9月
25
2012
私の通った大学は東京、吉祥寺にある成蹊大学です。吉祥寺は、かなりの繁華街なので、そんなところに大学があるのかと思われるかもしれませんが、もちろん街中ではなく郊外にキャンパスがあります。と言っても、15分も歩けば吉祥寺の駅に着く程度の距離です。
簡単に大学の紹介をしておくと、結構、キャンパスは広くてきれいです。東京の大学キャンパスは土地が高いせいもあってか、せまいところが多いですが(特に私立大学は)、成蹊大学はかなり広いですね。ケヤキ並木が有名で「新東京百景」に選ばれています。
三菱グループがバックアップして創立されたという背景があるので、大学の知名度の割には就職が良いとの評判があります。もっとも、私は、サラリーマンはなりませんでしたので、そのメリットは享受できていませんが。たまに友人に会うと結構、出世していたりするので、「オレもサラリーマンになっときゃ良かったかな」と、ちらと思うことがありますが、すぐに、「やっぱり、オレがサラリーマンになったら上司とそりが合わなくて、出世はしていないだろうな」と思い直します。
卒業生で有名人と言うと、元首相の安倍晋三(もう一度、首相になるかもしれませんので応援してます)、元日弁連会長の梶谷剛。アナウンサーの高島彩、作家の石田衣良・桐野夏生、俳優の中井貴一・鶴見辰吾などでしょうか。
ちなみにテレビに出てくるような有名人ではありませんが、実業界には滅法強く、現社長が卒業生である企業は、アサヒ飲料、富士重工、中部電力、西部鉄道、紀伊国屋書店、森永乳業、集英社、小学館、堀プロ、敷島製パン、エイデンなどがあります。
さて、私が学生生活をおくったのは1980年代初めです。当時はもう70年代に荒れ狂った学生運動は消滅していました。他の大学の友人にも聞いているし、実際に他の大学のキャンパスにも、いくつか足を運んだことがありますので、私の大学に限ったことではないと思います。キャンパス内でヘルメットをかぶったデモなどに、お目にかかることはありませんでした。
東京で一人暮らしを始めた私は、まず下宿を探しました。見つけたのは2階建て6畳の木造アパートです(6部屋ありました)。小さいですが風呂はついてました。もちろんエアコンなどはありません。当時は、4畳半で風呂なしというアパートも結構あり、これでも「ぜいたくだ」と非難されることがありました。友達が風呂に入りに押しかけてきたことも何度かあります。今では考えられないですね。
訳あって、社会人になった後も学生と接する機会が多かった私は(理由は、おいおい説明していきます)、もはや風呂なしアパートというのは学生の下宿では、かなりの少数派になっていること知りました。おかげで銭湯が廃業していると聞きます。最近ではエアコンも付いているのが当たり前だそうです。いやあ時代は変わったものです。
下宿の場所は、井の頭公園の裏手になります。井の頭公園と言えば、頻繁にテレビドラマの舞台になっていることで知られています。テレビの画面で池のある風景を見覚えがある人も多いでしょう。(井の頭公園とは、吉祥寺の街の裏手にある東京都内でも有名な公園のことです。吉祥寺のシンボルのような存在になっています。夏はカップルが滅茶苦茶に多いので目のやり場に困ります。)
学生時代は、「アパートの窓から井の頭公園が見えますよ」と言うと、「え、あのテレビによく出てくる場所ですか」と言って、驚かれたものです。実際、風景のきれいな場所なので、よく散歩しました。井の頭公園周辺には割と芸能人が多く住んでいるので、たまに会うこともあります。
今と違って学生の下宿にはエアコンが無いのが当たり前の時代ですから、真夏や真冬は、とても快適とは言えませんが、その分、歩いて行ける範囲に吉祥寺の街や井の頭公園があったのは、周りの環境は快適だったと言えるでしょう。
9月
24
2012
過払金返還請求のページの上部に「最近の業者の状況」というアイコンがあるのを、ご存知でしょうか。各業者別に当事務所の経験に基づいて過払金返還請求をした場合の一般的な対応を書いています。
しかし最近では、各業者の経営状態も頻繁に変化し、それに伴って過払金の支払態度も変わっていきますので、ある程度の期間で、このページは更新する必要があります。
これをふまえて、このページの冒頭に更新日付を記載しています。いつ頃に更新したのかを閲覧する人が分かりやすくする為です。
本日、「最近の業者の状況」は更新されましたので、報告いたします。
このホームページを訪れた人の参考になれば幸いです。
9月
20
2012
住宅金融支援機構という組織があります。住宅金融公庫という昔の名前の方がなじみのある人も多いかもしれません。住宅ローンを組んでいる人のうち、かなりの割合でここのローンを利用しています。日本では最も有名な住宅ローンを提供する組織と言ってよいでしょう。
