相続人が家の所有権を持っていても、配偶者は家に住み続けることが出来るようになる、というものです。

    この際、配偶者居住権は家の評価額よりも低くなるので、配偶者が法定相続分で相続しても、住んでいる家を失わない上に、現金・預貯金を相続できるケースが増えると見込まれています。

    配偶者居住権の評価額は住む年数などに応じて変わります。
    また、権利を行使するためには設定の登記が必要となります。
    相続登記と一緒に依頼するのが、自然な流れでしょうか。

    他にも、結婚後20年以上経った夫婦に限り、遺言による遺贈または生前贈与された居住用の家は遺産分割の対象から外せる規定も盛り込まれました。

  • 仮払い制度の新設
  • また相続開始後に預貯金が凍結され、葬儀費用などを相続人が立て替えなくてはならない問題を解決するために、遺産分割前に相続人が預貯金を引き出せるようにする仮払い制度も新設されました。

  • 被相続人の介護について
  • さらに、被相続人の介護などをした相続人以外の親族が、相続人に金銭を請求できる規定も盛り込まれています。
    これは、被相続人と同居していた長男夫婦の場合、長男の妻が被相続人を介護していたときなどが該当するでしょう。

    常々、問題になっていたことなので、画期的な改正と言えるでしょう。

    主だったものはこのくらいですが、まだいくつかあります。
    民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)

    法案は今月から始まる通常国会に提出される見通しで、早ければ今年度中には成立する可能性があります。今までの相続制度を大幅に変える規定が多く盛り込まれているため、国会の成り行きを注目していきたいと思います。

    相続登記について詳しく知りたい人はこちら
    遺産分割について詳しく知りたい人はこちら

    12月 25 2017

    空き家問題は、なぜ起こるのか(相続登記⑬)

    近年、日本では空き家のまま放置される家が増加していて問題になっています。
    空き家問題とは、放置された空き家を自治体等が処分しようと思っても、思うように処分できない状態になっていることをいいます。

    景観の悪化や、不審者の住み付き、崩壊による近隣住民への被害も聞いたことがあると思います。
    近くにこのような空き家があったら、何とかして欲しいと思いますよね。

    新聞やテレビニュースでも話題になっている空き家問題ですが、そもそもなぜ空き家問題が起こるのでしょうか。これについて考えてみましょう。

    特定できない持ち主

    普通に考えると、持ち主のところに行って話をつければ良いように思いませんか。
    空き家のまま放置されるような物件は、持っていても収益にはならないような物件ですから、持ち主にとっても処分することは、そんなに悪い話ではないはずです。
    収益にならない物件を持っていても、毎年の固定資産税を払うだけ無駄ですから。

    ではなぜ問題になっているかと言うと、それは持ち主が特定できないからなんです。

    持ち主が特定できないとは、どういうことでしょう。
    それは相続登記をしないまま長期間、放置した結果、相続人が膨大に増えてしまい、生死や居場所が不明な相続人が何人も現れるという事態に陥っているということなのです。

    物件を処分する為には、すべての所有者の同意を得なければなりません。
    これが10人、いえ、それ以上になっているような物件が、日本中のあちらこちらに存在しています。

    相続放棄を放置した例

    具体例で説明しましょう。
    最初の相続で子ども3人が法定相続人だったとしましょう。このとき、相続登記をしないまま、子ども3人が死亡したとすると、子ども3人の相続人に所有権が移ります。

    例えば、子ども3人それぞれに配偶者と子ども2人がいたとしたらどうなりますか?
    相続人はそれぞれ3人ですから、3人×3人で9人が相続人になります。
    この時点で、既に9人です。
    この後、同様にして増えていくわけです。
    もちろん、この間に亡くなる人もいますが、一方で結婚や出産で相続人が増えていくことも十分考えられますね。

    更に相続登記をせずに放置していた場合、そのうち、生死が不明な所有者や、居場所が不明な所有者が出てきてしまうのです。

    こうなってしまうと、空き家を売却して処分しようとしても、すべての所有者の同意を得るのは極めて難しい作業になります。従って、崩壊して危険になっているような空き家が増えていくという大変な事態になってしまうのです。

