司法書士ジャーナル<相続>
橋本司法書士事務所ブログ

8月 30th, 2016

8月 30 2016

受託者が亡くなったとき (家族信託(民事信託)⑨)

家族信託は、いろいろなケースがあります。
委託者が親で、受託者がその子、受益者が親というケースは割と一般的です。
年齢的にみれば、親→子の順に亡くなることが予想されますが、必ずしもそうなるとは限りませんよね。
子が先に亡くなることもあり得ます。
受託者である子が先に亡くなった場合、家族信託の契約はどうなるのでしょうか。

信託は終了する?

原則として、受託者が亡くなっても信託は終了しません。
また、受託者が亡くなったとき、受託者の地位は相続人に承継されません。
相続のように、自動的に相続人が相続するというわけではないのです。
となると、信託は終了していないのに、受託者になる人がいないという、宙ぶらりんな状態になってしまいます。
これを避けるために、新しい受託者が選任されるまでの間、一時的に受託者の相続人が信託財産を管理することになります。
委託者が親で、受託者がその子だった場合は、一時的に孫が管理するということになりますね。

二次受託者を決めておく

最初から、上記のような状態を避ける手段もあります。
信託を設定する際に、信託設定時の受託者が死亡したときに受託者となるべき者(二次受託者)を定めておくことです。
その定めがない場合には、どうなるのでしょうか。
原則として委託者と受益者の合意によって新受託者を選任します。
委託者と受益者が同一人物なら、その人物が新受託者を選任することになります。

尚、受託者がいない状態が1年間続いたときには信託は終了することになっています。
受託者が亡くなって、二次受託者の定めがない場合には、1年以内に新しい受託者を選ぶ必要があります。

あらかじめ、最初の信託契約において、二次受託者を決めておいたほうが良いようですね。

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