司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

6月 17 2010

臨時ニュース 貸金業法の改正

 明日(6月18日)に改正貸金業法が完全施行されます。既に新聞・テレビなどでも報道されているように今回の改正の目玉は総量規制と呼ばれるものです。現在、取引をしている人に影響を与える可能性がありますので、これについてコメントしたいと思います。

総量規制とは、ある程度以上の借り入れを法律で強制的に禁止してしまおうという制度です。(自由主義に反するという意見もあります。私も正直この点は微妙だと思います)

具体的には年収の3分の1以上の借入に関しては、貸金業者の融資をストップするという制度です。(細かく言うと例外もありますが複雑になるので、一般の人は上記の理解で充分でしょう)。

この規制が始まって、最も困るであろうと予想されているのが専業主婦の皆さんです。何故なら専業主婦の場合、本人に収入が無い訳ですから夫の収入証明を提出しなくてはいけません。ところが、専業主婦が融資を受ける際に、夫に借り入れの事実を秘密にしている場合が多いのです。

新たに必要になる書類は収入証明だけではありません。配偶者の同意書、配偶者との婚姻を証明する書類なども必要になってきます。こうなると秘密にしている人は、夫に打ち明けるか、新たな融資を諦めるしかなくなります。

しかし、複数から借り入れをしている場合、新たな借入で返済にあてているケースが多いので、新たな借入が出来ないと返済に行き詰まってしまう人が大量に出る恐れがあります。この点が全く解決されていないので、マスコミ等で騒がれている訳です。

返済に行き詰まった時に最もやってはいけないのが、ヤミ金融に走ることです。ヤミ金融は違法業者なので総量規制には関係なく融資します。だからと言って消費者金融よりも利率ははるかに高いのですから、いずれ必ず行き詰まります。その時は、ヤミ金融に手を出す前よりも、もっと悪い状況になっていることは間違いありません。このブログを読んでいる人は絶対に手を出さないようにして下さい。

融資がストップして、どうにもならなくなったら、まず考えることは専門家に相談することです。債務整理に多少の抵抗があったとしても、ヤミ金融に手を出すよりは良いと考えて下さい。

6月末から7月にかけて多くの専業主婦の方が今まで述べてきたような困難な事態に直面する可能性が指摘されています。くれぐれも間違った選択をしないように注意して下さい。

6月 16 2010

シリーズ 多重債務からの脱出③ 自動車

 今回は家計の支出の中でも住居費と並んで大きな割合を占める自動車について考えてみましょう。

実は、自動車というのは想像以上に大きな支出になっています。車両本体が高額商品であることは、もちろんですが、それよりも家計に影響を与えるのが巨大な維持費です。自動車が他の商品と決定的に違うのは本体価格以外に維持費が、ばく大にかかってくることなのです。

だからと言って私は自動車を否定している訳ではありません。地域によっては自動車が無ければ生活出来ない場所もあるでしょう。仕事で自動車が必要な人も、もちろんいるでしょう。ここでは、自動車にかかっている費用について良く考えてもらって、少しでも負担を減らせるように参考にして欲しいのです。

では具体的に維持費が、どの位かかるのか分析してみましょう。ここでは愛知県で小型乗用車に乗っている場合で考えてみます。改めて見てみると驚いてしまう人も多いと思います。

まず、車検費用が2年ごとに約10万円かかります。1年で約5万円となります。(他に消耗品の交換などがあった場合は、追加費用が加算されます)

ほとんどの人が任意保険に入るでしょうから、これが毎年で約5万円です。(車両保険に入らなければ、もっと安くなるでしょうが、その時は、もし事故を起こした場合は大変な出費になることを覚悟しなければなりません。私はオススメしませんが)

次に駐車場代があります。都会の便利の良いところなら月に2万~3万円、郊外なら月に5000円~1万円でしょうか。これは毎月かかってきますから1年では、かなりの金額になってきます。

