3月
18
2008
消費者金融には外資系で有名な業者が二つあります。
一つはGEコンシューマー・ファイナンス(もともとレイクと呼ばれてました。今でもこの呼び方は使われています)で親会社はGEと言うアメリカの会社、もう一つはCFJ(アイク・ディック・ユニマットなどが合併して出来ました)で親会社はシティバンクというアメリカの銀行です。
ご存知のとおり、外資系は利益にうるさいですから、日本の消費者金融がもうかっている間は積極的に出資していたのですが、金利のグレーゾーンが認められなくなってからは、もうからない業種と判断されるようになってきており、今ではいつ引き上げてもおかしくない状況です。
最近、CFJの親会社であるシティバンクが日本での銀行業務から撤退するという記事を読みました。この段階ではCFJに対する出資には変化が無いようですが、今後どうなるかは分りません。
一般の債務者にとっての問題は外資が引き上げた場合、その業者はどうなるかということでしょう。クレディアのように事実上の倒産という形になると、長く取引をしていたり完済していたりする債務者にとっては最悪のケースになります。過払金の返還が受けられなくなるからです。
この外資系の2社に関しては、今後どうなるかはまだ分りませんが、最悪のケースも考えて注意をしておく必要があるでしょう。
2月
28
2008
ホームページの各分野ごとに新しい事例を追加しました。
それぞれの分野(自己破産、個人再生、任意整理)のトップに掲げてありますので参考にして下さい。
尚、実際には一番依頼が多いのですが、過払金返還請求の事例は今回、追加しておりません。理由は最初から複数掲げてあったことと、過払請求の場合、戻ってきた金額に違いがあっても、それ以外は似たような事例が多いからです。(過払いで解決した場合は、依頼者に複雑な家庭の事情があったとしても、あまり影響を受けませんから)
2月
21
2008
皆さんは、収入の高い人は債務整理とは関係ないと思ってはいませんか。実は、そうでもないんです。今日は収入の高い人に特有の問題を取り上げてみましょう。
まず一つは、収入の高い人は借入額が非常に多くなるということです。500万円以上というケースも、めずらしくありません。これは貸金業者の限度額が高くなるからです。収入の高い人には業者も、たくさん貸そうとします。
次に、借入先に利率の低いところが多いという特徴があります。銀行系やリース系のローン会社や、比較的利率の低いクレジット会社がこれにあたります。利率が低いということは、任意整理を利用しても減額になりにくいということです。借りる時は有利ですが、債務整理になると一転して不利な要件になってしまいます。
三っ目は、収入の高い人は財産も多いということです。住宅ローンを抱えている場合も多いので、個人再生の比率が高くなります。運よく過払いになっていれば、任意整理で処理できる場合もありますが、二番目の特徴で指摘したように借入先の利率が低い場合は個人再生を考えた方が良いでしょう。
以上のように、収入が高い人が多重債務になると、低い人とは違った難しい問題が発生します。収入が低くて財産も無くて破産しか選択肢が無いという人の場合は、本人の覚悟さえ出来ていれば、後の処理は意外とスムーズに済んだりします。
収入の高い人は、苦しくなっても業者が貸してくれるので、相談が遅れる傾向があります。相談に来た時は、より深刻になっています。
一人で悩んでいる人は、一度、相談に行くことを、おすすめします。
2月
07
2008
以前に比べて紹介で相談に来られる方が多くなっています。この変化について、私なりに考えてみました。
4~5年前には紹介で来られる方は非常に少ないものでした。この頃は、債務整理に対する偏見のようなものが、まだ世の中に強くあったように思います。依頼して助かった方も「自分が助かったことを容易に他人に話せる雰囲気では無かった」と言えるでしょう。昔の紹介と言えば、家族か親戚といった身内がほとんどでした。
その後、多重債務の被害や違法利息のことなどがマスコミでさかんに報道されるようになり、ついには政府が動き出して対策に取り組むようになりました。
これで状況は一変します。債務者が堂々と声を出すようになったのです。「違法な取立てを止めろ」、「払いすぎた利息を返せ」、などが、あたりまえのようになってきました。世の中の雰囲気が変化してきたのです。
今や、多重債務者は情報収集に熱心です。多重債務者同士での情報交換も、さかんに行われているようです。事務所に紹介が増えてきたのも、この流れが原因でしょう。
ただ、あまりにも情報が増えすぎると、今度は選択が難しくなったりします。中には信用できない情報も混じる可能性があります。今後は相談者の方で情報を見極めることが必要になってくるでしょう。このホームページが「情報の見極め」に少しでも役立てば、と思っています。
2月
04
2008
