司法書士ジャーナル<相続>
橋本司法書士事務所ブログ

4月 22nd, 2026

4月 22 2026

コンピューター化以前に登記された住所変更付記登記は、コンピューター化された時に本登記として記録される 相続登記㊹

Q 相続登記の不思議な事例について

A 相続登記を長い間やっていると不思議な事例に出会うことがあります。その中の一つに、住所変更登記の事例があります。

Q 住所変更登記の不思議な事例とは何ですか?

A 例えば以下のような事例です。相続登記をするためには、被相続人(故人)の住民票の除票または戸籍の附票が必要です。そこで戸籍の附票を取ったところ、「A市B町一丁目1番地 住定日 昭和50年6月10日」と記載されていました。ところが登記簿を見ると「A市B町一丁目1番地 所有者甲 登記原因 昭和50年6月5日売買」となっていました。これは非常に不思議なことなのですが、分かりましたでしょうか。

Q 何が不思議なのでしょうか、答えを教えてください?

A 答えは、A市B町一丁目1番地に住所を移したのは6月10日なのに、登記簿には6月5日の時点で同じ住所が書かれているからです。売買が行われた時にはA市B町一丁目1番地の住民票は取れなかったはずなので、一見、不思議なことが起こっているように見えます。(買主の住民票は売買の登記の必要書類です)

Q 本当に不思議ですね。なぜ、こんなことが起こっているのでしょうか?

A 実は登記簿のコンピューター化が深くかかわっています。実は事例の案件では、コンピューター化される前の紙の登記簿にはきちんと「A市B町一丁目1番地6月10日住所変更」という付記登記がされていました。売買の後に住所変更がされたことが分かるようになっていたのです。

Q それがコンピューター化されると、なぜ分からなくなるのでしょうか?

A コンピューター化される時に、付記登記で記載された住所変更登記は省略されて、最初から変更後の住所で所有者欄が記載されるというルールがあるのです。そのため住所変更されたことや日付も分からなくなってしまうのです。法務局としては効率化のために行っていることなのだと思いますが、変更の経緯が分からなくなってしまうのは困りますね。

Q どうすれば気付くことができるのですか?

A 司法書士ならば慣れているので気付くことができますが、一般の方だと難しいでしょう。紙の登記簿が保存されていれば、それを見れば分かりますが、保存されていなければ推測するしかありません。

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