6月
21
2012
以前にもブログで紹介しましたが、いよいよ7月1日からプロミスがSMBCコンシューマーファイナンスと商号を変更します。これで完全に三井住友銀行の消費者金融部門という位置づけになる訳です。
だからと言って、いきなり全国の看板がSMBCコンシューマーファイナンスになる訳ではなく、利用者にとっては慣れ親しんだ「プロミス」という名称もブランド名として残すようです。従って、利用者は会社の商号が変更したことに、しばらくは気が付かないかもしれません。
さて、銀行の一部門になったプロミスは営業的には何か変わるのでしょうか。コンプライアンス(法令順守)が、より厳しく求められることになるのは間違いないでしょうから、その辺りは期待したいところです。
ただ、銀行が今まで慣れていなかった強引なやり方に引きずられる可能性も無いとは言えませんので、今後のあり方を注視する必要があるでしょう。
5月
28
2012
専門家の立場から判断した場合、どう見ても自己破産しか解決方法が無い、という人がいます(自己破産なら助かるという意味でもあります)。しかし、本人が、どうしても納得しない場合があります。このような時、どうすれば良いのでしょうか。
世間体を気にしている場合は、「戸籍には載らない」とか、「会社にも知られない」、「選挙権も失わない」などを説明することによって、気持ちが変わることも多いのですが、問題なのは、現時点で支払能力が全く無いにもかかわらず、個人再生や任意整理などの分割払いの方法を強く希望される人がいることです。
上記のようなケースは決して珍しくなく昔からあります。このような場合、私は特定調停をすすめることにしています。何故なら、支払えないということを本人に納得してもらう以外に方法が無いからです。
特定調停を自分でやることによって、支払能力が足りないことを自覚してもらうのが目的です。まともな調停委員に当たれば、1回目の期日で、本人の支払能力に対して説明した上で却下してくれることが多いでしょう。本人も、裁判所が無理だと言っているので、納得しやすいのです。やるだけのことをやってみたけど、ダメだったというのも納得するには重要なことです。
特定調停の場合、例え却下されても費用は数千円で済みますし、本人が不充分な気持ちのままで、専門家が破産を強制することと比べたら、安いものではないでしょうか。
また、調停委員が甘い人で、普通に考えたら無理な分割払いを認めてしまった場合は、どうするのかという指摘がありそうですが、実は、これもあまり問題にはなりません。
そもそも、無理な分割払いを認めた調停委員が一番の責任を取るべきですが、仮にそういうことがあっても、一度、分割払いを始めてみて、それでも、やっぱり支払えなかったという現実に直面することで、本人が、「ああ、あの時、司法書士さんが言ってたことは本当だった。やっぱり自分には支払いは無理だった。」と納得することが出来ます。それから、自己破産することも可能なのです。むしろ、ぎりぎりまで支払の努力はしたということで、裁判所の破産係の印象も良くなると思われます。
実際に、特に専門家の相談を受けずに特定調停を始めた人が、途中で支払が出来なくなって、その時点で始めて専門家の相談を受けに来るという事例は思ったよりも多いです。従って、特定調停をやった後に結果的に破産に至るのは、全国単位で見れば、かなりの数にのぼっていると思われます。それでも特に不都合は無く、破産が認められています。
債務整理の相談というのは、どれだけ法律的に正当であっても、むりやり強制するのは正しい解決方法ではないと私は思います。もちろん、専門家の立場で説得するのは必要でしょう。しかし、それでも納得できないと言う人は、少数ながら、どうしても存在します。そのような人には上記のような柔軟な対応も時には必要ではないでしょうか。
5月
22
2012
三菱UFJニコス株式会社というクレジット会社があります。まあ、ニコスカードと言った方が分かりやすいかもしれません。結構、メジャーなクレジット会社ですから、ご存知の人も多いでしょう。今、ここと過払金訴訟で争っています。
以前は、メジャーなクレジット会社は訴訟を提起すれば、あまり争わずに割りと早い段階で満額に近い金額で和解できたものでした。しつこく争ってくるのはオリコくらいだったでしょう。
ところが、最近はクレジット会社であっても経営が苦しくなってきたせいかどうか分かりませんが、結構、争ってくるようになりました。