最近、相談の段階で給料の差押えが、されているという依頼が、いくつかありました。そこで本日は、給料の差押えについて注意点を書こうと思います。
まず、差押えがされた後で相談に来られた場合、何か方法があるのかという質問が多いですが、率直に言って任意整理だと方法がありません。
自己破産や個人再生の場合は方法があります。裁判所に申立をした後、「強制執行中止命令」というものを裁判官が出してくれれば、差押えは止まります。あるいは開始決定が出てしまえば裁判官に中止命令を出してもらわなくても、中止させることが出来ます。
ただ、中止されたから、即、給料が元通りに受け取れるかと言うと、そうではありません。会社は差し押さえられた分を破産や再生が完全に終了するまでプールしておくことになります。
このように差押えは、かなりの不利益を債務者にもたらしますから、むしろ差押えられないことを心がけることが大切です。では、何に注意すればよいのでしょうか。
まず、差押えは一部の例外を除いて、いきなり行われることは無いということです。一部の例外には公正証書を取られているとか、特定調停で決まった返済計画であるとかがあります。これらの場合は、いきなり差押えられる可能性がありますから、遅れないように返済するしか気をつけようがありません。
しかし、ほとんどの差押えは、事前に兆候があります。代表的な兆候は、訴訟を起こされることと、支払督促を申し立てられることです。
いずれの場合も、自宅に裁判所から書面が届きます。しかも郵便は特別送達という裁判以外ではめったに使わない配達方法です。何か特別な物が送られてきたと嫌でも意識するでしょう。しかし、差押えをされてしまう人達は、これを無視してしまうのです。
裁判では、何も反論しなかった人は、相手の言い分を100%認めたことになります。訴訟では負け判決が出て、支払督促では仮執行宣言が出されてしまいます。
こういうものが出てしまうと、もう差押えを防ぐのは難しくなります。だから、差押えを防ぐ一番の方法は、訴状や支払督促のような書面が裁判所から送られてきたら、まずは専門家に相談に行くことです。決して無視してはいけません。
差出人が裁判所で特別送達で送られてきたら、それは架空請求ではありません。仮に架空請求だったとしても、無視したら架空では無くなってしまいます。
くれぐれも裁判所から送られてきた書面には注意しましょう。
1月
30
2008
最近、特定調停が注目を浴びているようです。
近頃は裁判所に行っても明らかに素人と思われる人が多くなったように感じます。インターネットや本などで情報を入手しやすくなったのが原因でしょう。自分で何とかしようという人が増えているようです。
特定調停は、よく出来た制度で、費用が安いことや裁判所が間に入ることで強制力が得られるなど、評価できる点は多くあります。市販の特定調停をすすめている本は、このメリットを強調しています。
しかし同時にマイナス面もありますので、その点も充分に分った上で選択しないと後で後悔することになってしまいます。
では特定調停のマイナス面とは何でしょうか。以下に説明しましょう。
第一に、業者に債務名義を取られてしまうということが挙げられます。「債務名義」とは「裁判をしなくても強制執行が出来る権利を保証してくれる書面」と言えば分りやすいでしょうか。特定調停の後、支払いが滞った場合は非常に危険な状態になることを理解しておく必要があります。
第二に、手続中は過払金が回収出来ないという点です。これを「手続が終わった後で回収できるから問題ない」という人がいますが、はたしてそうでしょうか。手続中に回収できないということは、過払金を使って残った債務を払うことが出来ないことになります。これは大きなマイナスだと思います。特定調停では残った債務は分割払いにするより仕方がありません。
以上が、おおまかな注意すべき点です。よく理解した上で納得して利用する分には、良い部分もありますから、助けになることも多いでしょう。
ただし、あまり調停委員任せにしないことです。自分でも、ある程度は勉強して行かないと、不利なことをされていても気付かない可能性があります。本人でやる手続ですから、何事も自己責任になります。その点は自覚を持ってやりましょう。
1月
22
2008
今年に入って、株式市場が大暴落しています。アメリカのサブプライムローン問題に始まって、どうも世界中が不景気になり始めているようです。特に日本の株価の暴落はひどいとニュースでは伝えています。
最近は、引退した高齢者が、あまりの金融機関の預金利率の低さに嫌気して、虎の子の個人財産を投資信託に大量に預けています。昨年の銀行の投資信託での利益は莫大なものだったそうです。
しかし、株価が暴落しているということは、株を組み入れて販売している投資信託も当然、下がっていることになります。財産が目減りしてしまった人の中には住宅ローンが、まだ払い終わっていない人もいるでしょう。これらの人が新たな多重債務の火種にならないとも限りません。
