司法書士ジャーナル<相続>
橋本司法書士事務所ブログ

5月 10th, 2017

5月 10 2017

配偶者の短期居住権とは(相続法改正②)

配偶者の居住権の保護(住み慣れた家に住み続けるために)(相続法改正①)
で説明したとおり、被相続人が遺言で配偶者以外の者に、居住している不動産を遺贈した場合、現行の法律では、配偶者は無償で住み慣れた家に居住を続けることが出来ません。

この場合、配偶者は居住の権利を有していない為、不動産所有権を遺言で取得した者から明渡請求を受ける可能性があります。法律上、配偶者はこの明渡請求を拒否することは出来ません。

そこで改正が検討されているのは、被相続人の死亡から遺産分割の話し合いが成立するまでの間、配偶者の居住を保護する為の規定を設けることです。これを配偶者の短期居住権と呼んでいます。

しかし、それでは遺産分割の後はどうなるのか、と言う問題が残ります。それは、相続法改正①で取り上げた「長期居住権」という別の権利規定を設けることで解決しようと考えているのです。
長期居住権については別のブログで説明することにしましょう。