そして馬鹿にならないのが毎年納付する自動車税です。2リッター以下の小型車でも年間2万5000円~4万円支払うことになります。(車というのは税金の塊で主なものでもガソリン税、自動車税、自動車重量税と何段階にも分かれて取られています。最初にナンバーをもらう登録費用も役所に払うのだから利用者から見れば税金みたいなものですね)

他にオイル交換、バッテリー交換などの定期的なメンテナンス費用がかかります。年間に直すと1万5000円くらいでしょうか。

そして忘れてならないのがガソリン代と高速料金です。高速料金は今でこそ安くなってきましたが、ガソリン代は昔よりも高くなっています。走行距離の長い人なら月に2万円~3万円くらいかかるのではないでしょうか。

これらの維持費を1年にならしてみると、何とトータルで50万円近くかかっているのです。これは小型車の場合ですから大型車に乗っている場合は60万~70万かかっているでしょう。こうして計算すると、びっくりしてしまった人も多いのではないでしょうか。しかも、この維持費に加えて車両本体のローンも払っている人が多いのですから、以下に家計の負担が重いか分かって頂けたかと思います。

もし、都心の交通の便利な地域に住んでいる人なら思い切って自動車の無い生活を考えてみるのも良いと思います。その覚悟が出来れば、維持費とローンを合わせて年間で100万円近い負担が家計から消えるのです。この生活を10年続ければ自動車を持った時と比べて、何と1000万円もの余裕が家計に生まれることになります。どうでしょうか。考えてみる価値が出てきたと思いませんか。

ただし、この方法は郊外の交通の不便な地域の人は残念ながら使えません。これらの人の場合は、私は軽自動車への乗りかえをオススメします。理由は何と言っても維持費が安いからです。

それでも車好きな人は軽には抵抗があるという人もいるでしょう。そういう場合は次のように考えたらいかがでしょうか。「長い車人生の中で、一時くらい軽に乗ることがあっても良い。いつかまた収入が戻ったら好きな車に乗れば良い」と。このように考えれば、むしろ「いつかまた、好きな車に乗るぞ」と逆に励みになり頑張る意欲が沸いてきませんか。(是非、そうなって欲しいものです)

一方、家計が苦しい時に良く間違う方法に、「収入が減ったから中古車に買い換えよう。でも中古車なんだから前よりも、ちょっと良い車に乗ろう」というものです。これが何故、間違いかというと、中古車であろうと維持費は変わらないからです。むしろ前よりも大型車を選んでしまったら維持費は余計にかかってくることになります。本体価格を下げても家計の負担は大して変わらなかったり、それどころか負担が増える場合があるかもしれません。自動車という商品は常に本体価格と維持費の両方を念頭において考えなくてはなりませんので注意が必要です。

 では次回は生命保険について考えてみましょう。

6月 08 2010

シリーズ 多重債務からの脱出② 固定費の削減

 久々のシリーズ再開です。今回は家計の支出の削減についてですが、その中でも固定費の削減について考えてみます。

家計には固定費と変動費と大きく分けると二つの支出があります。このうち固定費とは毎月(毎年かもしれません)決まった額が出て行く支出のことで例えば税金や保険、教育費、車検費用、駐車場代、住宅ローンや賃貸料、新聞代などが代表的なものです。しかし、これ以外にも、その人にとって必ず毎月支出することが習慣になっていれば、それは固定費と考えるべきでしょう。例えば、飲み代やタバコ代、子どもの習い事、旅行代なども事実上、固定費になってしまっている人が多勢いるのではないでしょうか。

不思議なもので、人は固定費だと認識してしまうと、その費用は聖域となってしまい、削減の対象からはずれてしまうという習性があります。(誰でも思いあたるところがあるのではないでしょうか)。実は自分が削りたくないという気持ちが先にあるのですが、いつのまにか、「これは固定費なんだから削ることは出来ない」と最初から除外してしまうのです。