これだけ下がると株で大ケガした人も多いでしょう。中には借金して株を購入していた人もいると思います。こうなると、まさに事態は深刻です。
新年早々、暗い話題で申し訳ありませんが、多重債務を減らす為には、経済がしっかりすることが大前提だと思いますので、株の動向にも注意を向けてしまうのです。
1月
07
2008
新年、明けまして、おめでとうございます。今年も、よろしくお願いします。
さて、私は一足早く1月4日から営業しておりましたが、めずらしく貸金業者から電話がかかってきません。いつもならば、昼間前後は業者からの電話が、あちこちからかかってきて仕事にならなかったりするのですが、1月4日はさっぱりでした。
そうこうしてるうち、こちらから用事で業者に電話をかけると、ほとんどの業者が「新年は1月7日からの営業です。」のアナウンスが流れてきます。「あらあら、銀行は1月4日から開いてるのに、金融機関でもクレジットや消費者金融は大名商売だなぁ」とつくづく思ってしまいました。おかげで仕事がはかどったことは言うまでもありません。
一転して、1月7日は電話の嵐でした。4日とは逆に、全く仕事になりません。4日に集中して、かたづけといて良かったと、内心、胸をなでおろしました。
今年も多重債務問題に関しては激動の1年になりそうです。新しい法律や制度が次々と動き出しています。常に情報に対するアンテナを高くしておかないと取り残されてしまうかもしれません。
きちんとした仕事をする為にも、新たな情報には敏感でいたいと思います。
12月
27
2007
いよいよ今年も終わりに近づいてきました。この一年を振り返ってみたいと思います。
何と言っても大きな出来事は昨年の年末に改正貸金業法が公布されて、今年の初めから部分的に施行されたことでしょう。(改正貸金業法は5段階に分けて施行されることになっています。今年1年で施行されたのは3段階までで、利率の引下げは施行されていません)
この影響で主要な貸金業者は法律施行の前から利率を下げてきていました。利率引き下げについていけなかった業者の中から破綻するところが出てきました。最も話題をさらったのが、東証一部上場の消費者金融クレディアでしょう。今年下半期の話題はクレディア倒産につきると言っても過言ではありません。
改正貸金業法の影響もあって、マスコミでもグレーゾーン金利のことが連日報道された結果、一般の人にも「払いすぎの利息」のことが広く知られるようになってきました。これにより、今年に入って急激に増加してきたのが過払金の返還請求です。
今や5年以上取引があれば、自分は過払いではないかと考える人は決してめずらしくありません。今まで一部の人だけが専門家に相談に来て発覚していた過払金が、一斉に多勢の人が請求し始めたのです。(クレディアの破綻も結局、これが原因です)
過払金を沢山の人が自覚して返還請求できるようになったことは歓迎すべきことです。しかし、一方で問題も起こり始めていました。中小業者で過払金が払えないところが出てきたのです。支払いは半年遅れになるとか、支払いが1年以上の分割払いになるとか、そもそも会社に金が無いので払えないと開きなおるところもあります。
このような状況のなかで、貸金業協会に加盟する業者の中で総量規制が始まります。これは利率引き下げと同じように、法律施行前に主要な業者の間で先に規制を始めてしまおうという試みです。
すでに大手の業者では貸し渋りが始まっていますが、より法律に近い形で、審査の際に源泉徴収票や給与明細を確認して、一定額以上は貸し出しをしないという制度にするのです。より厳しい引き締めが行われるはずなので、かなりの影響が予想されます。
今年の大きな変化を書いてみましが、これほど変化の激しかった年は今までに無かったと思います。改正貸金業法は、まだ一部の施行に留まっており、完全に施行されるのはまだ先になります。来年以降も変化の激しい年になるでしょう。そういった情報を、いち早く、このジャーナルで伝えていきたいと思っています。
12月
18
2007
太平洋信販が、ついに廃業が決まったそうです。
この会社の正式名称はタイホウホールディングスと言い、パチンコや遊技場などを多角経営する名古屋が本拠地の大きな企業です。本体のタイホウホールディングスは営業を続ける訳ですが、その中で貸金業を担当していた太平洋信販が無くなるようです。(ちなみに本体は存続しますので、過払金は取り戻せるのではないかと思われます。しかし、確実ではないので、しばらく様子を見る必要はありそうです。)
クレディアから始まった貸金業の倒産・廃業が、ついに名古屋まで波及してきたか、という感じです。今度は、どこになるのか、危ないのは三和ファイナンス・アエル・ユアーズあたりと言われていますが、今後は貸金業の同行に目が離せなくなりそうです。