5月
07
2012
丸和商事の配当金の支払いが4月下旬にありました。これで丸和商事の民事再生が一通り終了したことになります。
あまりにも低い配当率に納得できない人も多いと思いますが(私も、その一人です)、一応、裁判所が決定したことなので従わざるを得ません。
同じ静岡県の旧クレディアと比較すると余りの配当率の違いに唖然としてしまいます。今。思えば旧クレディアは結構、良心的だったと思います。
ところが、最近、フロックス(旧クレディア)の支払が急速に悪くなってきています。民事再生後に発生した過払金は原則、満額、支払わなければならないのですが、かなりの減額を要求してくることが多くなったのです。
これも丸和商事の、極端に低い配当率の影響ではないかと疑わしくなります。フロックスからしてみれば、「何で同じ民事再生をやった会社なのに、あんなに配当率が違うんだ。真面目に支払っているのが馬鹿馬鹿しい」となるのは容易に想像できます。
まさしく私が恐れていたのが、他の業者のこういう態度なので、これ以上、広まらないように願いたいです。
この連載を止める為にも、低い配当率を発表した会社は再建を認めるべきではありません。これからは、皆さん、反対に投票しましょう。
4月
27
2012
株式会社ヴァラモスが、また商号を変更しました。新しい商号は株式会社ギルドと言います。恐らく、ネオライングループではなくなったことが、きっかけだとは思いますが、それにして良く商号を変える会社です。
変更したのは商号だけではないようです。以前にブログに書きましたが、判決を取っても支払わない業者ではありましたが(その後、差押を通告すると支払ってきたことはありました)、少なくとも控訴はしてきませんでした(ひょっとして、控訴されている人もいたかもしれませんが、私は今まで無かったです)。
ところが、商号が変わってから会社の方針も変わったらしく、今回は、判決で勝った後に控訴してきました。それにしても一体、何を理由に控訴するつもりなのか理解に苦しみます(控訴理由書は、まだ送られてきていません)。争点になりそうなものは見当たらないので、まさに時間稼ぎとしか思えません。
裁判は、これからなので今後どういう態度に出るかは、まだ分かりません。支払がより悪くなっていないことを願いたいと思います。
4月
17
2012
このブログでも何度か取り上げていますが、過払金返還請求には時効があります。具体的には完済してから10年経過すると請求が法的に認められなくなってしまいます。
それなら、現在、残高がある状態で長期間の取引がある場合は、時効の問題は生じないだろうと思ったら、大間違いなのです。
例えば、以下のような取引の場合(決して、珍しくありません)、残高のある長期間の取引でも時効の問題が生じてしまいます。
では、具体的に紹介してみましょう。
今は平成24年4月ですから、平成4年から平成14年3月まで取引をして一旦、完済しました。完済は店頭に出向いて行い、その時、契約書も返還されて、カードも店に返却したとします。
その後、5年ほど経った平成19年に再び契約して新たにカードも発行して再び取引を始めました。そして、現在、取引が継続していて残高は約50万円あります。この人が司法書士事務所に相談に来たとします。
この場合、本人の意識としては全体の取引期間は10年以上なので、きっと過払いになっているに違いないと思っていることでしょう。ところが、過払金の時効が大いに影響してしまうのです。
まず、契約書の返還やカードの返却、取引を止めていた期間の長さから言って、前半の取引と後半の取引は分断されていると判断される可能性が極めて高いでしょう。
そうなると、前半の取引の完済は平成14年3月ですから、相談に来た時には1ヵ月前に時効が完成していて(時効完成は平成24年3月です)、本人にとって長期間の取引だったはずの前半部分の取引は、丸ごと時効にかかって請求できなくなってしまいます。
すると残るのは、後半部分の取引だけになり、後半の取引期間は5年しかありませんから、残高が残ってしまう可能性が非常に高くなります。
結果として、このケースの場合、あと1ヶ月、早く相談に来ていたら過払金が請求できたのに、わずか1か月の差で過払金どころか残高を支払わなければならなくなった、などということが起こる訳です。(現実に似たような事例で、相談があります。もちろん、ぎりぎり間に合ってセーフだった人の相談もあります)
