司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

9月 17 2010

シリーズ 最近の状況⑥ CFJ

 本日はCFJについて説明しましょう。

 CFJはアイク・ディック・ユニマットという3つの会社が合併して出来た会社です。正式名称はシティ・フィナンシャル・ジャパンと言い、この名称を聞いてピンと来る人もいるかと思いますが、アメリカのシティグループが資本参加している、いわゆる外資系です。

ご存知のようにアメリカの金融業界はリーマンショック以降、深刻な不況に陥っておりシティグループも例外ではないと思われます。従って、親玉のシティとしては、過払金返還請求によって経営状態が著しく悪化した日本の消費者金融市場からは撤退したがっているという噂が絶えません。

 以上のことを踏まえて過払金の回収状況について考えてみましょう。

何しろ親会社に余裕が無い状態ですから過払金の支払には、かなり厳しくなってきています。途中に空白期間がある場合は相当に激しく争ってきます。空白がある場合は、訴訟が長引くという覚悟がいるでしょう。

空白が無い場合は今のところは元金までは支払ってくるようですが、利息に関しては、やはり相当、強硬に争ってきます。他の大手よりも利息に関しての争い方は激しい感じがします。

もっとも、アメリカの経済状況を考えると、いつシティグループが手を引くか分かりませんので、現在の状況は、あくまでシティ傘下の企業であることが前提となります。

 一方、債務が残った場合の分割交渉に関しては、武富士やアイフルと同じく認めない方向のようです。どうしても分割にする場合は、やはり将来利息の請求を受けることになるでしょう。大手の半分以上が、分割に際しては将来利息を求めてくるようになっている訳ですから、全くやりにくい状況になってしまいました。

 では次回は中堅業者についての一般論を取り上げたいと思います。

 

9月 10 2010

シリーズ 最近の状況⑤ 新生フィナンシャル

 今回は新生フィナンシャルについて説明しましょう。

 新生フィナンシャルは旧商号がレイクと言えば皆さん、お分かりになると思います。今でもレイクの名前は使用しているようなので、こちらの方が馴染みがある人も多いでしょう。

新生フィナンシャルと会社名を変更したのは、バックに新生銀行がついたからです。要するに、この業者もアコムやプロミスと同じように銀行系の消費者金融ということになります。ただし異なるのは、バックにいる新生銀行は、アコムやプロミスの親会社のような巨大銀行ではないということです。そういう意味で安定感はアコムやプロミスには劣るけど、武富士やアイフルよりは勝っていると言えるでしょう。

 しかし、こと過払金の支払いに関して言えば、今、この業者は消費者金融の中ではトップクラスの優等生です。何故、そんなに資金の余裕があるのか不思議に思えてしまうほどです。

このブログで1年前と今では過払金の支払状況は劇的に悪くなったという話を散々してきました。ところが、唯一、1年前と大して変わらない状況で支払ってくれているのが新生なのです。あまりにも他の業者と支払の態度が違うので、「こんなに気前よく支払って、会社は大丈夫か」と他人事ながら心配になってきます。過払いの依頼人にとっては、非常にありがたい業者となっています。果たして、この気前の良さは、いつまで続くのでしょう。

実は、先日、新聞で気になる記事を見かけました。それによると親会社の新生銀行の直近の決算が非常に悪かったと書いてありました。親会社の不景気が子会社に波及してくる可能性は充分ありそうですから、ひょっとしたら気前の良い支払いもカウントダウンに入っているかもしれません。

 過払いの気前の良さを反映してか、債務が残った場合の分割払いも今のところはスムーズに応じてくれているようです。他の業者の態度の悪化が激しいので、非常に目立つ存在になっています。

 それでは次回は、CFJを取り上げる予定です。

9月 03 2010

シリーズ 最近の状況④ アイフル

 ご無沙汰しておりました。本日は、アイフルについて取り上げます。

 アイフルは武富士と並んで大手の中では銀行のバックがついていない独立系と呼ばれる消費者金融です。そのせいかどうか、この2社は対応が似ているところがあって、アコムやプロミスなどの銀行系の業者に比べると強引な部分や違反スレスレのグレーな部分があります。やはりバックに銀行がないので態度に余裕が無いのかもしれません。