住宅ローン特則付個人再生を検討している人も、多くは住宅金融支援機構のローンを組んでいます。私が依頼を受けた経験で言うと8割から9割の人が当てはまるのではないでしょうか。
個人再生を検討している人は当然、住宅ローン以外にも多額の借金がある人ですから、少しでも返済額を減らしたいという要求があります。特に個人再生の場合、裁判所で支払可能性についての審査がありますので、収入に対する住宅ローンの割合が多すぎる場合、審査で引っかかる可能性が出てきます。
こういう場合に役に立つのが住宅金融支援機構のりスケジュールの制度です。簡単に言うと、支払いが苦しくなった人に向けて返済計画を変更する制度のことです。略してリスケと呼ぶこともあります。
これには、一定期間(3年のことが多い)支払額を減らしてくれる変更が含まれていますので、個人再生との相性がいいのです。個人再生は、3年間で他の借金を減額して返済する計画になっていますから、3年間、住宅ローンの返済額を減らしてくれたら、3年後には他の借金は無くなっている訳ですから、ちょうど良いのです。
実は、この制度は普通の民間銀行の場合、なかなか取り扱っていないのが実情です。民間銀行の場合、苦しいから返済計画を変更してくれと言いに行くと、なんと、「じゃあ、自宅を売却して返済して下さい」とか平気で言ってきます。血も涙も無いとはまさにこのことでしょう。(こんな調子だから民間銀行は嫌われるのでしょう。よく官から民へと言われますが、すべてに当てはまることではないという、いい例です)
私は、この制度がある為に、多少、金利が高かったとしても、住宅ローンは住宅金融支援機構を利用すべきだと考えています。今の時代、先行きがどうなるかは誰にも分かりません。いざという時に返済計画の変更に応じてくれない民間銀行は非常にリスクが高いと言えます。
同じ理由で、頭金が少ない為に、複数の住宅ローンを組む場合には、住宅金融支援機構から限度額一杯まで借りてから、残りを民間銀行にするのが良いでしょう。
より詳しい情報を知りたい方は以下をクリック
↓
http://www.hashiho.com/debt/kojinsaisei/
9月
19
2012
さて、このブログでは今まで自分のことについて話をしたことが、ほとんど無かったのですが、「私とは、どんな奴なのか」というのは相談する人から見ても関心のあることだと思いますので、これから少しずつ、話をする機会を増やしていこうと考えています。では、まず高校時代から、いきましょう。
私は地元の私立東海高等学校の出身です。中高一貫の6年間の学校ですが、高校からも募集していますので、高校から入学してくる生徒もいます。私は、中学からの進級組です。一応、地元では進学校として知られていますが、なかに入って6年過ごした感想としては、「とても進学校とは思えないな」という印象です。
一般的な進学校のイメージというのは、先生は、いつも勉強のことだけでを要求して、生徒は全部お互いが競争相手でギスギスしていて、補修がやたらと多く組まれていて遊ぶ時間も無い学園生活というものでしょうか。
しかし、私が経験した高校生活は、上記とは真逆のものでした。そもそも、本当に上記のようなイメージどおりの進学校はあるんでしょうかね。何だかマスコミが勝手に広めた幻想のような気がするんですが。
私の通った東海高校の現実は、先生はいい加減で、しょっちゅう授業が脱線して決められた範囲まで終わらないことがよくあり、生徒は先生をからかうことが良くあり授業中に爆笑が起こることも珍しくなく、部活や遊びも結構、熱心で、文化祭や体育祭などかなり盛り上がり、生徒間の仲間意識も強く(卒業してからも続いています)、そして何より、「勉強は自分でやるものだ」という意識が先生にも生徒にも強く、無理やり試験や補習をやらされたという記憶が、ほとんどありません。
こういうと、「お前は成績が良かったからだろう」と誤解する人がいるかもしれませんが、私の高校時代の成績は決して良くありませんでした。中学時代は上位だった時期もありますが、良く言われる6年間の中だるみというやつで、高校時代は遊びの方に熱心で成績は下がり気味でした。
普通は大学に入ってから覚えるような遊びを、高校時代に一通りやっていました。麻雀やビリヤードなど通いつめたこともあります。試験期間中にボーリングや映画に行ったこともありました。これでは、成績が良くなるはずがありませんね。
しかし、こんな状態でも、学校から勉強を強制された覚えはありません。ある意味、不親切で放任主義という見方もあるでしょう。でも暗い学校生活では無かったことは断言できます。私は、東海高校の放任主義で自由な校風をとても気に入っていて同時に感謝もしています。生徒の方から、「どうしたら良いか」と訪ねてきたら助け舟はだしてやる、そうでない限り放っておくというのが基本的なスタンスだったと思います。
ある時、先生がこんなことを言っていたのが、とても印象に残っています。