そこで次に始まるのが変動費の削減です。変動費とは月によって支出の金額が大きく変わる、あるいは支出しない月もあるという費用です。

もちろん変動費も削らないよりは削った方が良いのですが、たいていの場合、たいした支出の減額にはならない事が多いのです。何故なら、その人にとって、あまりコダワリがないからこそ変動費になっているので、人はコダワリがないことには大きな支出はしないものだからです。

従って、収入が急激に減ったときの家計の絞り込みに最も効果があるのは固定費の削減だということに気付かれると思います。しかし、「言うは安く行うは難し」のことわざにもあるように、これがなかなか大変で覚悟がいる為に、多くの人が支出の削減に失敗してしまうのです。

 では次回は固定費の中でも最大の部分を占める、自動車について考えてみましょう。

 

5月 24 2010

臨時ニュース ゴールド逮捕

 私が受けた事件が先週の18日(火)にCBCの夕方のニュースで流れたので、報告したいと思います。

事件の内容は、私の依頼人が年金担保金融(悪質なヤミ金融の一種ですね)から借金をしていて、年金が振り込まれる通帳を業者が強制的に預かって、返済と称して勝手に通帳から引き出しているというものです。もちろん、通帳を返してくれと言っても返してくれません。

ちなみに年金を担保に取ることは違法行為であり、相当に悪質です。私は、この依頼を受けた後、最初は通帳の返還を要請しましたが、一向に応じないので、愛知県警に告発しました。

警察が調査したところ、依頼人以外にも同じ被害を受けている人が相当数いることが分かり、警察も本腰を入れて捜査に乗り出したようです。

かなり念入りに捜査したらしく、告発してから半年ほどかかりましたが、この度、逮捕となったようです。

それにしても、まさか自分が扱った事件がニュースになるとは思いませんでした。

5月 13 2010

シリーズ 多重債務からの脱出① 多重債務のきっかけ

 さて、本日から新シリーズとして、多重債務から脱出する為には、そもそもどのように生活をしたら良いのかを考えてみたいと思います。

 多重債務を抱えてしまったら、まずは専門家に債務整理を依頼して債務自体を圧縮するか、あるいは無くしてしまうことが最初に取るべき方法です。しかし、それだけでは充分ではありません。そもそも何故、多重債務に陥ってしまったのか、その原因を探って家計の見直しを行わなければ再び苦しい状態に戻ってしまいます。この部分は専門家に頼るのではなく、自分自身が気がついて直す努力が必要です。気がつく為の手助けとして、このブログを役立てて下さい。

では何故、普通の人が多重債務に陥ってしまうのでしょうか。私が何人もの多重債務者を見てきた中で、最も多いと思われる原因は以下のようなものです。要は「急激な収入の減少に意識が追いついていかない」というものです。

意外に思われるかもしれませんが、もともと収入が低かった人は案外、多重債務にはなっていません。もし、なっていたとしても借りている業者の数は意外に少なかったりします。いわゆる、一般に知られている多重債務(5社~10社、あるいはそれ以上)から借りている人は、大抵、過去にある程度の収入があった人が多いのです。

これは、もともと収入が低かった人は余り無理をせず、低い収入の中で見合った生活をしている人が多いからだと思われます。ところが、収入が多い時期を経験すると人は、その収入に合わせて贅沢をするようになります。その収入が維持されていれば問題ないのですが、最近の不安定な景気の状況では突然、収入が激減することがあります。この急激な変化に意識がついていきません。今までの生活レベルを収入の変化と同じスピードでは変えられない人が多いのです。

その結果、収入が下がっているのに、支出が変わらない訳ですから必然的に家計は苦しくなります。こういう時に貸金業者の誘惑に負けてしまうのです。

この時の心理状態として考えられるのは、「収入が下がったのは一時的なもので、また元に戻る。その時に返せば問題無い」というものでしょう。この考え方自体は私は責められないと思います。もう二度と収入が上がらないと、あきらめてしまうよりは前向きだと思うからです。しかし、大事なのは、「今は収入が下がっているのは確かなのだから、次に収入が上がるとしても、それまでは支出を切り詰めなければならない」という発想を同時に持つことです。