従って、取引の途中で完済して、その後、しばらく取引の無い空白期間のある人は、完済した時期から10年が経過していないか良く思い出した方が良いでしょう。
ぎりぎりの時期で微妙だという人は、一度、業者に連絡して自分の取引履歴を請求して取引を確認してみることを、おすすめします。(取引履歴の請求は業者の法的義務になっていますので、基本的に業者は断ることが出来ません。請求にあたって理由も不要とされていますから、聞かれても「確認したいから」で問題ありません)
それで、もし、途中完済の時期から10年がせまっていたら、急いで専門家に相談した方が良いでしょう。
4月
12
2012
携帯電話からスマートフォンへの買い替えが若者を中心に広まっていますが、これが若者のブラックリスト化に拍車をかけているという記事がダイヤモンドオンライン(週刊ダイヤモンドのネット配信サービスです)に掲載されていました。
一見、スマートフォンとブラックリストは何の関係も無いように思えますが、実は携帯販売の仕組が変更になったことによって新たに引き起こされた事件のようです。
携帯販売は以前は、販売奨励金というものが携帯事業者から販売店へ支払われていて、それが元手になって携帯の機種変更が非常に安く抑えられていました。ところが、同じ機種を長く使っている人よりも頻繁に機種変更をした人の方が販売奨励金の恩恵を多く受けられて得になるシステムはおかしいとの批判が起こり、販売奨励金が廃止されたのです。
この廃止により、端末価格が高騰して、携帯を買い換える人が激減することを恐れた事業者が新たに編み出したのが端末代金の分割払い契約です。
今や国内の携帯契約数の実に3分の1が分割払いを選択しているそうです。そして、分割払いを選択した場合、支払情報がクレジットカードの延滞情報を扱っているCICに登録されているのです(このことを知っている携帯ユーザーは多分、少数派でしょう。)
そうすると当然に、端末の分割払いを延滞した時は、CICにブラックリストとして登録されてしまいます。すると何と携帯の延滞により、クレジットカードの申込みが出来なくなったりする訳です(この時点まで本人は気が付かない可能性があります)。
事実、販売奨励金が廃止になってから、この携帯がらみのブラックリストは激増しており、2010年の21万人から、昨年は145万人となっています。(半端じゃない増え方ですね)
また、最近流行のスマートフォンは高額な為、分割払いを選択する傾向が高く、より問題を深刻化させているようです。これが一見、関係の無いように見えるスマートフォンとブラックリストのつながりです。
若いうちに知らない間にブラックリストに登録されて、社会人になってクレジットカードがどうしても必要になった時に作れなかったということになりかねません。この記事を読んだ人は充分に注意して下さい。また、周りの人にも注意してあげて下さい。
4月
06
2012
一般的な認識だと、自己破産をすれば、全ての債権の請求からは解放されると考えられていますが、残念ながら一部の債権では支払義務が残るものがあります。
例えば、最も分かりやすいのが税金です。滞納した税金も債権の一つですが、この滞納税金に関しては破産をしても逃れることが出来ません。この辺はテレビドラマなどでも説明されていることがあるので、ご存知の人も多いかもしれません。
一方、あまり知られていないのが不法行為に基づく損害賠償請求権の一部が非免責債権(破産しても免責されない、ようするに支払義務が残ること)になっていることです。
これには2種類あって、一つは「悪意で加えた不法行為による損害賠償請求権」です。この場合は、破産でも免責されないと法律で規定されています。
これは、悪意で不法行為を受けた被害者を守る為の規定です。もし、この債権を免責可能にしてしまうと、悪意で不法行為を他人に加えて、その後で破産すれば損害賠償から逃れられることになってしまいます。これでは、反社会的な行動を助長する恐れがあります。
もう一つは、「人の生命や身体に対して、故意または重過失による不法行為の損害賠償請求権」です。