    売りたくても売れない

    政府も重い腰を上げて対策を取ろうとしています。相続登記を放置しないように、新しい仕組みを検討していると聞きます。
    ひょっとしたら、相続登記を放置した場合に何らかのペナルティーが課せられるような制度が出来るかもしれません。
    そのくらい、空き家問題は深刻なのです。

    不動産売買には、売買契約が必要です。契約書には売主の署名押印が必要です。登記を放っておいたがために売主が特定できなければ、売買契約書に署名押印できないですよね。

    さらに、売買には登記申請も必要です。
    登記を放っておいたら、現状、誰が所有者なのか不明、という状態になりかねません。
    その状態で、不動産を買う人はいませんよね。
    所有者全員が特定できないために、売りたくても売れないという物件になってしまうかもしれません。
    この記事を読んでくださった皆さんは、相続登記を長年放置したりしないようにしてください。

    >>>相続登記についてもう少し詳しく知りたい人はこちら<<<

    12月 01 2017

    法定相続分での相続登記4つのポイント(相続登記⑫)

    相続登記をする場合、圧倒的に多いのは遺産分割協議をしてから、協議書を添付して行う相続登記です。
    そして、次に多いのが遺言による相続登記です。

    もう1つ、相続登記にはパターンがあり、それが法定相続分による相続登記になります。これは件数としては他のパターンよりも少ないです。なぜ少ないのか、その理由についてご説明しましょう。

    法定相続分の相続登記4つのポイント

    法定相続分による相続登記には大きな特徴があります。
    それが、法定相続人のうち1人からでも申請することが出来るという点です。例え相続人の間で話がまとまっていなくても、そのうちの1人から申請することが可能なのです。(もちろん、法定相続人全員が申請人になって申請することも可能です。)

    一見、便利そうにみえる特徴ですが、件数が少ないのには、様々な理由があります。
    順番に紹介していきましょう。

    1. 共有者が多いため売りにくい
    2. 法定相続分の登記をすると、その不動産は法定相続人全員の共有になります。すると、不動産売却の際には、共有者全員の同意が必要になります(具体的には全員分の実印と印鑑証明が必要です)。
      もちろん全員が同意すれば売却は可能ですが、1人でも売却に消極的な共有者がいると売れなくなってしまいます。

    3. 相続人間でトラブルが起こる
    4. 法定相続人の一人から申請した場合、他の相続人が知らない間に相続登記が行われてしまうことになるので、そのことで相続人の間でトラブルが起こる場合があります。時には、他の相続人が遺産分割調停などを起こして、登記の変更を求めてくる可能性があります。
      (変更が認められるかどうかは、家裁の判断となります。「登記はそのまま」という判断になる可能性もあります。)

    5. 登録免許税は全員分を支払う
    6. 法定相続人の1人から申請した場合でも、相続登記にかかる登録免許税は全員分を支払う必要があります。誤解されることが多いのですが、1人から申請した場合でも、1人分の登記がされる訳ではありません。
      全員分の登記を1人で行えるということなのです。

    7. 登記識別情報が発行されない
    8. 一般の方が最も気づきにくいポイントしては、法定相続人の1人から申請した場合、申請しなかった他の相続人には登記識別情報(昔の権利証に当たるもの)が発行されません。これが次に売却するときに注意すべき点になります。

      売却の際には、全員分の登記識別情報が必要ですが、提出できない共有者がいる場合は、その人に関しては司法書士に本人確認情報を発行してもらう必要があります。その際に追加費用がかかります。(法定相続人全員で申請した場合は、全員に対して登記識別情報が発行されます)

    上記のように、法定相続分の相続登記には注意すべき点があります。
    ただし、法的には可能な登記なので(一人から申請する場合も含めて)、申請自体は問題ありません。もし希望される場合は、注意点に対して充分に納得して行うようにしましょう。

