1月 12 2018
認知症対策としての実家売却信託 (家族信託(民事信託)25)
高齢の親の介護をするための費用はどのように出していますか?
いつかは施設に入所するかもしれないときの費用は、どのように出す予定ですか?
もともと、預貯金がたくさんある人は、預貯金から出せば済みます。
けれど、預貯金はあまりないという人もいますよね。
いずれは、親が暮らしている家を売却して、資金を確保する必要があるかもしれません。
ところが、いざ親が認知症になってしまったあとでは、成年後見人がついて、売却の時期や施設の選択が、思い通りにはならない可能性があります。
>>>家族信託と成年後見の仕組みの違い<<<
そんなときは、事前の家族信託契約が便利です。
認知症対策として家族信託は有効な解決方法となります。
その中でも最もメジャーで良く使われる方法が実家売却信託です。
実家売却信託とは?
高齢の母や一人暮らしです。長女がいますが、長女家族は長女夫の仕事の関係で母とは離れて暮らしています。
さてこのような状況のとき、実家売却信託をどのように結ぶのでしょうか。
母所有の不動産につき、母を委託者兼受益者、長女を受託者とする信託契約を締結して不動産の名義のみを長女に変更します。
売却後の代金についても信託契約により長女が管理できるようにしておきます。
これで、母が認知症になったとしても、長女の権限で実家の売却が可能になり、その代金で介護費用や施設入所費用に充てることも出来るようになります。
もし母に成年後見人が付いたとしても、信託契約の方が優先しますので、信託された財産部分に関しては(今回の場合は実家です)、成年後見人が口をはさむことは出来ません。
成年後見制度が非常に硬直した使い勝手の悪い制度なので、認知症対策としての家族信託は今後も増えていくでしょう。
家族信託はオーダーメイドなので、様々な認知症対策に応用できます。
将来の認知症のことで不安に思われた場合は検討してみましょう。
注意することは、認知症になった後では信託契約は出来ないということです。判断能力が残っているうちに契約を結ばなければいけません。













