司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

8月 21 2013

入社の時に残業代は出ないと言われた場合

「ウチの会社は残業代は出ないから、勤めるならそのつもりで」とか、「この業界では残業代は出ないのが常識だから、他の社員も了解してることだから」などの理由でサービス残業が当たり前になっている会社は少なくないようです。

入社の時に確認されていて、本人も「抗議したら就職できないんじゃないか」と思って、その場では同意していたりするので、余計に後から残業代の請求がしにくくなってしまいます。

こういうケースで本人から言い出すのは、かなり勇気のいることでしょう。頑張って主張したとしても、「お前は面接の時に了解しただろう」と言い返されてしまい、たいした反論もできずに終わることになるでしょう。

法律では、事前に、会社による残業代をカットする取り決めは無効とされています。従って、たとえ了解していたとしても残業代は請求できます。残業代の支払いは会社の法的義務なのです。

このような会社の場合、そもそも会社の体制が法律に違反していることになりますので、当事務所が介入した場合は、その辺りを指摘して会社から残業代を回収していくことになるでしょう。

この事例の場合、そもそも違法行為であることを自覚していなくて、ただ業界の慣習に任せてやっているというケースもとても多いのが特徴です。こうなると、まずは違法行為であることを認識してもらうところから始まりますので、説得もなかなか大変です。今までずっと同じやり方でやってきたわけですから、素人からの説明では、なかなか納得しないでしょう。こういう時こそ法律専門家に相談しましょう。

8月 20 2013

クレディセゾンの任意整理(分割和解)

消費者金融業界は、改正貸金業法の施行以来、縮小や倒産、銀行による併合などが相次ぎ、それに伴って任意整理の時の条件も厳しくなる傾向がありました。

例えば、任意整理の大きなメリットの一つである「将来利息のカット」に応じなかったり、通常は3年36回分割なのに分割回数を減らすよう要求してきたり、といったものが代表的です。

一方、クレジットカード業界は確かに厳しい環境ではありますが、消費者金融とは違ってショッピングという収益源もあり、またショッピングに関しては貸出の際の収入制限の対象になっていない為、近年、大きく伸びる傾向があり、比較的マシな経営状態のところが多いようです。

そのせいか、任意整理の際も以前と同じ条件(将来利息カットで3年36回払い)で受けてくれる業者も珍しくありません。債務者にとっては大変ありがたいことです。

最近の例でも、クレディセゾンに対して一月あたり5000円の3年払いを提案した案件があったのですが、「月あたりの金額が低いので拒否してくるかもしれないな」と思っていたら、さにあらず、翌日にはOKの回答をもらいました。

以前からセゾンという業者は、あまり横暴なことを言ってこない良質な業者ではありましたが、改めて見直してしまいました。

ただ、この業者にも注意すべきことはあります。

一つは、債務者本人が取引履歴の開示請求をすると、他の業者に比べて非常に分かりにくい取引履歴を送付してくることです。恐らく、一般の人だと、どのように計算したらいいかが分からないでしょう。ところが、司法書士が介入して受任通知を送ると一転して非常に分かりやすい取引履歴を送ってきます。このように送ってくる取引履歴に差をつけているんですね。

二つ目は、任意整理が成立した後の和解契約書の内容です。セゾンが作成した和解契約書だと、万が一、失業などで支払いが途中で止まった時、残金が和解した金額(利息制限法で引き直した後の金額)を元に算出されるのかが今一つ不明確なのです。(読みようによっては、引き直し前の元の金額に戻るようにも読めてしまうということです)
これではリスクが高すぎますので、セゾンと和解する時は司法書士の方で和解契約書を作成して、きっちりと途中不払いが起こった場合でも引き直し語の和解金額を元に計算するような条項を付けています。

以上のような注意点に気をつければ、セゾンは比較的、任意整理はやりやすい業者であると言えるでしょう。

8月 09 2013

更新の無い賃貸借契約とは?