また、アイフルも大手の中では武富士と並んで経営悪化がひどいと噂されています。その為、過払金請求・任意整理の対応は1年前と比べても急激に悪化しています。(このシリーズでは何度も申し上げていますが、昔の債務整理の話は今とは全く状況が違いますので注意して下さい)

 過払金請求に関しては大手の中では最も徹底的に争ってきます。過払訴訟では経営悪化を理由として元金の55%しか支払わないと主張してきます。(こんな根拠の無い不思議な主張をしてくるのはアイフルくらいです) 

この主張を拒否すると(根拠がありませんから拒否するのは当たり前なのですが)、途中で和解するのは、まず無理で、ほとんどが判決まで行ってしまいます。従って、支払いまでが非常に時間がかかることになります。ちなみにアイフルで判決まで行っていない場合は、元金を割り込んで和解している可能性が極めて大きいので、専門家に依頼して、そういうケースに当たったら、よく確認した方が良いでしょう。

また1審の判決で支払ってきたら、アイフルの場合マシな方です。多くの場合、アイフルは1審の判決が出た後、控訴してきて2審に引きずり込もうとします。それも2審で再び審理したからと言ってアイフルに勝ち目があるとは、とても思えないようなケースでも控訴してくるのです。全く始末の悪い業者です。

こういう状態ですから、控訴された場合は更に支払期日が延びて半年以上かかるのが当たり前になっているのが実情です。

過払金の回収率に関しては、粘り強く訴訟をしていけば、今のところ元金満額は回収できるでしょう。ただし急いで回収しようとすると極端に回収率が下がるのが、この業者の特徴ですから腰をすえてかかった方が良いでしょう。

 次に債務が残った場合の分割払いについてです。これに関しても、最近の傾向と同じく将来利息無しの分割払いには応じていません。アイフルは、かなり早い時期から利息なしの分割には応じていなかったので、むしろ他の業者がアイフルに追随してきたという感じです。

従って、アイフルの場合も債務が残った場合は、一括で払うか、利息付で分割にするかという悩ましい選択にせまられることになります。

 それでは次回は、新生フィナンシャル(レイク)について取り上げます。

8月 16 2010

シリーズ 最近の状況③ プロミス

 本日はプロミスの状況について紹介します。

 プロミスの過払金請求に対する態度はアコムとだいたい同じと言って良いでしょう。この業者もアコムと同様、バックに三井住友銀行という大銀行が付いていますので、比較的、安定していると言えます。

過払金の支払いも、そんなに悪くはありません。途中に空白期間の無い取引ならば、訴訟をすれば元金満額プラスアルファーぐらいは回収できると思います。もちろん半年後にどうなっているかまでは保証できない点ではアコムと同様です。

一方、途中に1年以上の空白期間がある場合は、取引の分断計算を主張してくることが多いです。ただし、空白前の完済年月日が10年以上前の場合は、例え空白期間が1年以内でも取引の分断及び、空白前の取引の時効消滅を強く主張してくる傾向があります。この主張が裁判所で認められた場合は過払金の大幅減額につながることが多いので注意が必要です。

支払期日に関しても、和解を結んでから3ヶ月から半年といったところで、最近の業者の中では悪い方ではありません。それでも1年以上前の状況と比べたら遅いですが、それはどの業者でも同じことです。もはや和解を結んで1ヶ月以内に支払ってくる業者は、ほとんどありませんので、その点は依頼する側も覚悟を決めた方が良いと思います。もちろん過払金を大幅に減額すれば話は別ですが。

 さて過払金回収についてはアコムと、それほど変わらないプロミスでうが、債務が残った場合の分割交渉はアコムと全く違う対応になっています。

アコムは今年の6月から分割払いの場合は将来利息を付ける和解しか出来なくなりました。しかしプロミスの場合は今でも将来利息無しの分割が可能です。

と言っても、いつこのルールが変わるか余談を許しません。あくまで今のところは、です。現時点では債務が残ったのがプロミスだったらラッキーということになりそうです。

 それでは次回はアイフルについて取り上げます。 

8月 04 2010

シリーズ 最近の状況② アコム

 本日はアコムについて紹介します。

 アコムはバックに三菱東京UFJ銀行がついている関係もあって大手の中では比較的安定していました。そのせいか、過払金回収に関しては今のところ深刻な事態にはなっていません。