故意または重過失とは、悪意よりも軽い意識で不法行為を加えたしまった場合でも、対象が人の生命・身体であれば、やはり破産しても免責は受けられませんよ、ということです。
これは、被害の対象が生命や身体の場合、ことの重大さを考慮して、例え悪意でなくても、故意・重過失であれば免責を許さないと法律で決めたものです。(この部分は、実は破産法が改正された時に新たに加えられたものです)
このように破産しても免責が受けられない債権というものがあります。今回取り上げなかった債権もありますので、知りたい方は専門家に、お聞き下さい。いずれにしても、破産すれば、どんな債権でも免責されるとは思わないでいて下さい。
3月
30
2012
主要消費者金融のプロミスが会社名を変更するとの報道が読売新聞に掲載されていました。
プロミスが三井住友銀行グループであることは良く知られた事実ですが、この度、より結束を強める為に三井住友グループの100%子会社になることが決定し、その為の社名変更だそうです。(実際の社名変更は夏頃に実施予定とのこと)
ただし、50年近い歴史を持つ知名度の高いブランド名なので、店舗の看板などでは、そのままプロミスの名前で使い続けることになったようです。
この決定により、二つの大きな影響が出ます。以下、説明しましょう。
一つは、これで過払金請求を考えている人は、プロミスの倒産リスクを事実上、心配しなくてもよくなったということです。これは消費者側にとってはメリットと言えるでしょう。
二つ目は、銀行グループになることで、消費者金融に課せられた総量規制(年収の3分の1までしか融資できない)をクリアーして融資することが可能になるかもしれないことです。三井住友銀行も明らかに、これを狙って子会社にしたのではないかと思われます。
この点は総量規制が始まって貸し渋りが強まったと考えている人にはメリットだと思うでしょう。
一方、再び多重債務の危険性が高まると考える人にとってはデメリットと思うかもしれません。個人的には、金利規制は必要だと考えていますが(ほとんどの自由主義国家においても金利規制はあります)、総量規制は自由主義国家においては、やり過ぎだと考えています(まるで社会主義のように私には思えます)ので、特にデメリットだとは思っていません。
新しい社名は「SMBCファイナンス」だそうです。SMBCは三井住友銀行のことですから、まさに銀行の消費者金融部門という位置づけになるのでしょう。
銀行の一部になったことで、より態度が大きくなる可能性もありますので、今後の対応にも注意する必要がありそうです。
3月
19
2012
ヴァラモス(旧トライト)の対応に変化があったようです。
ヴァラモスは以前は、判決を取っても支払わず、和解条件は10%や5%などの到底、和解できない非常に、やっかいな業者でした。
ところが以前に、和解を徹底して拒否した後、判決を取得した後で電話がかかってきて、やはり同じ和解条件しか言わないので、「それなら強制執行の準備をします」と言って電話を切ったら、何とそれから1週間も経たないうちに直接、本人の元に郵便為替で判決金額満額を郵送してきたという経緯がありました。(依頼人がとても喜んだのは言うまでもありません)
いずれにしても、判決を取っても積極的には支払わない業者であることには変わりは無く、どうせ払うつもりが無いので判決も放っておくというのがヴァラモスの方針だったと思います。
しかし、どうやらこの方針が変わったようなのです。(ヴァラモスがネオライングループから見放されたのが原因ではないかと思われます)
具体的には、判決を取得した後、和解の電話が一切かからずに、いきなり控訴してきました。いくらなんでも和解の打診くらいは普通、控訴の前にはあるものです。非常に驚きました。
それにしても、どう考えてもヴァラモスに勝ち目のある控訴とは思えない内容なのです。時間かせぎくらいしか意味の無い行為だと思っています。それにしても、どうせ支払わないなら、控訴など費用の無駄のような気がします。
唯一、考えられる嫌なシナリオは、倒産のための時間稼ぎです。倒産前に強制執行されるのが嫌なのかなと想像しています。
できれば上記のシナリオは外れて欲しいと祈っていますが、果たして、どうでしょうか。
3月
14
2012