 では、原因が分かったところで、どのように支出を切り詰めれば良いのでしょうか。次回から、支出の削減について考えてみましょう。

 

4月 30 2010

シリーズ 司法書士事務所の見分け方⑦ 面談(3)

 本日は面談の内容についての私の意見です。

 面談の内容で私が最も大切だと思っているのは、その時点で予想されるデメリット(マイナス部分)について説明するということです。依頼人と専門家の間の、ほとんどのトラブルは、このデメリットを説明していなかったことで発生していると思います。

例えば、よくあるトラブルとして以下のようなものがあります。

①任意整理で事故情報について聞いていなかった。(債務が残る任意整理では事故情報に載ります)

②過払金が必ず発生していると言われたが取引履歴が届いて計算してみたら過払いではなかった。

③処理スピードが早いことを強調していたのに頼んでみたら半年以上かかった。話が違う。

④過払金は満額取り戻すと言っていたのに、元金以下の金額で和解された。

以上が最近多いトラブルだと思いますが、いずれも事前に説明を受けていれば苦情にはならなかったでしょう。

中には、きちんとデメリットを説明すると、「そんなはずはない」とか、「それは、お前の腕が悪いからだ」とか言ってくる人が一部います。こういう場合は依頼する側にも問題があるケースですが、多数派ではありません。

もちろんデメリットを説明することで依頼を止めてしまう人もいます。これは仕方がないでしょう。デメリットの説明に消極的になる事務所は恐らく、これを嫌がっているのだと思います。しかし、一時的に気持ちの良い思いをしたとしても、結果として、どちらが信用できる事務所でしょうか。このブログを読んでいる皆さんも良く考えてみて下さい。

ただし、ここに書いたデメリットの説明は、あくまで予想できる範囲内のことです。デメリットの中には予想外のこともあります。特に最近は業者の経営状態が悪化している為に、業者が短期間に態度を変更してきます。2ヶ月前に通用したことが今月は通用しなくなったということが現実に起こっています。これは専門家の責任ではありませんので、どうか皆さん勘違いしないで下さい。(業者が倒産した場合も予想できないケースに含まれるでしょう。今や、ほとんどの業者が倒産しても、おかしくない状況なので、怪しいと言えば全ての業者が怪しいのです。しかし、正確に何月に、どこどこの業者が倒産するということを予測することは不可能です。)

いずれにしても、説明を聞いてみてメリットばかりしか言わない事務所は要注意だと思います。(これは、そのまま広告・宣伝にも言えることです)

4月 20 2010

臨時ニュース 過払返還の際の事故情報の廃止

 以前、お伝えしました株式会社日本信用情報機構の発表による、過払金返還の際の事故情報登録(いわゆるブラックリスト)が昨日(4月19日)の時点で廃止されることになりました。

今まで、事故情報を気にして過払金請求をためらっていた人にとっては、またとない朗報となります。過払金請求の唯一のネックだった事故情報の心配が取り除かれた訳です。

 最近は業者の経営悪化などで過払金請求に関しては悪い情報が多かったのですが、久しぶりに良い情報となりました。事故情報で迷っていた人は、この機会に専門家に頼んでみたら、いかがでしょうか。

4月 16 2010

シリーズ 司法書士事務所の見分け方⑥ 面談(2)

 さて本日は久しぶりに前のシリーズに戻ります。面談(1)では「面談は必要か」というテーマで話をしました。今回は面談のやり方に焦点を当ててみたいと思います。

 面談のやり方で最初に問題になるのは面談の時間でしょう。面談に、どれだけの時間をあてているかということです。これは、あくまで私の意見ということになりますが、債務整理の場合最低でも30分、出来れば1時間くらいはかけるべきだと考えています。

事務所の中には10分や15分で済ませるところもあるようですが(特に大量に引き受けている事務所に多い)、私の経験上、それだけ短い時間だと依頼人との信頼関係が築きにくく、結果的に依頼人に不満な感情が残ってしまう場合があるように思います。