通常の賃貸借契約の場合、当初の契約期間が終了しても、借主が更新を望んだ場合は、正当な理由が無い限り貸主は拒否できないのが一般的な取り扱いです。

では、例えば、マンションのオーナーが転勤になって、家族全員が引越している間に部屋を誰かに貸していたとしましょう(このようなケースは良くあります)。転勤期間が3年と決まっていたとして、3年後には戻ってきて部屋を使いたい場合は、どうしたら良いのでしょうか。

こういう時に利用されるのが、「定期建物賃貸借」という契約です。これは通常の賃貸借契約とは次に示す点で大きく異なっています。

それは、「契約期間が固定されていて、契約の更新が無い」という点です。

例えば、定期建物賃貸借契約で3年契約となっていたら、3年経ったら借主の意志とは無関係に契約が終了します。前述の転勤したオーナーの場合も、安心して戻ってこれます。ただし、以下の点には注意が必要です。

一つは、貸主は、借主に対して、あらかじめ契約期間の更新がなく、期間の満了によって契約が終了することを書面を交付して説明する必要があります。

そして二つ目は、契約期間が1年間以上の場合、貸主は借主に対し、期間満了の1年前から6か月前までの間に期間満了によって契約終了する旨の通知をする必要があります。

上記2点の注意事項を守れば、固定期間の賃貸借を望む大家さんにとっては非常にメリットのある契約です。

また、定期建物賃貸借契約は公正証書により締結しなければならないと考えられている大家さんがいますが、それは間違いです。法律の条文では「公正証書等の書類」と書かれていますので、一般の契約書でも締結は可能です。公正証書だと費用がかかるからと、二の足を踏んでいた大家さんは、もう一度検討してみて下さい。

8月 06 2013

消滅時効に対するアイフルの反論

アイフルが最近、消滅時効の主張に対して厳しい対応をしているようです。昔からこの業者は、やっかいな反論をしてくることで有名でしたが、これだけ消費者金融業界が不況になっても、その体質は変わる気配がありません。(むしろ不況になったことによって、より強化されたのかもしれませんね)

具体的には、最終取引日から5年以上経過して、途中、裁判上の請求などがなければ通常は消滅時効が成立し、司法書士が消滅時効の援用通知を送付すれば、それ以降は業者の請求は止まるのが、今までのパターンでした。アイフルも例外ではありませんでした。

ところが最近は、「債務者が途中で債務承認をしているので、消滅時効は中断している。よって、未だ時効ではない。」という反論をしてくるようなのです。また、この反論を裏付ける為に、債務者との会話記録なるものをアイフルが用意していて、「○年○月○日○時○分に、債務者と以下のような会話をした」という詳細なものが出てくるようです。恐らく電話などの記録なのでしょう。大手の消費者金融は電話の内容を録音していることが多いですから、そこから作成しているとすると、これは相当に有力な証拠になる可能性があります。

もし上記のような証拠が裁判上で実際に出てきたら、これは消滅時効の主張は通らない可能性は充分にあります。そういう場合は、利息制限法に引き直した後の債務は支払わざるを得ないことになります。

こうなった場合、個人再生や自己破産などの手続で債務を圧縮することも検討した方が良いでしょう。会話の記録を取られてしまった以上、仕方がありません。他にも助かる手段はあるわけですから、プラスに考えていきましょう。

8月 01 2013

訴訟をしないで立ち退いてもらう方法

家賃の滞納が3ヶ月以上になると、大家さんとしては出て行ってもらうことも考えるようになるでしょう。しかし、日本の法律では借主は保護されていて、大家さんが強制的に立ち退かせると違法になってしまいます。出て行ってもらう為には建物明渡訴訟を起こして裁判所の力で立ち退かせるのが正式なやり方です。

ですが、建物明渡訴訟は時間も費用もかかりますので、抵抗がある場合は借主と交渉することになります。場合によっては訴訟をするよりも、滞納分を帳消しにする代わりに自主的に出て行ってもらう方が安くつくこともありえます。まあ大家さんからしたら理不尽に思えるかもしれませんが、合理的に損得で考えた方が、うまくいく場合もあるのです。

しかし、上記のような交渉が成立したとしても注意すべき点があります。それは、「借主が約束どおり本当に出て行ってくれるのか」、という点です。

人の良い大家さんだと口約束で済ませてしまうかもしれませんが、これは絶対におすすめしません。何しろ、長期間家賃を滞納するような借主なのです。約束を守らない可能性は充分にあると考えるべきでしょう。守らなかった時に口約束では、どうにもなりません。

