7月 24 2013
自宅が共有名義になっていると妻に支払義務はあるのか?
最近では、自宅が夫婦の共有名義になっている場合も珍しくありません。この場合、夫が住宅ローンを滞納したら妻にも支払義務はあるのかという質問を、たまに受けます。
一見、共有名義になっているんだから妻にも支払義務はあるように考える人も多いのですが、実は共有か単独かは支払義務には関係ありません。大切なのは住宅ローン契約書の債務者または保証人の欄に妻の名前が書かれているかどうかです。
一般的には共有の場合、妻も連帯債務者として名前が書かれている場合が多いかと思いますが、必ずという訳ではありません。もし、妻の名前が債務者にも保証人にも登場していなかったら、妻には支払義務は発生しません。
ならば、妻は何も心配がいらないかというと、夫の滞納が長引いた場合、自宅が競売か任意売却となり、共有不動産を失うというデメリットは当然あります。
この場合、法律上は妻は物上保証人という立場になります。物上保証人とは他人の債務の担保としては財産を提供することを言います。この場合、妻は共有不動産という財産を、夫の債務の担保として提供したことになります。物上保証人は債務者ではありませんので、債務の支払義務はありません。ただ、担保として提供した物を失うだけです。
では妻は失った分は、あきらめなければならないのでしょうか。
法律上は、夫の債務を妻の不動産で支払った形になりますから、夫に対して請求権があります。これを求償権と言います。ただし現実には、住宅ローンを滞納する事態になったということは、夫に支払能力は無いのが実情でしょう。従って、あきらめるケースが大半だと思います。むしろ、それ以上の支払義務が無かったことを喜ぶべきでしょう。
以上は、あくまで法律上の話です。実際には、夫婦の問題ですから、協力して解決される方が多いです。