途中に空白期間が無い取引ならば、現状では元金満額プラスアルファーくらいの回収は望めます。支払日も以前に比べれば延びていますが半年以内には設定されることが多いです。

しかし途中に空白期間のある取引の場合は、他の業者と同様に争ってきます。特に1年以上の空白がある場合が要注意です。それでも、判決で決着した時は、今のところは武富士やアイフルのように控訴までしてくることは、めったにありませんので、まあマシな方と言えるでしょう。

 一方、債務が残った場合の分割払いについては大きな変化がありました。やはり銀行がバックにあるアコムでさえも経営悪化の影響からは逃れられないということなのでしょうか。

具体的には、分割払いに関しては武富士と同じように将来利息を要求してくるようになりました。今年の6月からの取り扱いだということです。4月に申し込めばセーフだった訳ですから、今や債務整理は遅くなれば遅くなるほど状況が不利になってくる可能性が高いということになります。今が最悪だと思っていると、半年後、1年後にはもっと状況が悪くなっているかもしれません。

最早、分割の際には将来利息を要求してくる業者の方が多数派になってしまいました。アコムの方針転換により、分割交渉はますます、やりにくくなったと言えます。ここまでくると、将来利息カットの分割という法的根拠の無いルール自体を見直すべき時期にきているのかもしれません。

 それでは、次回はプロミスの状況について取り上げます。

7月 30 2010

シリーズ 最近の状況① 武富士

 さて本日からは、変化の激しい債務整理の最新の状況について紹介しましょう。まさに半年違えば状況が異なるのが最近の債務整理事情です。まずは武富士の状況についてです。

 武富士は前から状態が悪かったのですが、以前よりも更に状態が悪化しました。本当に倒産するんじゃないかと心配になってきています。過払金返還請求に関しては、武富士との長期取引がある場合は急いだ方が良いでしょう。

 武富士の深刻な状況を表しているのが、和解後の過払金の支払いです。最近の武富士は何と一旦、和解した(裁判上の和解も含みます)過払金の支払日に入金されていなかった、あるいは支払日直前に電話がかかってきて支払日を遅らせてくれと懇願してくる、などの信じられない対応をしてきています。とてもじゃないが、大手の貸金業者とは思えません。

過払金の支払日も、どんどん遅くなり、半年後ならマシな方で、8ヶ月後、10ヶ月後なども出てきています。従って、武富士の過払金をあてにして他の借金を支払う場合には非常に困ったことになります。半年以上も借金の支払を待たせていると、当然、遅れた分の利息を付けろと言ってくるからです。

また、過払訴訟においても、少しでも空白期間があると徹底的に争ってきます。例え苦労して判決で勝っても安心できません。かなりの確率で控訴してくるからです。控訴とは1回目の裁判で判決が出た後で、もう一回、裁判をすることです。要するに裁判が長期化する訳です。事務所によっては、裁判が長引くと余分な費用を後から請求するところもありますから、依頼する前には、しっかり確認しておいた方が良いでしょう。

それでも今のところ、武富士は過払金の支払額に関しては、何とか今までどおりの額を支払ってきてはいます。ただ回収するのが今までと比べて格段に大変になっているということです。最早、気軽な気持ちで取り組んでいる事務所では対応できなくなっているのではないでしょうか。

以上のことをふまえて、過払金請求を既に依頼している場合は、実際に過払金元金と比べて、どの程度回収しているのかを、しっかり確認するようにするべきです。まかせっきりだと、想像以上に減額されて和解されている可能性があります。特に最近の武富士で早く回収されていたりしたら疑った方が良いかもしれません。

 一方、債務が残った時の分割払いに関しては、ほとんどの場合、将来利息を要求してきます。将来利息とは分割払いの契約が結ばれた後に、かかってくる利息のことです。今までは分割払いでは将来利息カットが常識でした。ところが最近は多くの業者が将来利息を要求してくるようになっています。

では今までの常識に合わせて将来利息を支払わないと言ったらどうなるかというと、要するに一括払いで支払うしかないということになります。他の業者で過払金が発生していれば、そこから払うことは出来ますが、そうでなければ、自分で貯めるか親族にでも頼むしかなくなります。

