司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2012年3月

3月 30 2012

プロミス 会社名変更

主要消費者金融のプロミスが会社名を変更するとの報道が読売新聞に掲載されていました。

プロミスが三井住友銀行グループであることは良く知られた事実ですが、この度、より結束を強める為に三井住友グループの100%子会社になることが決定し、その為の社名変更だそうです。(実際の社名変更は夏頃に実施予定とのこと)

ただし、50年近い歴史を持つ知名度の高いブランド名なので、店舗の看板などでは、そのままプロミスの名前で使い続けることになったようです。

この決定により、二つの大きな影響が出ます。以下、説明しましょう。

一つは、これで過払金請求を考えている人は、プロミスの倒産リスクを事実上、心配しなくてもよくなったということです。これは消費者側にとってはメリットと言えるでしょう。

二つ目は、銀行グループになることで、消費者金融に課せられた総量規制(年収の3分の1までしか融資できない)をクリアーして融資することが可能になるかもしれないことです。三井住友銀行も明らかに、これを狙って子会社にしたのではないかと思われます。

この点は総量規制が始まって貸し渋りが強まったと考えている人にはメリットだと思うでしょう。

一方、再び多重債務の危険性が高まると考える人にとってはデメリットと思うかもしれません。個人的には、金利規制は必要だと考えていますが(ほとんどの自由主義国家においても金利規制はあります)、総量規制は自由主義国家においては、やり過ぎだと考えています(まるで社会主義のように私には思えます)ので、特にデメリットだとは思っていません。

新しい社名は「SMBCファイナンス」だそうです。SMBCは三井住友銀行のことですから、まさに銀行の消費者金融部門という位置づけになるのでしょう。

銀行の一部になったことで、より態度が大きくなる可能性もありますので、今後の対応にも注意する必要がありそうです。

 

3月 19 2012

ヴァラモスの対応

ヴァラモス(旧トライト)の対応に変化があったようです。

ヴァラモスは以前は、判決を取っても支払わず、和解条件は10%や5%などの到底、和解できない非常に、やっかいな業者でした。

ところが以前に、和解を徹底して拒否した後、判決を取得した後で電話がかかってきて、やはり同じ和解条件しか言わないので、「それなら強制執行の準備をします」と言って電話を切ったら、何とそれから1週間も経たないうちに直接、本人の元に郵便為替で判決金額満額を郵送してきたという経緯がありました。(依頼人がとても喜んだのは言うまでもありません)

いずれにしても、判決を取っても積極的には支払わない業者であることには変わりは無く、どうせ払うつもりが無いので判決も放っておくというのがヴァラモスの方針だったと思います。

しかし、どうやらこの方針が変わったようなのです。(ヴァラモスがネオライングループから見放されたのが原因ではないかと思われます)

具体的には、判決を取得した後、和解の電話が一切かからずに、いきなり控訴してきました。いくらなんでも和解の打診くらいは普通、控訴の前にはあるものです。非常に驚きました。

それにしても、どう考えてもヴァラモスに勝ち目のある控訴とは思えない内容なのです。時間かせぎくらいしか意味の無い行為だと思っています。それにしても、どうせ支払わないなら、控訴など費用の無駄のような気がします。

唯一、考えられる嫌なシナリオは、倒産のための時間稼ぎです。倒産前に強制執行されるのが嫌なのかなと想像しています。

できれば上記のシナリオは外れて欲しいと祈っていますが、果たして、どうでしょうか。

3月 14 2012

ブラックリスト(事故情報)の説明責任

最近、相談にきた方に、「まだ残債のあるクレジットの取引で、記憶では10年くらい取引していると思うんだけど過払請求をしてもらえないか」という依頼がありました。

私は、この人に「まだ残債が残っている以上、可能性は高いですけど必ず過払いになっているとは限りません。そもそも取引期間の記憶が違っているかもしれませんし、カードは持っていてもショッピングだけでキャッシングは使っていなかった期間があるかもしれません。もし、過払いにならなかったらブラックリスト(事故情報)に登録されてしまいますけど、それでも、よろしいですか。」と尋ねたところ、この人は、「ブラックリストって何ですか」と聞き返してきました。

かなりポピュラーになってきたなと思っている債務整理の専門用語ですが、今でも知らない人は結構いるものです。やはり法律専門家は、このような相談者の利害にかかわるような情報は、きっちり提供しなくてはいけません。

ブラックリストについて詳しく説明すると、この人はびっくりして、「テレビのコマーシャルとか見ていたら、もっと簡単に出来るのかと思ってました。」と答えたのです。

他にも、このような人は、きっと沢山いると思います。テレビコマーシャルや地下鉄の吊り広告では、いかにも何のリスクも無く過払請求が出来るように勘違いしてしまう人がいるということが良く分かった瞬間でした。

結果的に、この人は一度、持ち帰って検討することになりました。今までリスクがあることを知らなかった訳ですから、ある意味、当然でしょう。

コマーシャルなどを流している事務所は、他の広告媒体とは比べ物にならないくらい大量に人の目にふれる訳ですから、その分、他の広告よりも責任も重くなると考えるべきでしょう。

ノーリスクで過払請求が出来るような誤解を生むような表現は、出来れば改善して欲しいものです。(ちなみに完済して債務が無い状態で過払請求をする場合は、ブラックリストには載りません。この場合はノーリスクと言えます。)

 

3月 07 2012

クレジットの請求

クレジットカードの請求には大きく分けて2種類あります。キャッシングとショッピングの2種類です。

キャッシングは文字通り借入金なので任意整理や過払金の対象になります。しかし、ショッピングは代金の後払いなので借入金ではなく、任意整理や過払金の対象にはなりません。

例えばショッピングの場合は利息とは呼ばずに手数料と言います。翌月一括払いの場合は、その手数料もかからないのが普通です。(キャッシングは翌月一括払いでも当然、利息は取られます)

ショッピングの残高が払えなくなったという相談の中には実は借金の相談ではないものが含まれています。代表的なものが悪徳商法の代金をクレジットで払ってしまったというものです。

これは本来、悪徳商法被害ということで、クレジット会社への請求ストップや、時には既に引き落とされてしまった既払金の返還などで対応しなくてはなりません。

しかし、これらの相談が債務整理の事務所に持ち込まれた時、かなりの割合で借金の整理として処理されているのではないかと思います。(任意整理や過払金は無理なので、多くの場合、破産や再生になるのでしょう)

もし、このようなケースに当てはまる可能性があると思われる人が相談を考えている場合は、悪徳商法被害も業務として取り扱っているかを確認してからの方が良いでしょう。

 

3月 02 2012

会社更生後の武富士

武富士の会社更生は認可決定されてしまいました。では、その後の武富士はどうなっているのでしょうか。興味深い情報があります。

3月1日付で、武富士の消費者金融部門はロプロに吸収されたらしいのです。

ロプロと言えば、旧日栄のことで、ひと昔前にテレビや新聞で「目ん玉売れ、腎臓売れ」という言葉で世間を騒がせた、あの悪名高い商工ローン業者です。ご記憶の方もいらっしゃるでしょう。

今まで武富士と取引があって、過払いになっていなかった人は、何と今後はロプロから請求を受ける可能性がある訳です。何とも恐ろしいことです。(旧日栄は、かなり社会的に糾弾されましたので、さすがに昔のようなことはないと思いますが、それでも武富士と取引をしていた人達にとっては気持ちが悪いですね)

最近の貸金業界は本当に何が起こるか分かりません。情報には敏感になっておく必要がありますね。