また、慎重に覚書などを書いてもらう方法がありますが、仮に書いてもらったとしても、借主が守らなかった時は、結局、その覚書に基づいて訴訟をやることになります。訴訟で判決が出るまでは何も出来ません。固い方法だと思いきや、実は結果は、あまり変わらないのです。(とは言っても、口約束よりは証拠がしっかりしている分、マシなのは確かです)

では、どのような方法が大家さんにとってベストなのかと言うと、即決和解という手続を使うことです。

即決和解とは、あらかじめ双方の合意が出来ている場合、後で合意内容を蒸し返されないように、裁判所に行って即決和解の調書を作成してもらう手続のことを言います。

この調書を作成してもらうと、非常に強力な切り札になります。何と、この調書があれば、借主が約束を守らなかった場合、訴訟をしなくても立ち退きの強制執行を裁判所に申し立てることが可能なのです。この「訴訟をしなくても」という所がポイントです。

ここまで読んで法律に詳しい人だと、「何だ、それなら公正証書と同じじゃないか。公正証書じゃだめなのか?」という疑問を持たれるかもしれません。

実は、強制執行が可能な公正証書には、「金銭の給付を目的とする権利関係に限る」というルールがあるのです。ようするに「AさんからBさんにお金を払え」、というような内容でないと上記の公正証書は作れないのです。

建物からの立ち退きは、金銭の給付を目的とはしていませんので、この内容では公正証書は作れません。こういう場合は、先ほど紹介した即決和解という方法をとるしかありません。

即決和解のご説明は以上です。任意交渉や裁判手続に自信が無い場合は、専門家にご相談下さい。

7月 29 2013

無償で貸していた部屋を出て行ってもらいたい時は?

賃貸アパートの大家さんが、知り合いに無償で部屋を貸していたとします。これを法律用語では「使用貸借契約」と呼びます。では、この知り合いとの間に何らかのトラブルがあって(アパートの使用に関するトラブルではないと仮定します)、関係が悪くなったため、「もう無償で部屋を貸したくない、出て行ってもらいたい」と大家さんが考えた場合、どうなるのでしょうか。

最初に、「アパートの使用に関するトラブルではない」とことわったのには理由があります。アパートの使用に関するトラブルならば、これを理由に契約を解除して退去してもらえる可能性が高いからです。今回、取り上げたいのは、アパートの使用に問題が無かった場合、出て行ってもらうことは可能なのか、ということです。

この場合、二つの点が問題になります。一つは契約の段階で、使用期限が定められていた場合です。もう一つは、借りる時の利用目的が具体的に決められていた場合です。

使用期限が定められていた場合なら、相手がアパートをトラブルなく利用している限り、期限が来るまでは退去してもらうのは難しいでしょう。使用期限まで利用する権利が相手方にもあるからです。

また、具体的な利用目的が定められていた場合は、その目的が達成された段階で退去してもらうことが可能となります。ちなみに、「住むところを確保する」というのは具体的な目的とは認められません。従って、アパートの1室の場合は、通常、これに当てはまるケースは多くないでしょう。一般的には、土地の使用貸借の場合に、具体的な利用目的が定められている場合が多いと思います。

使用貸借は親類や友人などの近い関係の人と交わされることの多い契約ですから、契約書を作成せずに口約束のことも多いと思います。特に使用期限や目的も決めずに利用が始まることも珍しくありません。その場合、法律では、「貸主は、いつでも使用貸借を解除して返還を請求することが出来る」となっています。

仮に契約書が作成されていても、その契約書に使用期限や具体的な利用目的が書かれていなかったら、やはり、いつでも返還を請求できます。

もちろん法律上、返還を請求できるからと言って、借主が素直に出て行ってくれるとは限りません。そういう時は迷わず法律家に相談しましょう。

7月 24 2013

自宅が共有名義になっていると妻に支払義務はあるのか?