 以上が最近の武富士の状況です。しかし、この状況が、いつまで続くかは分かりません。また半年後にはブログで紹介する必要が出てくるでしょう。それでは、次回はアコムの状況についてです。

 

 

7月 22 2010

シリーズ 多重債務からの脱出⑦ ギャンブル

 本日はギャンブルについて考えてみましょう。

 世間では良く、「多重債務になる人の、ほとんどはギャンブルで借金を増やしてるんだろう」という思い込みがあります。もちろん、そういう人がいないとは言いませんが、実際に相談を受けているとギャンブルで多重債務に陥った人は、むしろ少数派です。大半の人は、急激な収入の減少に節約意識がついていかなかったというパターンです。しかし、少数派と言ってもギャンブルは、その人自身はもちろん、家族にも深刻な影響を与えることが多いので、やはり目立ってしまうのです。

ギャンブルが止められない人には、ギャンブルが、いかに勝つ確率が低いかを分かって頂きたいと思います。(と言っても、これを理解してもらうのが非常に困難なのですが)

 例えば競馬と宝くじを例に説明しましょう。まず、テラ銭の存在を意識していない方が大勢います。テラ銭とはギャンブルの主催者に対して支払う一種の手数料ですが、この手数料が他の業種と比べてギャンブルの場合、非常に高く設定されています。競馬の場合は約25%と言われています。ということは、購入された馬券の金額の総額から強制的に25%差し引かれた金額を当たった人で分け合っている訳です。

これを見て、「何だ75%も配当されるんだ」と思った人は中央競馬会の思う壺にはまっていると言えるでしょう。何故なら、競馬場に行って一つのレースだけで帰ってくる人は、ほとんどいないからです。通常、一日のうちに複数のレースに賭けるでしょう。ということは、競馬場に詰め掛けた人全体の持ち金が一つのレースが終わった後には、何と当たった人も含めて75%に減ってしまうことを意味します。これは一つのレースだけの現象ですから、次のレースが終わった後には75%の更に75%で、最初の金額から見ると56%に減ってしまいます(もちろん当たった人も含めてです)。これが3つ目のレースになると最初の42%と半分以下になっているのです。4レース、5レースと重ねていくとどうなるか、もうお分かりですね。

このように競馬というのは主催者(中央競馬会など)にお金を貢いでいるようなものだということが、お分かり頂けると思います。

 宝くじに至っては、競馬よりもひどい搾取の構造がまかりとおっています。ジャンボ宝くじのテラ銭は何と約50%にもなるのです。途端に買う気が失せてきた人も多いのではないでしょうか。要するに市場で販売されている宝くじを全て買い占めても、当選金は買占め額の半分程度にしかならない訳です。まさに消費者金融など顔負けの恐るべき暴利のシステムが宝くじなのです。

また当選確率が天文学的に低いのも宝くじの特徴です。1等が当たる確立は約1000万分の1と言われています。こんなものに当たってしまったら、これからの運を使い果たしていないか心配になりそうです。

 以上、見てきたように多くのギャンブルが、いかに主催者が儲ける為のシステムになっているかが、お分かり頂けたでしょう。ギャンブルの勝利者とは要するに主催者なのであって(彼らは一切のリスクを負わないで巨額の利益を上げています)、参加者は時間をかけて損をさせられる側になるのです。このことに気付くと、ギャンブルに対しても冷静に考えられるようになって頂けるのではないでしょうか。

 さて、次回からはシリーズを改めて、変化が激しい債務整理の最新の状況について取り上げたいと思います。

7月 15 2010

シリーズ 多重債務からの脱出⑥ 住居費(後編)

 本日は賃貸住居費について考えてみましょう。

賃貸住宅に関しては、分譲のようにコダワリのある人は少ないと思われますので、やはり生活が苦しくなった時には思い切って賃貸料の安い物件に移るべきでしょう。分譲に比べれば、気軽に移ることが出来るはずです。

注意したいのが、引越を、ぐずぐずと先延ばしにすると、移りたくても移れないという状況に追い込まれる場合があることです。

何故なら、引越にも、ある程度の費用がいるからです。まず家具の移動にかかる費用がいります。他には、新たな物件にかかる礼金・敷金などです。最近は礼金不要の物件も増えてきたようですが、それでも敷金はかかってきます。

