2月
20
2018
生命保険を契約する際に、よほどの事情が無ければやってはいけない契約の仕方があります。今回は、その点についてご説明しましょう。
その契約の仕方とは、ずばり「契約者と被保険者を別人にすること」です。
具体的な事例で言うと、
例えば母を契約者、父を被保険者、子を受取人にして、父死亡の際に保険金がおりる契約をしたとしましょう。
この場合、父が死亡した時におりる保険金に贈与税がかかってしまうのです。何故なら生命保険は法的には、契約者から受取人への所得の移転と考えられているからです。
その点、契約者と被保険者が同一の場合は、所得の移転は贈与税ではなく相続税の対象とみなされますので、相続税の生命保険控除が利用できますし、仮に控除額を超えていても贈与税よりは低い税率ですみます。
ただし、契約者といっても名ばかりで、実際に保険料の負担をしていたのが契約者ではなかったりすると、後で税務署に指摘されることもあります。あくまで保険料の負担者がイコール契約者である場合に相続税の対象になるので注意しましょう。
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2月
16
2018
相続税の基礎控除を超えた財産がある場合、相続税の申告をする必要があります。
この申告には10か月という期限が設けられていて、期限内に申告しないと、非常に高い相続税を支払うことになる可能性がありますので注意が必要です。
なぜ申告期限を過ぎると高くなるかというと、相続税を安くするための特例が使えなくなってしまうからです。
相続税を安くするための特例はいくつかあります。
例えば、代表的な相続税の特例である小規模宅地の特例について考えてみましょう。小規模宅地の特例を適用した場合、宅地の相続税評価額(固定資産評価額ではありません)に対して、最大で80%の減額が出来るという非常にお得な制度です。
夫が亡くなって、妻と子ども2人が相続した場合を考えてみましょう。
相続財産は、自宅が1億・他の不動産が3億5,000万・預貯金が5,000万だったとします。
相続財産の合計は5億円ですね。
ここで自宅に対して小規模宅地の特例を使うと、1億の評価が約8,000万円減額されて2,000万円となります。
減額の効果はどうなるのでしょう。
小規模宅地の特例を使うと、相続税の計算のための相続財産は、自宅2,000万、他の不動産3億5,000万、預貯金が5,000万ですから、合計4億2,000万円です。
これで相続税を計算すると、だいたい5,000万円くらいの税額となります。
計算方法は省きますね。
一方、申告期限を過ぎて小規模宅地の特例を使えなかった場合、相続税の金額は約1億3,000万円ほどと一気に跳ね上がります。
その差、約8,000万円です。
これだけの違いがある訳ですから、相続税の申告期限は必ず守る必要があります。
くれぐれも注意しましょう。
申告期限10か月なら、余裕だと思っている人にも、意外な盲点があります。
それは、相続で揉めたときです。
遺産分割協議がうまくいかず、家庭裁判所に遺産分割調停を申立てたりすると、あっという間に申告期限を過ぎてしまいます。
ましてや、調停でもうまくいかなかった場合は、裁判です。もはや決着がつくのは何年後になるかわかりません。
申告期限の延長も考えられますが、必ず認められるわけではないようです。
申告期限後の3年以内の分割見込書というのもあるのですが、相続人の負担が大きくなるのは間違いありません。
できれば、生前対策を行って、揉める要素を失くしておきたいところですね。
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>>>相続税の基礎控除について知りたい人はこちら<<<
2月
07
2018
亡くなった家族の持ち物を調べていたら、消費者金融のカードが見つかったら、どうしますか?
あるいは、葬儀の後しばらくしたら、消費者金融やクレジット会社から借金返済の請求書が届いたとしらら、どうしますか?
他にも借金があるかもしれないと、すごく不安になりますよね。
このような相談は結構あります。
このままだと高額の借金を相続することになるかもしれない
とパニックになってしまう人もいて、残された家族にとっては深刻な問題です。
不安の1番大きな原因は、一体いくら借金があるのか分からないことです。
どうすれば、解決できるのかを事例をもとに見て行きましょう。
相続放棄するしか方法がない?
夫が死亡、相続人は妻と子ども3人です。
相続財産は夫名義の不動産のみで、妻が住んでいます。現金預金等の財産はほとんどありません。
この状況で、消費者金融2社から100万円相当の請求書が届きました。妻は夫が借金をしていたことも知りませんでした。
請求書が届いたことで、妻だけでなく、独立して生活していた子どもたちも、パニックに陥りました。
他にも借金があるのではないだろうか、あったとしたら、いくらなのだろうか、と。
不動産は借地に建物を建てたもので築年数も古いので、ほとんど価値が無いため、売却して支払うことも難しい状況です。
この状況で子どもの1人が、相続放棄を思いつきました。
借金の状況がわからない以上、この選択は間違っていません。
しかし、相続放棄をすると夫と2人暮らしだった妻が、夫の名義の不動産を失い出て行かなくてはならなくなる可能性があります。相続放棄はマイナスの財産を引き継がなくて良いかわりに、プラスの財産も引き継ぐことはできないからです。
困った妻は「夫の借金は自分が何とか払う」と言い出してしまいました。
相続財産がほとんどないことが、はっきりと分かっていれば、相続人全員で相続放棄をすれば問題は解決します。しかし、相続財産が少しでもあると一気に難しい問題となります。
信用情報機関への開示請求
そこで事務所としては、信用情報機関に開示請求をすることにしました。信用情報機関は代表的なところが3か所あります。それぞれに相続人の代理人という立場で司法書士から開示請求書を送り、他に借金が無いかを調べます。同時に、既に判明している2社に対しては、業者宛に取引履歴の開示請求を出して実際の借金額を計算しました。
信用情報開示請求をすることによって、最初の2社だけであることが確定しました。また、消費者金融2社の取引履歴が開示され、それを事務所で利息制限法に引き直し計算をしたことによって、何と700万円近い過払金が発生していることが判明しました。夫は長い間、借入と返済を続けていたのです。
マイナスの財産つまり借金は無いという結果になり、相続放棄の必要性は無いことが分かりました。過払い金も戻ってきます。家を失う心配も無くなりました。
このように相続財産が少しでもある状態で、故人の借金が発覚すると判断が非常に難しくなることがあります。相続放棄には3か月という期間制限もあるため、早く決断しないと手遅れになる危険もあるので、素早い対応が求められます。
上記の事例で、もし妻が借金を支払って終わらせていたら、本来あった700万円もの過払金は無かったものとして過ぎ去っていた可能性が高いです。
年金暮らしの妻にとっては、経済的に厳しい状況が続くことになったでしょう。
仮に相続放棄をしていたら、支払うものは無くなりますが、妻は住み慣れた家を出ていかなくてはなりませんでした。
借金が発覚=相続放棄がベストでない場合もあるのです。
少しでも疑問が起きたら、専門家に相談してみましょう。
相続放棄について詳しく知りたい人はこちら