最近では、自宅が夫婦の共有名義になっている場合も珍しくありません。この場合、夫が住宅ローンを滞納したら妻にも支払義務はあるのかという質問を、たまに受けます。

一見、共有名義になっているんだから妻にも支払義務はあるように考える人も多いのですが、実は共有か単独かは支払義務には関係ありません。大切なのは住宅ローン契約書の債務者または保証人の欄に妻の名前が書かれているかどうかです。

一般的には共有の場合、妻も連帯債務者として名前が書かれている場合が多いかと思いますが、必ずという訳ではありません。もし、妻の名前が債務者にも保証人にも登場していなかったら、妻には支払義務は発生しません。

ならば、妻は何も心配がいらないかというと、夫の滞納が長引いた場合、自宅が競売か任意売却となり、共有不動産を失うというデメリットは当然あります。

この場合、法律上は妻は物上保証人という立場になります。物上保証人とは他人の債務の担保としては財産を提供することを言います。この場合、妻は共有不動産という財産を、夫の債務の担保として提供したことになります。物上保証人は債務者ではありませんので、債務の支払義務はありません。ただ、担保として提供した物を失うだけです。

では妻は失った分は、あきらめなければならないのでしょうか。

法律上は、夫の債務を妻の不動産で支払った形になりますから、夫に対して請求権があります。これを求償権と言います。ただし現実には、住宅ローンを滞納する事態になったということは、夫に支払能力は無いのが実情でしょう。従って、あきらめるケースが大半だと思います。むしろ、それ以上の支払義務が無かったことを喜ぶべきでしょう。

以上は、あくまで法律上の話です。実際には、夫婦の問題ですから、協力して解決される方が多いです。

7月 19 2013

税金の滞納について

滞納にもいろいろありますが、その中でも税金の滞納は非常に特殊なルールが適用されます。いくつか、ご紹介しましょう。

まず税金は、たとえ自己破産しても消滅することはありません。ということは、税金とは物理的に支払いが不可能になったとしても逃れることは出来ないという恐ろしい性質を持っているのです。

と言っても、現実に収入も財産も無い人からは税務署も、取立てをあきらめるしかありません。ただ、それで滞納税金が無くなった訳ではないということです。もし、後に成功して支払い能力がある状態になったら、再び請求される可能性はあります。その時には延滞税という遅延損害金のような金額が、たっぷりと加算されていることでしょう。(ただし税金にも時効はあります)

ですから、税金を支払いの後回しにするのは得策ではありません。税金は最初に支払っておきましょう。

他には、税務署は裁判手続を経ることなく、税金の差押さえをすることが出来ます。これを法律用語で滞納処分と言います。

裁判もやらないで、いきなり差押さえが出来る訳ですから、これは強力な権限です。「税務署はサラ金より怖い」と言われる所以です。知らないうちに不動産登記簿に差押さえの登記が入っていたとか、銀行口座が凍結されたとか、充分に起こりうる事態です。

あと、本当に生活が苦しい人が税金の減額を受けられるか、という質問を良く受けますが、原則としては受けられません。何故なら、例え今は払えなかったとしても、請求されている税金は収入があった時に発生しているものだからです。本当に収入が無い人は、消費税などの間接税以外は、そもそも税金が発生していないはずです。

すると、もし減額したら、収入があった時に税金分を取っておいて支払った人との間に不公平が生じてしまいます。サラリーマンの源泉徴収は、これにあたります。たいていは多めに天引きされていて、年末調整で戻ってくるパターンです。

しかし、実際には、債務整理などの仕事をしていると、「税務署から電話がかかってきて、これから自己破産する旨を伝えたら税金をまけてくれた」という話をたまに聞くのは事実です。これは担当者の裁量でやっているものと思われます。ですから、人事異動などで途中で担当者が変わったら再び請求されるかもしれません。

7月 17 2013

名古屋本庁の個人再生事件の取り扱いの変化②

以前、名古屋本庁の再生係の取り扱いが変化して再生委員が選任される確率が低くなり、債務者にとっては申立がし易くなったという話をしました。今回は、その続きです。何と更に、債務者にとっては良い方向に変化しているのです。

今までは、たとえ再生委員が選任されなかったとしても、裁判官との直接面談が行われていました。再生委員が選任された場合は通常2回面談がありますが、選任されない場合は裁判官との面談が1回となっていました。