これらの費用を考えると、本当にギリギリのところまで移らないでいると、いざという時に移りたくても移れない可能性が出てくるのです。従って、やばいなと思ったら引越費用のあるうちに決断しましょう。

あと、この決断をした人は収入が下がっているはずですから、民間の賃貸に住んでいるなら、公的な賃貸を検討してみて下さい。

公的な賃貸には、いろいろな種類があります。役所などで聞いてみましょう。インターネットが使える人ならネットで探すのも良いでしょう。

公的賃貸住宅は何と言っても賃料が安いところが多いので収入が下がっている時には助かります。多くの場合、入居者の収入によって賃料が決まるようになっています。要は収入が低い人ほど有利な条件で借りられる訳です。ただ、当然、人気も高いので必ず入れるとは限りません。とにかく、チャレンジしてみて下さい。

賃料というのは引っ越さない限り節約のしようがない固定費です。家計の中から毎月、強制的に出て行きます。だからこそ、この固定費を下げることが出来れば、大きな節約になるのです。

あと、実家が遠くて今の仕事に支障があるという人以外は、もし実家があるならば、実家に戻ることが何よりも節約になるということは覚えておいて下さい。何故なら実家は無料で住める訳ですから。もし、親が賃料を要求してきても、その相場は賃貸住宅の相場よりもずっと安いはずです。また、賃料が遅れたとしても追い出されることは、まずないでしょう。

親子関係がうまくいっていなくて、実家に帰りたくないという人は多いのですが、どうしても生活に困っている場合には最後の選択肢としては考えて頂きたいと思います。一方、親子関係が良好な人ならば、真っ先に検討してみるべきでしょう。実家は礼金も敷金も必要ない訳ですから。

 では次回は、多重債務と切っても切れない関係のギャンブルについて取り上げます。

7月 05 2010

シリーズ 多重債務からの脱出⑤ 住居費(前編)

 本日は出費の中で最も大きな割合を占める住居費について考えてみましょう。

 住居費は確かに大きな割合を占めているのですが、だからと言って無くす訳にもいきません。人は住むところは絶対に必要だからです。ここが住居費の難しいところです。

 住居費については2種類に分けて考えてみましょう。まず今回は、住宅ローンを組んで購入した場合を取り上げます。

住宅ローンで多重債務になるのに代表的なパターンが、いくつかあります。順番に紹介していきましょう。

 一つは、ステップ返済になっていた場合です。ステップ返済とは返済の途中(5年後が多い)から返済額が急激に上がるタイプのローンのことです。最初のうちは返せていても優遇期間が終了して返済額が上がった途端に行き詰まってしまうのです。

 二つ目は、ボーナス払いを利用していて、途中で会社の業績が落ち込んでボーナスが減らされ、毎月の返済は出来ていても年2回のボーナス返済が行き詰まってしまうパターンです。

 三つ目は、無理のない返済計画を立てていたにもかかわらず、リストラ・減俸などで給料が激減し返済が出来なくなってしまうパターンです。

 このようにローンが払えなくなってしまった場合に最もやってはいけないのがカードローンを借りて住宅ローンを返すことです。まさに多重債務の入り口になってしまいます。

では、どうしたら良いかと言うと、まずはローンの組み換え(リスケジュールと言います)を金融機関に頼んでみましょう。支払可能なレベルまで月の返済額が減るようにローンを組み替えてもらうのです。

この方法は特に住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)でローンを組んでいる人は絶対に試して欲しいことです。何故なら住宅金融支援機構はローンの組み換えに割と積極的に応じてくれるからです。(ローンの組み換えに関しては銀行よりもはるかに親切です)

ローンの組み換えをしても尚、払えなかったり、そもそも組み換えに応じてもらえなかった場合は、残念ですが売却を考えた方が良いでしょう。せっかく買ったマイホームですから未練があるのは充分に理解できます。しかし、売却時期が遅れてローンの未払いが貯まったりしたら余分な利息を取られて大きな損をしてしまいます。早い決断の方が傷が浅くて済みます。

