司法書士ジャーナル<相続>
橋本司法書士事務所ブログ

2025年12月

12月 11 2025

父と母の数次相続の注意点 相続登記㊵

父と母の数次相続になるケースは相続登記では珍しくありません。例えば父名義の不動産があり、父が先に亡くなって相続登記を放置していたら、次に母が亡くなったというケースです。

この場合、1回の登記申請で処理することができる場合があります。ただし遺産分割協議書には注意が必要なので、この事例で説明しましょう。子どもはAとB二人とします。

Q まずAが不動産を全て相続する場合はどうなりますか?

A 注意すべきは、父が亡くなった時に存命だった母は既に亡くなっていることです。この場合、AとBは本人の立場と、母の相続人という立場の両方で遺産分割協議書に署名押印することになります。協議書にも、そのことが分かるような書き方をしなければなりません。

Q ではAとBが法定相続をする場合は、どうなりますか?

A この場合、法定相続なんだから遺産分割協議書は不要だろうと勘違いしがちです。しかし遺産分割協議書は必要になります。

Q なぜ法定相続なのに遺産分割協議書が必要なのでしょうか?

A 落ち着いて考えると分かるのですが、父の相続の時点では母が存命なので母も法定相続人になります。従って、AとB本人と、母の相続人の立場のAとBで、「母は除外してAとBに相続させる」という遺産分割協議書を作る必要があるのです。こうすることで1回の申請でAとBに相続させることができます。

このように数次相続の登記はかなり複雑で専門知識が必要になります。司法書士に依頼されるのが得策だと思います。

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