    >>>相続登記についてもう少し詳しく知りたいかたはこちら<<<

    11月 01 2017

    戸籍の郵送申請と定額小為替(相続登記⑪)

    相続登記の必要書類の中で最も手間がかかるのが、被相続人の出生から死亡までの戸籍であるということは、このブログでも何回かご説明してきました。

    出生から死亡までの戸籍について

    被相続人の戸籍を遡っていくと、転籍をしていることが良くあります。転籍に関しては、相続人も全て認識しているケースは稀で、取得して見たら気付いたというケースがほどんどです。

    転籍先が遠方である場合は(北海道や九州などというケースも珍しくありません)、戸籍取得の為に交通費を払う人はいませんので、通常は郵送申請になります。この郵送申請が結構やっかいなのです。

    まず、相続の特徴として、申請する段階では出生までの戸籍が何通あるか分かりません。仮に役所に電話しても、「申請して頂かないと通数は分かりません」と言われてしまいます。従って、申請書の書き方に工夫がいります。

    また、戸籍の郵送申請の場合、役所の手数料は定額小為替で支払わなくてはなりません。そのようにルールで決まっています。

    定額小為替について
    定額小為替とは、郵便局で発行してもらう少額の為替のことで、受け取った人が郵便局で換金できる仕組みです。

    定額小為替の種類は金額によって細かく分かれていますが、1枚あたり100円という結構高い手数料が取られます。小為替には50円という額面もありますが、50円の小為替でも手数料は100円なのです!
    組み合わせを工夫しないと、手数料が結構高くなってしまいますね。
    今後は、役所も支払い方法の電子化などに注力していただきたいと思います。
    予算は厳しいのでしょうが……。

    ここで先ほどの問題が再び起こります。請求する通数が事前に分からない為、定額小為替をいくら封入すれば良いかが決まりません。この場合、司法書士が行う方法は、多めの金額を封入しておいて余ったら、その分は小為替で返してもらいます。

    司法書士の場合は余った分を小為替で返してもらっても、次の仕事で使うことが出来ますが、一般の人の場合は、余分に作成した時の手数料が無駄になりますね。

    また、定額小為替には、「発行から6ヶ月以内に換金して下さい」と書かれています。これを真に受けて、返してもらった小為替の換金を忘れて6ヶ月を経過したら、あきらめて捨ててしまう人がたまにいます。実は、これは非常にもったいない行為なのです。

    実際には、発行から5年以内ならば郵便局は問題なく換金に応じてくれます。万が一、6ヶ月以上経過した定額小為替を持っていたら、覚えておきましょう。

    そして、戸籍を発行する役所の、定額小為替の扱いですが、先ほどの理屈でいくと、6ヶ月以上経過した定額小為替を封入して郵送申請しても大丈夫だと思われる方が多いと思います。
    しかし役所は通常6ヶ月以上経過した小為替は受け取りません。
    一部受け取る役所もあるそうですが、そのような柔軟な対応をしてくれる役所は少数派なので、あまり期待しないようにしましょう。

    相続登記についてもう少し詳しく知りたい方はこちら

    9月 06 2017

    出生から死亡までの戸籍(相続登記⑩)

    ピンとこない出生から死亡までの戸籍

    相続登記の必要書類の中で最も取得が大変なのが「出生から死亡までの戸籍」です。
    相続を経験されたことが無い方は、言葉を聞いてもピンとこないかもしれません。
    相続以外で「出生から死亡までの戸籍」を取得することは、まず無いからです。

    銀行でもよく聞かれるのが、「お客様に戸籍や除籍の取り寄せをお願いすると、間違っていることがよくある」とのことです。
    被相続人が死亡する直前に入っていた戸籍と相続人の現在戸籍の2通だけ持ってこられる方が多いそうです。

    専門家の立場からしても、「出生から死亡までの戸籍」について説明するのは非常に大変です。
    大半の人にとっては初めての経験なので、「戸籍の取得」と聞くと、普段、目にしている現在戸籍のことだと思ってしまうからです。