売却してもローンが残ってしまう場合は、潔く専門家に相談しましょう。多くの場合は債務整理をすすめられると思いますが、私も同じアドバイスをするでしょう。残ローンを抱えたまま引越後の生活をするのは多重債務になり易いからです。

 あと話は変わりますが、これを読んでいるあなたが、もし問題なく住宅ローンを払えているとしたら、是非、アドバイスしたいことがあります。

それは、お金に余裕が出来たら何よりもまず、繰上返済に回すべきだということです。この世の中に繰上返済ほど有利な金融商品はありません。特に返済初期の頃の繰上返済というのは支払った額の何倍もの利息軽減効果があります。これだけ得であるにもかかわらず、繰上返済はノーリスクなのです。世の中にノーリスクハイリターンの商品は無いと良く言いますが、こと繰上返済に限っては存在するのです。これを使わない手はないと思います。

従って、住宅ローンを組んでいる家庭では株や投資信託など目もくれずに、まずは繰上返済に回すことを、おすすめします。

 では次回は、賃貸住居費について取り上げる予定です。 

6月 24 2010

シリーズ 多重債務からの脱出④ 保険

 今回取り上げるのは日本人の大好きな保険です。前回のブログで生命保険と書きましたが、最近流行の民間の医療保険も含めて考えてみましょう。

 日本人は世界の先進国の中でも生命保険が好きな民族と言えるでしょう。1世帯の年間保険料の平均を取ると40万円以上になると言われています。これに医療保険も加えたら相当な金額になります。しかも、一旦、入ると長期間、支払が続きます。あまり長く払っていると固定費として意識の外になり、節約の対象から外れてしまいます。これが怖いのです。(途中で支払保険料が上がることもよくあります)。

保険に入っている人は何故か入ってから支払いが終わるまでのトータルの保険料を計算する人は少ないようです(保険会社もあまり教えていない気がします。教えると入る人が減ってしまうからではないでしょうか)。実は計算してみると莫大な金額を支払っていることに気がつきます。

今、生命保険に入りながら生活が苦しい人に考えて頂きたいのは、「生命保険というのは生活を犠牲にしてまでも払い続けるものなのか」ということです。頑張って生命保険を支払っているうちに多重債務になってしまったら本末転倒です。

それでも心配だという人には、もし世帯主が亡くなった場合、生命保険以外に何がもらえるかを冷静に見てみましょう。

まず、年金を納めている家庭なら遺族年金がもらえます。サラリーマンなら厚生年金に入っていますから結構な額がもらえるはずです。

自分は収入が低くて年金を真面目に払っていないという人は、生活保護がもらえる可能性があります。母子家庭で10歳未満の子どもが2人なら地域によっても金額は違いますが12万~16万円くらいでしょうか。

住宅ローンを組んでいる人は団体信用保険に強制加入しているはずですから、ローン債務者が死亡した場合は住宅ローンが完済されます。残された遺族は住宅に無料で住めるようになるわけです。このことを計算に入れていない人が結構います。(毎年1回の固定資産税は払う必要があります)

その他、母子家庭の場合、児童扶養手当、医療費補助、教育扶助資金給付制度などもあります。このように見てくると一般の日本人が心配する程ではないような気がしてきませんか。もちろん余裕がある時に保険に入るのは構いませんが、生活が苦しい時まで保険に入り続けるのは考え直した方が良いと私は思います。どうしても不安な人は都道府県の共済保険がオススメです。金額的にも非常に、お得になっていますし営利団体ではないので余剰金が発生すれば払い戻し金が期待できます。

 次に民間の医療保険については、生活が苦しい時には生命保険よりも優先的に解約すべきだと私は思います。何故なら、日本にはかなり充実した公的医療保険制度が既にあるからです。最近は負担割合が増えたとはいえ、それでも手厚い保険になっています。特に高額医療費の補助があるのが特筆すべき点です。

この制度は1月当たりに一定の金額以上の医療費がかかった場合は超えた部分が健康保険から支払われるというものです。意外に知らない人もいるので覚えておきましょう。ただ事前に手続をしないと一旦は請求額を支払ってから後に超えた分の還付を受けるという形になりますので注意が必要です。ただ、この場合でも請求額が払えない人には一時的な貸付制度があります。還付を受けたら貸付金を返還すればよいのです。

 では次回は住居費について取り上げます。

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