もし30分以内で終わらせようと思うと、事務所の用意した必要事項の質問で終わってしまい、依頼人が自ら話す機会は、ほとんど取れないでしょう。そうなると、依頼人としては「自分の話を聞いてもらえなかった」という不満が、どうしても残ってしまうのです。

もちろん、長々と自分の話を続けて、いつまでも話が終わらない人も中にはいますので、長ければ良いと言っている訳ではありません。あまりにも解決に関係ない話を長くされる場合は、専門家の判断で時間を短くする場合は、あってよいでしょう。要するに長いのも短いのも極端は良くないということです。

ちなみに私の場合は、任意整理・過払請求の時は約30分~1時間、自己破産・個人再生の時は約2時間~3時間くらいを目安としています。

あと、面談の最中に、やたらと依頼人を怒る専門家がいるようですが、これも程度によっては問題ではないかと考えます。

どうも一部の弁護士さんに、こういう方がいるようで、その後で私の事務所に来られて、怒られた時の文句をさんざん聞かされたことが何回かあります。もちろん、温厚な弁護士さんもいますから全てという訳ではありませんが。(何故か、この手の文句は弁護士さんが相手のことが多いです。やはりプライドが高いんでしょうか)

もちろん時と場合によりますから、依頼人を叱ることを100%否定する訳ではありません。例えば、「あなたは今のままで放っておくと本当にマズイことになるよ」と説得したい時や、「それは法的には無理です」と言っても全く聞かずに違法行為でも「やってくれ」と迫ってくるような場合は、多少きつい言い方になっても仕方がない場面はあるとは思います。しかし、債務整理に来る人を見下したような怒り方をする専門家のいる事務所は、避けた方が良いでしょう。

 次回は面談(3)として、面談の内容について説明します。

4月 09 2010

最近の任意整理事情

 本日は法定利息に引き直し計算をした後に債務が残ってしまった場合の、最近の業者の対応について話したいと思います。

 これについては、正直言って、各社とも相当に厳しい対応をしてきているというのが実情です。

背景には、今年の6月に完全施行される改正貸金業法に向けて貸金業者が経営の見直しを図っているという点があります。特に業者が神経をとがらせているのが、貸付を年収の3分の1に規制する「総量規制」です。

更に大量に発生している過払金請求が業者の経営を悪化させていますので、業者に余裕がなくなっているのも大きな原因でしょう。(だからと言って、過払金請求は正当な権利ですから、遠慮する必要はありませんが)。

最近の状況で特徴的なのは、過払請求の時にも指摘しましたが、以前は中堅・小規模業者に限られていた厳しい対応が、ついに主要業者にも波及してきたことです。主要業者は抱えている契約者の数が多いですから、影響が非常に大きいのです。

例えば、最近、問題になっているのが、「債務が残って分割払いになる時、将来利息のカットに応じない」というケースが目立ってきていることです。武富士・アイフルなどが最近、これを主張してきて、なかなか和解がまとまらなくなっています。

「将来利息カット」と聞いても何のことか分からない人もいるかもしれませんので説明しましょう。将来利息とは分割の和解を結んだ後で支払われる分割金に対して付けられる利息のことです。

今までは任意整理の際には将来利息のカットは暗黙の了解事項として業者は応じていました。従って、任意整理を専門家に頼むと分割金には利息が付かず、法定利息に引き直した金額を、そのまま分割回数で割った金額を払えば良かったのです。

ところが最近は主要業者でも武富士やアイフルは「分割の時は将来利息を付けろ」と言ってきます。プロミスも同じことを言ってきますが、ここは何ヶ月か粘っていると担当部署が変更になって、最終的には将来利息カットを認めてくれるようです。(それにしても以前に比べて交渉に時間がかかります)。

一般の人は、この話を聞くと、「専門家なんだから何とかならないのか」と思うかもしれません。しかし、この点に関しては業者が譲らない限り、どんな腕利きの専門家でも、どうしようもありません。何故ならば、法的には将来利息は付けなければならないものだからです。要するに、もし業者が裁判に訴えたら裁判所は業者の言い分を認めることになります。