今回も、ニコスは弁護士を立てて争ってきました。弁護士を立てたということは、そこで費用が発生しているでしょうから、そう簡単には和解できないだろうと予想されます。実際に、第1回口頭弁論前に20ページ近い準備書面を送りつけてきました。まさに、戦う気、満々です。
こちらも負けじと、かなり時間をかけて反論の準備書面を書いて、弁護士事務所に送りましたが、さて、結果はどうなりますか。
ニコスとしては、例え弁護士費用を払ったとしても、それ以上に過払金を減額してもらわないと困るという会社の方針なのでしょう。もう、素直に訴訟の金額を払う訳にはいかないということを明らかにした訳です。
それでも、こちらとしては、依頼人の期待に答える為にも、なるべく満額に近い金額で和解に持ち込む為に、いろいろ反論していくつもりです。
この件に関しては、また後日、報告したいと思います。
5月
15
2012
ご家族の中に長期間、消費者金融やクレジット会社との取引を行なっていた人がいて、その人が認知症になっていた場合、どうしたら良いか分からないという相談が最近、増えてきています。高齢化社会が進んでいる以上、避けられない問題かもしれません。
このようなケースでは、取引をしていた家族は高齢の場合が多いので、取引期間も長く過払金も高額になっているケースが多いので、他の家族も簡単にはあきらめられないでしょう。特に今は日本中に不景気の嵐が吹き荒れている状況ですから、苦しい家計の少しでも足しにしたいと考えるのは、ごく自然な行動です。
では、どうしたら良いのかと言うと、認知症になっている家族の為に成年後見人をたてるという方法があります。
成年後見人とは自分で判断の出来なくなった人の為に、家庭裁判所の審判で選任される後見人のことです(厳密には、これ以外にも任意後見があります)。成年後見人は、判断の出来なくなった本人に代わって各種の法律行為をすることが出来るようになります。
以外に知られていないようですが、認知症の進んだ人は法律家に仕事を依頼することが出来ません。仕事を依頼するのは法律上は委任契約と言いますが、委任契約は、判断の出来る人が自分の意思で行う必要があるのです。従って、認知症の人が過払金の請求者の場合、もちろん自分で裁判所での質問に答えることは出来ませんので、まさに八方ふさがりになってしまいます。
従って、法律家に仕事を依頼する為にも後見人が必要になります。後見人が本人に代わって法律家と委任契約を結ぶことになります。
5月
10
2012
株式会社アオバという地場の街金融相手に過払金請求を行っています(ヤミ金融じゃありません)。典型的な小規模零細の街金融で、店頭窓口での貸し借りが主流の業態です。
ここが予想通り、過払金を全く払おうとしません。まあ、この手の小規模街金融の経営が、よろしくないことは、こちらも理解はしていますが、さすがに1円も払えないということはありえないでしょう。全く回収できないとなると、黙っている訳にはいかなくなります。
それで、店舗に対して動産執行を2回かけてみたところ、2回とも空振りに終わりました。それでもプレッシャーにはなっただろうと思って少しの支払いを期待したのですが、やはり全く払おうとしません。街金融、恐るべしという感じです。
いかにも、「やれるもんならやってみろ」と言わんばかりの開き直った態度に、私も腹が立って来て、ついに財産開示を申し立てました。これは以前にもブログで、ご紹介したとおりです、。(同業者でも、なかなか財産開示までやって請求する事務所は少ないと思います。相手も、びっくりしたでしょう)
もとより財産の開示など期待しておらず、あくまで過料の制裁を下してもらう為の手続です。過料の制裁は行政罰で、車の駐車違反の反則金のようなものと思えば分かりやすいでしょうか。ようするに前科にならない罰金のようなものです。
過料の制裁は裁判官の判断次第なので、財産開示を申し立てたからと言って必ず出される訳ではありません。開示期日の裁判官の態度を見て微妙だなと思っていましたが、先月、めでたく過料の制裁が決定したとの知らせを受けました。
これで、少しは懲りて支払う気になったかと期待したのですが、残念ながら私が甘かったようです。やっぱり支払ってきません。過料を支払うくらいなら、少し負けた金額を、こちらに支払った方がマシではないかと思ったのですが、どうも常識が通用しない相手のようです。それとも、国家の制裁である過料すら踏み倒すつもりなのでしょうか。
このまま諦めるのもしゃくなので、次は何をしてやろうかと考えているところです。
5月
07
2012
丸和商事の配当金の支払いが4月下旬にありました。これで丸和商事の民事再生が一通り終了したことになります。
