司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

8月 26th, 2013

8月 26 2013

個人再生解決事例⑤

収入は充分にあったのですが、保険と自動車で清算価値が増えてしまって返済額が結構多くなり、ぎりぎり審査に通ったケースです。

Eさん、男性、住宅ローン有り
30代 会社員
借入先4社 借入総額約750万(住宅ローン除く)

愛知県の自動車関連のメーカーに勤めています。収入は割と安定していてボーナスも、そこそこ出ていたので、結婚当初は生活に特に不安も無く暮らしていました。

それで気の緩みが出たのかもしれません。子供を3人生んで、車も結構高額のSUVを購入したりしました。外食の回数も多くなり、知らないうちに出費がかさんでいきました。

そんな時に、あるきっかけで「うつ病」になり、会社を休みがちになりました。残業もほとんど出来なくなる日々が続きました。途端に収入が少なくなり、それでも出費は急には減らせなかったので、銀行の個人ローンで借入をするようになりました。

今まで安定した収入があったので銀行系の個人ローンは割りと簡単に借りられて、他の銀行系ローンからも借りるようになりました。与信も最初の頃は結構大きくて、かなりの額を後先考えずに借りてしまいました。

そのうち子供も大きくなり教育費もかさむようになってきました。何しろ3人いますので、教育費はばかになりません。車のローンもまだ残っていましたので、いよいよ住宅ローンの返済がやばくなってきました。

このままでは住宅を失ってしまうと考えて、いろいろとネットで検索して経験の豊富そうな司法書士事務所を見つけました。早速、相談に行くことにしました。

事務所では住宅を守れる個人再生という方法があると教えられましたが、その際に、徹底的に家計の節約の指導を受けました。司法書士とは別にファイナンシャルプランナーの方から家計の問題点をいくつか指摘され、自分自身「我が家は、まるで節約ができていなかった」ということを痛感しました。

当初、住宅の為には、車はあきらめなければいけないだろうと思っていましたが、何と裁判所の取り扱いが変わって車は手元に残ることになりました。これはラッキーと思いましたが、しばらくすると、良いことばかりではないと気付きました。

それは、車が残る代わりに車の現在価値が清算価値と言って返済額に組み込まれてしまうということです。おかげで返済額が結構多くなってしまい、審査を通す為に、より一層の家計の節約に取り組むことになりました。

何度か事務所に出向き、家計の指導を継続的に受けて何とか審査が通りました。状況が厳しくなっても真剣に対応してくれた事務所には感謝しています。せっかく住宅も車も残りましたので、家計を引き締めて3年間返済していこうと思います。

○司法書士からのコメント○
この人の場合、車以外にも、住宅にかかっている火災保険が通常よりも高額で、しかも購入時期に一括で払っていた為、結構な解約返戻金が出てしまいました。

個人再生の場合、保険は解約する必要はありませんが、その代わり、現時点で貯まっている解約返戻金の額を裁判所に申告して、その額を清算価値として返済額に組み込まなければなりません。(保険は、そのまま継続できます)

Eさんの場合、その額が50万円ほどでした。車も比較的新しかったので、現在価値を算出したら何と150万円近くありました。これだけで合計200万円近い清算価値となります。これで返済額は200万円以上となる訳です。月あたり6万円近くを払っていかなくてはなりません。

住宅ローンや子供の教育費を払いながらですから、当然、裁判所から「大丈夫か」と指摘されました。裁判所に対して「大丈夫」と主張する為には、家計の節約を徹底する必要がありました。

幸い事務所にはファイナンシャルプランナーがいますので、何度か事務所に来てもらって、ていねいな家計の見直しを行い、最終的には裁判所に納得してもらうことが出来ました。

今では「うつ病」もだいぶ良くなり、残業も出来るようになって収入も少し増えました。相談する場所が出来たことで本人も気が楽になったようです。

より詳しい情報を知りたい方は以下をクリック

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