7月 19 2013
税金の滞納について
滞納にもいろいろありますが、その中でも税金の滞納は非常に特殊なルールが適用されます。いくつか、ご紹介しましょう。
まず税金は、たとえ自己破産しても消滅することはありません。ということは、税金とは物理的に支払いが不可能になったとしても逃れることは出来ないという恐ろしい性質を持っているのです。
と言っても、現実に収入も財産も無い人からは税務署も、取立てをあきらめるしかありません。ただ、それで滞納税金が無くなった訳ではないということです。もし、後に成功して支払い能力がある状態になったら、再び請求される可能性はあります。その時には延滞税という遅延損害金のような金額が、たっぷりと加算されていることでしょう。(ただし税金にも時効はあります)
ですから、税金を支払いの後回しにするのは得策ではありません。税金は最初に支払っておきましょう。
他には、税務署は裁判手続を経ることなく、税金の差押さえをすることが出来ます。これを法律用語で滞納処分と言います。
裁判もやらないで、いきなり差押さえが出来る訳ですから、これは強力な権限です。「税務署はサラ金より怖い」と言われる所以です。知らないうちに不動産登記簿に差押さえの登記が入っていたとか、銀行口座が凍結されたとか、充分に起こりうる事態です。
あと、本当に生活が苦しい人が税金の減額を受けられるか、という質問を良く受けますが、原則としては受けられません。何故なら、例え今は払えなかったとしても、請求されている税金は収入があった時に発生しているものだからです。本当に収入が無い人は、消費税などの間接税以外は、そもそも税金が発生していないはずです。
すると、もし減額したら、収入があった時に税金分を取っておいて支払った人との間に不公平が生じてしまいます。サラリーマンの源泉徴収は、これにあたります。たいていは多めに天引きされていて、年末調整で戻ってくるパターンです。
しかし、実際には、債務整理などの仕事をしていると、「税務署から電話がかかってきて、これから自己破産する旨を伝えたら税金をまけてくれた」という話をたまに聞くのは事実です。これは担当者の裁量でやっているものと思われます。ですから、人事異動などで途中で担当者が変わったら再び請求されるかもしれません。