あまりにも低い配当率に納得できない人も多いと思いますが(私も、その一人です)、一応、裁判所が決定したことなので従わざるを得ません。
同じ静岡県の旧クレディアと比較すると余りの配当率の違いに唖然としてしまいます。今。思えば旧クレディアは結構、良心的だったと思います。
ところが、最近、フロックス(旧クレディア)の支払が急速に悪くなってきています。民事再生後に発生した過払金は原則、満額、支払わなければならないのですが、かなりの減額を要求してくることが多くなったのです。
これも丸和商事の、極端に低い配当率の影響ではないかと疑わしくなります。フロックスからしてみれば、「何で同じ民事再生をやった会社なのに、あんなに配当率が違うんだ。真面目に支払っているのが馬鹿馬鹿しい」となるのは容易に想像できます。
まさしく私が恐れていたのが、他の業者のこういう態度なので、これ以上、広まらないように願いたいです。
この連載を止める為にも、低い配当率を発表した会社は再建を認めるべきではありません。これからは、皆さん、反対に投票しましょう。
4月
27
2012
株式会社ヴァラモスが、また商号を変更しました。新しい商号は株式会社ギルドと言います。恐らく、ネオライングループではなくなったことが、きっかけだとは思いますが、それにして良く商号を変える会社です。
変更したのは商号だけではないようです。以前にブログに書きましたが、判決を取っても支払わない業者ではありましたが(その後、差押を通告すると支払ってきたことはありました)、少なくとも控訴はしてきませんでした(ひょっとして、控訴されている人もいたかもしれませんが、私は今まで無かったです)。
ところが、商号が変わってから会社の方針も変わったらしく、今回は、判決で勝った後に控訴してきました。それにしても一体、何を理由に控訴するつもりなのか理解に苦しみます(控訴理由書は、まだ送られてきていません)。争点になりそうなものは見当たらないので、まさに時間稼ぎとしか思えません。
裁判は、これからなので今後どういう態度に出るかは、まだ分かりません。支払がより悪くなっていないことを願いたいと思います。
4月
17
2012
このブログでも何度か取り上げていますが、過払金返還請求には時効があります。具体的には完済してから10年経過すると請求が法的に認められなくなってしまいます。
それなら、現在、残高がある状態で長期間の取引がある場合は、時効の問題は生じないだろうと思ったら、大間違いなのです。
例えば、以下のような取引の場合(決して、珍しくありません)、残高のある長期間の取引でも時効の問題が生じてしまいます。
では、具体的に紹介してみましょう。
今は平成24年4月ですから、平成4年から平成14年3月まで取引をして一旦、完済しました。完済は店頭に出向いて行い、その時、契約書も返還されて、カードも店に返却したとします。
その後、5年ほど経った平成19年に再び契約して新たにカードも発行して再び取引を始めました。そして、現在、取引が継続していて残高は約50万円あります。この人が司法書士事務所に相談に来たとします。
この場合、本人の意識としては全体の取引期間は10年以上なので、きっと過払いになっているに違いないと思っていることでしょう。ところが、過払金の時効が大いに影響してしまうのです。
まず、契約書の返還やカードの返却、取引を止めていた期間の長さから言って、前半の取引と後半の取引は分断されていると判断される可能性が極めて高いでしょう。
そうなると、前半の取引の完済は平成14年3月ですから、相談に来た時には1ヵ月前に時効が完成していて(時効完成は平成24年3月です)、本人にとって長期間の取引だったはずの前半部分の取引は、丸ごと時効にかかって請求できなくなってしまいます。
すると残るのは、後半部分の取引だけになり、後半の取引期間は5年しかありませんから、残高が残ってしまう可能性が非常に高くなります。
結果として、このケースの場合、あと1ヶ月、早く相談に来ていたら過払金が請求できたのに、わずか1か月の差で過払金どころか残高を支払わなければならなくなった、などということが起こる訳です。(現実に似たような事例で、相談があります。もちろん、ぎりぎり間に合ってセーフだった人の相談もあります)
従って、取引の途中で完済して、その後、しばらく取引の無い空白期間のある人は、完済した時期から10年が経過していないか良く思い出した方が良いでしょう。