では、何故、今まで業者は将来利息を付けない和解に応じていたかと言うと、余裕があったからです。経営に余裕があったので、やろうと思えばできたけれど、あえてやらなかった、ということになります。

しかし、最初に説明したように貸金業法の改正と、相次ぐ過払金請求の為に業者には昔の余裕が無くなりました。そこで、起こってきたのが将来利息カットには応じないという業者の態度です。

こうなってくると、法的には業者の言い分を否定することは出来ない訳ですから、債務が残った場合の選択は二つしかありません。一つは何としても一括で払う方法。もう一つは将来利息を付けてでも分割にする方法です。

一括で払うには、他の業者で過払金があれば、それを使います。それが無ければ親族に援助を頼むか、頼める親族がいない場合は一括で払えるまでお金を貯めるしかありません。

過払金で他の債務が返済できる場合は割と問題無いのですが、残った債務を過払金では支払えない場合は以前に比べて難しい状況になってきていることは事実です。

 では次回は久しぶりに前のシリーズ「司法書士事務所の見分け方」の続きになります。

 

4月 02 2010

シリーズ 過払金⑫ 最近の過払事情(3)

 本日は、武富士・アイフル・CFJの最近の対応について話をしましょう。

 まず、武富士の対応ですが一言で言うと、「全ての事務手続きが遅い」という印象です。例えば、過払いの交渉の為に電話をかけても、「まだ担当が決まっていませんので決まり次第、こちらから折り返します。」と言われ、その言葉を信用して待っていても、いつまでも電話がかかってこないとか、あるいは一旦、和解して決着した過払金の支払日目前になって電話がかかってきて、「お金が足りなくなったから支払日に払えません。遅らせて下さい。」と言われたり、かつての業界トップ企業とは思えない無茶苦茶な対応が目立ちます。過払訴訟に関しても、訴訟中に合意に達するのは珍しく、ほとんどが判決まで行ってしまいます。従って、支払われるまで非常に時間がかかると言うことです。その代わり判決を取った場合は利息も含めて満額を支払ってくれます。(あくまで今のところは、です)。ですから武富士には多少時間がかかっても判決を取りに行くのが良いと思います。支払時期に関しては、判決を取れば2~3ヶ月後、判決が無いと4~6ヶ月後くらいでしょうか。

 次にアイフルですが、武富士ほど事務が滞っている訳ではありませんが、ここも訴訟をしても、なかなか払いません。訴訟中の金額交渉だと何と過払元金の55%を主張してきます(このレベルで和解している事務所だったら止めた方が無難でしょう)。従って、ここも時間はかかっても判決を取るしかありません。しかし、判決を取れば武富士と同様に利息も含めて満額支払ってきます。(くどいようですが、今のところは、です)。支払時期は判決を取った場合は1~2ヶ月後くらいです。

 最後にCFJの対応です。ここは倒産するのではないかという噂が絶えない業者なので、多くの司法書士が、あまり粘らないで和解していた傾向があります。だいたい利息をあきらめて元金満額くらいで和解するのが標準だと思います。しかし、かなり前から倒産の噂が出ていた割には一向に倒産する気配がありませんので、試しに粘ってみたところ、利息の一部を上乗せすることが出来ました。本当に倒産するかどうかは結局、誰にも分かりませんので、私としては、今後は少し粘ってみようかと思っています。支払時期は2~3ヶ月後くらいです。

 これで、主要消費者金融に関しては一通り状況の説明はできたのではないかと思います。中小の業者に関しては、最早、「過払金が回収できたらラッキーだ」という気持ちでいた方が正解だと思います。大手が、このような状況ですから中小は更に厳しい訳で、あまり期待しない方が良いでしょう。そして何度も申し上げていますが、過払事情は頻繁に変化するということは忘れないで下さい。半年後には全く違う状況になっているかもしれません。その時には、また報告をしたいと思います。

 では次回は、過払いではなく、債務が残った場合の最近の状況について話をしたいと思います。

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