8月 17 2017
公正証書遺言の原本・正本・謄本の違いとは(遺言⑦)
公正証書遺言を作成すると原本と正本と謄本の3種類の書類が出来上がります。原本は公証人が保管し、正本と謄本は遺言者に渡されます。ではこの3種類の書類は、どのような違いがあるのでしょうか。
- 公正証書遺言の原本
- 公正証書遺言の正本
- 公正証書遺言の謄本
いわゆるオリジナルの書類のことです。
作成した時の遺言者と証人の生の印鑑が押されています。
署名も直筆で書かれています。
そして、ここが肝心ですが、原本は公証人が保管しますので、紛失する可能性が極めて低いです。
正本は原本の写しで、この意味では謄本と似ていますが、謄本よりも法的効力が強く、特別な写しです。
法的には原本と全く同じ効力があるとされていますので、原本と生き写しの書類と考えると良いでしょう。
末尾に公証人が「これは正本である」と記載してあるものです。
相続手続は、ほとんどが謄本でも可能ですが、中には正本が要求される場合もあります。

謄本は、戸籍謄本が分かり易い例だと思いますが、原本の写しで、公証人に請求すれば何回でも発行してもらえます。
法的には、原本と全く同じ内容を写した複製で公証人が発行したもの、ということになります。
戸籍謄本が、あらゆる場面で使えるように、公正証書謄本も、ほとんどの相続手続で使用可能です。
公正証書遺言を作る場合、たいていは遺言執行者を選任していると思います。
実際の実務の現場では、遺言執行者が正本を保管し、遺言者が謄本を保管しているケースが多いと思います。
相続が発生したときには、遺言執行者が相続手続を行うので、このように保管しています。