ぎりぎりの時期で微妙だという人は、一度、業者に連絡して自分の取引履歴を請求して取引を確認してみることを、おすすめします。(取引履歴の請求は業者の法的義務になっていますので、基本的に業者は断ることが出来ません。請求にあたって理由も不要とされていますから、聞かれても「確認したいから」で問題ありません)
それで、もし、途中完済の時期から10年がせまっていたら、急いで専門家に相談した方が良いでしょう。
4月
12
2012
携帯電話からスマートフォンへの買い替えが若者を中心に広まっていますが、これが若者のブラックリスト化に拍車をかけているという記事がダイヤモンドオンライン(週刊ダイヤモンドのネット配信サービスです)に掲載されていました。
一見、スマートフォンとブラックリストは何の関係も無いように思えますが、実は携帯販売の仕組が変更になったことによって新たに引き起こされた事件のようです。
携帯販売は以前は、販売奨励金というものが携帯事業者から販売店へ支払われていて、それが元手になって携帯の機種変更が非常に安く抑えられていました。ところが、同じ機種を長く使っている人よりも頻繁に機種変更をした人の方が販売奨励金の恩恵を多く受けられて得になるシステムはおかしいとの批判が起こり、販売奨励金が廃止されたのです。
この廃止により、端末価格が高騰して、携帯を買い換える人が激減することを恐れた事業者が新たに編み出したのが端末代金の分割払い契約です。
今や国内の携帯契約数の実に3分の1が分割払いを選択しているそうです。そして、分割払いを選択した場合、支払情報がクレジットカードの延滞情報を扱っているCICに登録されているのです(このことを知っている携帯ユーザーは多分、少数派でしょう。)
そうすると当然に、端末の分割払いを延滞した時は、CICにブラックリストとして登録されてしまいます。すると何と携帯の延滞により、クレジットカードの申込みが出来なくなったりする訳です(この時点まで本人は気が付かない可能性があります)。
事実、販売奨励金が廃止になってから、この携帯がらみのブラックリストは激増しており、2010年の21万人から、昨年は145万人となっています。(半端じゃない増え方ですね)
また、最近流行のスマートフォンは高額な為、分割払いを選択する傾向が高く、より問題を深刻化させているようです。これが一見、関係の無いように見えるスマートフォンとブラックリストのつながりです。
若いうちに知らない間にブラックリストに登録されて、社会人になってクレジットカードがどうしても必要になった時に作れなかったということになりかねません。この記事を読んだ人は充分に注意して下さい。また、周りの人にも注意してあげて下さい。
4月
06
2012
一般的な認識だと、自己破産をすれば、全ての債権の請求からは解放されると考えられていますが、残念ながら一部の債権では支払義務が残るものがあります。
例えば、最も分かりやすいのが税金です。滞納した税金も債権の一つですが、この滞納税金に関しては破産をしても逃れることが出来ません。この辺はテレビドラマなどでも説明されていることがあるので、ご存知の人も多いかもしれません。
一方、あまり知られていないのが不法行為に基づく損害賠償請求権の一部が非免責債権(破産しても免責されない、ようするに支払義務が残ること)になっていることです。
これには2種類あって、一つは「悪意で加えた不法行為による損害賠償請求権」です。この場合は、破産でも免責されないと法律で規定されています。
これは、悪意で不法行為を受けた被害者を守る為の規定です。もし、この債権を免責可能にしてしまうと、悪意で不法行為を他人に加えて、その後で破産すれば損害賠償から逃れられることになってしまいます。これでは、反社会的な行動を助長する恐れがあります。
もう一つは、「人の生命や身体に対して、故意または重過失による不法行為の損害賠償請求権」です。
故意または重過失とは、悪意よりも軽い意識で不法行為を加えたしまった場合でも、対象が人の生命・身体であれば、やはり破産しても免責は受けられませんよ、ということです。
これは、被害の対象が生命や身体の場合、ことの重大さを考慮して、例え悪意でなくても、故意・重過失であれば免責を許さないと法律で決めたものです。(この部分は、実は破産法が改正された時に新たに加えられたものです)
このように破産しても免責が受けられない債権というものがあります。今回取り上げなかった債権もありますので、知りたい方は専門家に、お聞き下さい。いずれにしても、破産すれば、どんな債権でも免責されるとは思わないでいて下さい。