司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

5月 13th, 2011

5月 13 2011

債務整理の多い職種

 きちんと統計をとった訳ではありませんが、債務整理の依頼を受けていて比較的、多いなと思える職種があります。例えば、建築・土木業、運送業(トラックの運転手さん)、保険業(いわゆる保険のセールスレディ)などです。

これらの職種の人に共通しているのが、結構、収入が高く支払い能力がある為、すぐに行き詰まる人は少なくて長年、取引している人が多いことです。

また、会社に知られることが嫌な為に、遅れずに真面目に支払っているケースが多いのも特徴です。(中小の運送業者さんの場合は、社長さんが自ら従業員の為にネットを検索して、債務を抱えた従業員を引き連れて事務所に来るというパターンも見られます。)

上記のようなケースは恵まれた人で、大半の人は孤独に悩まれている場合が多いのですが、実は真面目に長期間支払っている方が多いので、多額の過払いが発生していることが珍しくありません。ところが、なまじ収入が、そこそこ高いので支払いが出来てしまっていて、過払いに気付かずにいる人も多勢います。(あるいは過払いかもしれないけど、どうせ大した金額じゃないと勝手に判断してしまい、相談に行きそびれてしまうケースも多いようです。)

最近、武富士や丸和商事など消費者金融の倒産が相次いでいるので、もう過払いなど残っていないだろうと考えている人もいるようですが、意外なことに統計を調べると、完済している人も含めた場合、全過払債権者のうち半分程度しか請求していないそうです。(もっと少ないという統計もあります)

まあ、その程度しか請求していなくても、これだけ倒産する業者が出る訳ですから、ある意味、今までいかに貸金業者の利益が巨大であったかが分かるとも言えます。

 いずれにしても、まだまだ請求されていない過払金は、かなりの金額が存在する訳です。後で気付いた時には業者が倒産してしまったということにならないようにしたいものです。