「東海が、補習や試験をもっと増やして、学校が生徒にもっと強制したら、おそらく進学実績はもっとよくなるだろう。でも生徒の自主性という大切なものが失われてしまう。」と。
良くも悪くも私は、こういうスタンスの学校に6年間も通ったおかげで、割と自由な物の考え方をするように育ったように思います。サラリーマンや公務員ではなく、独立開業の司法書士という仕事を現在やっているのも、少なからず高校時代の影響があるのではないかと感じています。
9月
12
2012
会社破産をするには取締役全員の同意が必要となります。会社には様々な手続がありますが、通常は取締役の過半数とか株主総会の過半数とかで決定することが多いです。全員の同意が必要というのは、かなり珍しいケースで、それだけ重要な決定ということでしょう。(まあ、会社を廃業するのと同じことですから、これ以上、重要な決定は無いとも言えますが)
ちなみに重要な決定ですが、株主総会の決議は必要とされていません。ようは株主には知らされずに破産の準備は行われることになります。前のブログにも書きましたが、会社破産は迅速さが求められます。同時に出来る限り秘密に進めていく必要もあります。この迅速と秘密を考えた場合、株主総会などやっていたら、とても破産など出来ません。株主は取締役と違って、会社によっては膨大な数がいますので、召集するのにも時間がかかりますし、召集の過程で多くの人間に知られることになりますから。
そして、何より、これから破産する会社の株を持っている人はいませんので、投売りが始まってパニックになってしまうでしょう。
従って、株主から見ると理不尽のように見えますが、株主には何も知らされずに会社破産は準備されるのです。
一つ疑問なのは、取締役の中に株主がいた場合は、その人は当然、知っていることになります。この人は合理的な行動としては、即刻、全株式を売るでしょうが、これは果たして許されるんでしょうか。何だかインサイダー取引になるような気がするんですが、どうなんでしょう。
現在の会社法では取締役会を設置する会社と設置しない会社の両方が存在します。設置する会社の場合は、単純に取締役会を開いて全会一致で決めれば良いのですが、設置しない会社の場合は、取締役全員の同意書が必要になります。これは、持ち回りでも構わないので、全員から同意した旨の書面をもらっておくのです。
現実には、突然、切り出された場合、紛糾して収拾がつかなくなる可能性が高いので、事前に根回しをしておくことが必要でしょう。一人でも反対したら破産は出来ない訳ですから、きちんと説得した上で必ず同意してもらう状態でのぞむことが重要です。
9月
11
2012
株式会社ギルドは変化の激しい消費者金融業界においても、かなり目まぐるしく変化した業者の一つでしょう。ここで、その変遷を整理してみます。
もともとは、ハッピークレジット株式会社、株式会社信和(スマイル)、山陽信販株式会社の3社が合併したのが始まりです。それぞれ地盤にしていたのが、ハッピーは関西、信和は中部、山陽は中国と分かれていたので、合併しても競合することが無く有利に働いたということがあります。
合併してできたのがトライト株式会社です。この会社はアイフルの子会社でした。トライト時代は過払金の支払いも良かったのは記憶に新しいところです。
その後、親会社のアイフルの経営が悪化し始めたので、アイフルが子会社を売却するようになり、トライトも例外ではありませんでした。結局、アイフルの方針でトライトはネオラインキャピタルに譲渡されることになりました。この時に社名を変更し株式会社ヴァラモスになりました。
しかし、消費者金融の経営悪化の波はネオラインキャピタルにも及び、再び株式を譲渡されることになります。今ではネオライングループとの資本関係は無くなり、この時に社名が株式会社ギルドに変更され現在に至っています。
アイフルやネオライングループから離れた結果、完全に資金力が無くなったようで、ギルドの過払金の支払いは悪化の一途をたどっています。もはや訴訟で勝訴判決を取っても1割以下の支払いを強要されます。
しかし、ヴァラモス時代から、強制執行をすると満額支払ってきたことがある会社です。ギルドになって、より厳しくなりましたが、強制執行の後に財産開示請求まですると満額支払うことがあるという情報もあります。ヴァラモス時代のこともありますので、試してみる価値はあるかもしれません。
9月
05
2012
裁判における自白は、実は刑事訴訟と民事訴訟では取り扱いが異なります。一般的には、刑事ドラマなどの影響で刑事訴訟における自白のイメージが普及しているように感じます。しかし、実際の件数で比較すると、刑事訴訟の何倍もの数の民事訴訟が行われているのが現実なので、ここで民事訴訟の自白について説明しておきましょう。
刑事訴訟で言う自白とは積極的に罪を認めることを指しますが、民事訴訟では積極的に相手の言い分を認めること以外にも擬制自白という制度があります。擬制自白とは、相手の主張に対して何の反論もせずに黙っていると、それは相手の言い分を認めたのと同じことだと裁判所が認定する制度です。