最近、相談にきた方に、「まだ残債のあるクレジットの取引で、記憶では10年くらい取引していると思うんだけど過払請求をしてもらえないか」という依頼がありました。
私は、この人に「まだ残債が残っている以上、可能性は高いですけど必ず過払いになっているとは限りません。そもそも取引期間の記憶が違っているかもしれませんし、カードは持っていてもショッピングだけでキャッシングは使っていなかった期間があるかもしれません。もし、過払いにならなかったらブラックリスト(事故情報)に登録されてしまいますけど、それでも、よろしいですか。」と尋ねたところ、この人は、「ブラックリストって何ですか」と聞き返してきました。
かなりポピュラーになってきたなと思っている債務整理の専門用語ですが、今でも知らない人は結構いるものです。やはり法律専門家は、このような相談者の利害にかかわるような情報は、きっちり提供しなくてはいけません。
ブラックリストについて詳しく説明すると、この人はびっくりして、「テレビのコマーシャルとか見ていたら、もっと簡単に出来るのかと思ってました。」と答えたのです。
他にも、このような人は、きっと沢山いると思います。テレビコマーシャルや地下鉄の吊り広告では、いかにも何のリスクも無く過払請求が出来るように勘違いしてしまう人がいるということが良く分かった瞬間でした。
結果的に、この人は一度、持ち帰って検討することになりました。今までリスクがあることを知らなかった訳ですから、ある意味、当然でしょう。
コマーシャルなどを流している事務所は、他の広告媒体とは比べ物にならないくらい大量に人の目にふれる訳ですから、その分、他の広告よりも責任も重くなると考えるべきでしょう。
ノーリスクで過払請求が出来るような誤解を生むような表現は、出来れば改善して欲しいものです。(ちなみに完済して債務が無い状態で過払請求をする場合は、ブラックリストには載りません。この場合はノーリスクと言えます。)
3月
07
2012
クレジットカードの請求には大きく分けて2種類あります。キャッシングとショッピングの2種類です。
キャッシングは文字通り借入金なので任意整理や過払金の対象になります。しかし、ショッピングは代金の後払いなので借入金ではなく、任意整理や過払金の対象にはなりません。
例えばショッピングの場合は利息とは呼ばずに手数料と言います。翌月一括払いの場合は、その手数料もかからないのが普通です。(キャッシングは翌月一括払いでも当然、利息は取られます)
ショッピングの残高が払えなくなったという相談の中には実は借金の相談ではないものが含まれています。代表的なものが悪徳商法の代金をクレジットで払ってしまったというものです。
これは本来、悪徳商法被害ということで、クレジット会社への請求ストップや、時には既に引き落とされてしまった既払金の返還などで対応しなくてはなりません。
しかし、これらの相談が債務整理の事務所に持ち込まれた時、かなりの割合で借金の整理として処理されているのではないかと思います。(任意整理や過払金は無理なので、多くの場合、破産や再生になるのでしょう)
もし、このようなケースに当てはまる可能性があると思われる人が相談を考えている場合は、悪徳商法被害も業務として取り扱っているかを確認してからの方が良いでしょう。
3月
02
2012
武富士の会社更生は認可決定されてしまいました。では、その後の武富士はどうなっているのでしょうか。興味深い情報があります。
3月1日付で、武富士の消費者金融部門はロプロに吸収されたらしいのです。
ロプロと言えば、旧日栄のことで、ひと昔前にテレビや新聞で「目ん玉売れ、腎臓売れ」という言葉で世間を騒がせた、あの悪名高い商工ローン業者です。ご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
今まで武富士と取引があって、過払いになっていなかった人は、何と今後はロプロから請求を受ける可能性がある訳です。何とも恐ろしいことです。(旧日栄は、かなり社会的に糾弾されましたので、さすがに昔のようなことはないと思いますが、それでも武富士と取引をしていた人達にとっては気持ちが悪いですね)
最近の貸金業界は本当に何が起こるか分かりません。情報には敏感になっておく必要がありますね。