    さかのぼるのは大変な昔の戸籍

    戦後は「結婚」「引越による転籍」などで新しい戸籍に移ります。
    (近隣の引越の場合は移らないこともありますが。)
    また、戸籍法の改正があった場合も、新しい戸籍が作成されます。
    戸籍法の改正は戦後を通じて数回あります。
    そして新しい戸籍が作成されるたびに、その人の出生から死亡までの戸籍の数は増えていきます。
    複数の結婚や引越による転籍を経験している人は、戸籍の数もかなり多くなりますね。

    また戦前は、今とは全く違う「家督相続」によって戸籍が作られていますので、見慣れていないと、どこに何が書いてあるのかも分からない様式になっています。
    戦前は、筆頭者ではなく戸主を中心に戸籍が作られていて、結婚しても戸籍を離れません。
    一つの戸籍に何組もの家族が記載されることになり、ページ数も多くなっています。
    また、昔は今よりも養子に出されたり、養子を迎えたりすることも多く、関係性が複雑になっています。

    しかも、戸籍が機械化されたのは最近のことなので、少し古い戸籍になると手書きで書かれています。
    これがときに達筆すぎて大変に読みにくい場合があります。
    専門家は見慣れていますから何とか読み解くことが出来ますが、初めてだと相当に苦労するでしょう。

    甥姪(おいめい)の戸籍は特に注意

    日本は高齢化が進んでいますから、戦前生まれの方も、まだ多く生存しています。それらの方が亡くなった時、戦前までの戸籍を全て取得しなくてはいけません。私の経験では、平均して5~6通は取得していることが多いです。

    亡くなった方に子供がいなかった場合は、より取得する戸籍の数が多くなります。
    現在は、医療制度が発達していますから、高齢で亡くなる方が多くなりましたね。
    その場合、両親や兄弟姉妹も高齢ですから、既に亡くなっていることが多くなります。
    そうすると、亡くなった人に子供がいない場合は甥姪が相続人になりますね。
    実際そういうケースが増えています。当然、必要な戸籍も膨大になります。
    甥姪の数が20名以上になることもありますよ。
    そうすると戸籍の数も3ケタにまで増える可能性もあります。

    相続人が甥姪の場合

  • 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍
  • 父親の出生から死亡までの戸籍、母親の出生から死亡までの戸籍
  • 先に亡くなった兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍
  • が全て必要になります。
    揃えるには1か月以上かかることもあるでしょう。
    特に遠方の場合は、出向くことはなかなかできないでしょうから、郵送で請求することになります。

    このように「出生から死亡までの戸籍」を取得するのは、かなり大変な作業になります。少なくとも、普段目にしている現在戸籍(一番新しい戸籍)を取得するのとは訳が違う、と言うことは覚えておきたいですね。

    >>>相続手続は、自分で出来る?司法書士に依頼する? 気になる方はこちら
    <<<

    12月 08 2016

    死亡から何年経つと住民票の除票が取れなくなる? (相続登記⑨)

    相続登記の必要書類の中に住民票の除票または戸籍の附表があります。

    このうち住民票の除票については注意が必要です。
    住民票の除票は、作成されてから5年間しか役所が保存してくれません。
    つまり、死亡時に除票が作成された場合は、5年以上放置すると除票が取得できなくなります。

    他に同じ世帯で生きている人がいる場合は、住民票自体は除票にはなりませんので、5年以上経っても取得できます。
    ただし取得する時に、「死亡した家族の分も記載したものが欲しい」と請求する必要があります。
    何も言わないと、死亡した家族は記載されませんので注意しましょう。

    では世帯で最後に亡くなった場合で、5年以上放置してしまったら、どうすれば良いのでしょう。そういう場合の対処法が実はあります。
    しかし専門的な対処になりますので、そのようなケースでは専門家に相談に行かれるのが良いと思います。

    より詳しい情報をお知りになりたい方は以下をクリック

    https://www.hashiho.com/inherit/registration/

    Next »