この制度がある為に、民事訴訟では相手の主張に対して黙っているのは非常にマズイやり方になります。きちんとした理屈が考え付かなかった場合でも、とりあえず、相手の言い分には反論しておくという態度が時には必要になります。(理屈は反論した後で、ゆっくり考えれば良いのです)
よく、裁判所から訴状が届いたのに何もしないで放置しておく人がいますが、これは相手の言い分を全面的に認めたとみなされてしまい最悪の結果を招きます。この状態で判決が出れば全面敗訴、間違いなしです。
この制度の怖いところは、例え架空請求であっても、相手が黙って反論しなければ、裁判上は架空請求が事実として判決がでてしまうことです。
何故、このような仕組みになっているかというと、もともと民事訴訟という制度が明治時代に西洋から輸入されたものだからでしょう。この擬制自白という考え方は、まさしく西洋的なものの考え方です。ようは、「言いたいことがあるなら、ちゃんと言え。黙っている方が悪いんだ。」という考え方です。
実は中国人や韓国人も、この点に関しては、はるかに日本人よりも西洋人に近い感覚を持っています。彼らも、自分の主張は、例え根拠があろうとなかろうと、とりあえず徹底的に主張し反論してきます。裏をかえせば、そうしないと相手の言い分が全部通ってしまうような社会で暮らしているということです。日本人のような、相手の立場を考えて、ゆずりあうような社会の方が実は非常に珍しく、世界では理解されにくいのです。
もちろん、日本人の「ゆずりあいの精神」自体は、日本社会の安定に寄与していますから、相手が日本人ならば、裁判にならない限り、そのままでいいと思います。しかし、外国人と主張が食い違った場合は、民事訴訟のことを思い出して、ちょうど訴訟をやっているのと同じ感覚で接すると良いのではないかと思います。
そういう意味で、日本人が外国人との接し方を理解するのに、実は国内の民事訴訟は非常に参考になります。まさしく西洋の考え方を基にして作られた制度ですから、彼らの考え方を知るには、これほどのいい教材はありません。
先ほども紹介した、「例え架空請求であっても黙って反論しなければ、それが事実として認定される」という民事訴訟の考え方は、竹島問題や尖閣諸島問題を考える際には非常に参考になるのではないかと思います。日本人も外国人を相手にする時は、日本流では通用しないということを国内の民事訴訟から学びましょう。
9月
04
2012
会社の経営者が破産を決断するのは、個人よりも難しい場合が多いです。何故なら、自分一人だけの問題に留まらないからです。従業員にとっても取引先にとっても、会社が無くなるというのは大変な事態ですから、なかなか決められないのも無理からぬことでしょう。
しかし、この決断の遅れが原因で取り返しのつかないことになりやすいのも、また会社破産の大きな特徴なのです。
まず、会社破産には個人破産よりも多額の費用が必要です。裁判所の預納金や法律家への報酬などで100万円を超えることも珍しくありません。(前にもブログで書きましたが、事務手続きの大変さを考えたら決して割高ではありません。しかし、絶対額で大きいのは事実です)。しかも、会社破産の場合、代表者個人の破産もセットで行うのが通常ですから、個人破産の預納金や費用もかかってくるわけです。
ずるずると破産の決断を引き延ばして、手形の不渡りなどの決定的な要因により、ついに決心した時には会社にお金が残っていなくて、そもそも裁判所の預納金も確保できなかった、などということになりかねません。
「資金繰りが苦しいから破産するのに、お金が必要なんておかしい」という声が聞こえてきそうですが、これが現実です(個人的には医療における健康保険のような国家的な制度を破産にも用意するべきだろうと思います)。だからこそ、会社破産は早めの決断が必要なのです。
他には、決断が遅れることによって、偏頗弁済が発生しやすくなることがあげられます。偏頗弁済とは、「債権者平等の原則」に反する支払いのことです。破産では、「債権者平等の原則」により、特定の債権者に対して多く支払うことを禁じています。法律上は、消費者金融も、なじみの取引先も同じように扱わなくてはいけません。
資金に余裕がある時は問題ありませんが、資金繰りが苦しくなってくると、つい、なじみの取引先に優遇して支払ってしまったりするものです。これが後に破産手続で問題になります。
会社破産の場合、破産管財人が選任されます。個人破産同時廃止よりも厳しい審査をされます。破産管財人が上記の偏頗弁済を見つけたら、否認権を行使される可能性が高いでしょう。この場合、なじみの取引先から強制的に支払った金額を取り返すことになります。当然、裁判所に与える印象も悪くなるでしょう。
このようなことが起こらない為にも、やはり早めの決断が大切なのです。