面談回数が1回に減るわけですから、もちろん再生委員が選任される時よりは負担が少ないのですが、それでも1回は裁判所に行かなくてはなりません。

ところが最近は、この裁判官との1回の面談すら省略されるケースが増えてきました。この場合、一度も裁判所に行くことなく書類審査だけで済んでしまうのです。

実は、三河や岐阜・三重などでは以前から面談は無く書類審査だけだったのですが、最近の名古屋本庁は同様の取り扱いになってきているのです。

裁判所という組織は、以前にも説明したように、人事異動などで取り扱いが急に変化したりします。この取り扱いも、いつまで続くか分かりません。

そう考えると、まさに今は名古屋市およびその周辺で個人再生を検討している人にとって、またとないチャンスと言えると思います。取り扱いが大きく変わる前に相談に行かれることを、おすすめします。

より詳しい情報を知りたい方は以下をクリック

http://www.hashiho.com/debt/kojinsaisei/

7月 12 2013

未成年の契約

学習塾はもちろんのこと、英会話教室・音楽教室・スポーツ教室などでも、未成年の子供を主な顧客としている教室は少なくありません。すると、未成年の契約という問題が発生することが、たまに見られます。

まあ、小学生ではあまり無いとは思いますが、中学生や高校生が対象の教室の場合、生徒本人が申込書を持って入塾あるいは入会の受付を済ませるということが起こる場合が、まれにあるようです。

最初に結論から言うと、このような申込は、教室側から考えた場合、絶対に避けなければいけません。何故なら、未成年者との契約になってしまい、後で親から取消の請求をされる恐れがあるからです。しかも、この取消請求、法律的には圧倒的に教室側が不利です。仮に裁判で争っても、負ける可能性が極めて高いです。

教室によっては、受付にアルバイトしか置いていないところもあります。そういう場合は、よほど指導を徹底しておかないと、書類一式そろっていたら申込みを受け付けてしまうかもしれません。きちんとマニュアル化して、「未成年者の申込みは受け付けない」ということを周知徹底しておく必要があります。

ただし、申込書に親の署名と印鑑が押されていれば、申込の主体は親だと考えられますので、子供は単なるメッセンジャーとして申込書を運んできたことになり、受け付けてもトラブルは少ないでしょう。(でもゼロではありません。トラブルを完全に無くす為には、一度は親に来てもらって意思確認をするのが万全です。最低でも電話確認ぐらいはしておくことを、おすすめします)

一方、法律では、未成年であることをわざと隠して、相手を錯覚させて契約をした場合は取消が出来ない、とも定めています。他にも、実際には親の同意が無いのに、親の同意があるとウソをついてした契約も同様に取消が出来ません。これは、詐欺をはたらいたのと同じ行為を法律で保護するのは妥当ではないという考え方からきています。未成年だからといって、必ず取り消せる訳ではないということです。

もう一つ覚えておきたい規定に「追認」があります。
追認とは、仮に未成年者の契約であっても、後から親が認めたら、その後の取消しは出来なくなります。親が認めた時点で有効な契約として確定するということです。

実は、この追認が様々なシチュエーションが考えられる為、よく問題となります。
例えば、未成年者が勝手に契約をして(この時点では取消可能な契約です)、後から親が、契約の内容について長々と文句を言ってきた場合、「追認があった」と判断される可能性があります。(あくまで可能性です。必ず、そうなる訳ではありません)

これは、「契約の内容に文句を言うということは、契約を結んだこと自体は認めているということだろう。」と裁判所で判断される可能性があるからです。従って、もし親が取り消すつもりなら、ただ一言、「私が知らない間に勝手に子供がしたことです。だから取り消します。」でいいのです。余分なことを言うと、かえって墓穴を掘ることになります。

他には、未成年の契約の後に教室が授業料の請求をした時に、親が「今は払えません」と答えたら、これは立派な追認です。今は払えないという答えは、教室の授業なりレッスンなりを受けることが前提となっているからです。

例を挙げていくと、きりがありませんので、このくらいにしておきますが、ようは追認と言っても、色々なパターンがあるということです。教室経営者の皆さんは参考にして下さい。

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