1月
23
2008
1月18日に最新の過払金返還請求に関する最高裁判決が出ました。結果から先に言うと、債務者にとって非常に不利な内容となっています。
最近、争いになることの多い、取引の途中で空白がある場合の過払請求訴訟ですが、今回の最高裁判決により、空白を無視して一連計算することが、今後は厳しく判断される可能性が高いでしょう。
判決では、一連計算する為には以下のようなことを、きちんと調べる必要があると言っています。
例えば、空白前の契約書の返還、カードの失効の有無、空白期間に業者と債務者が接触したかどうか、などが挙げられています。
最高裁判決は全国の下級裁判所に影響を与えますから、今後は一連計算で過払訴状を出すと、上記の事実の有無を、いちいち証明させられる可能性があります。証明できなければ、不利な分断計算になるかもしれません。
今後、途中に空白のある取引の場合は、分断計算になる可能性も視野に入れていく必要がありそうです。
1月
22
2008
今年に入って、株式市場が大暴落しています。アメリカのサブプライムローン問題に始まって、どうも世界中が不景気になり始めているようです。特に日本の株価の暴落はひどいとニュースでは伝えています。
最近は、引退した高齢者が、あまりの金融機関の預金利率の低さに嫌気して、虎の子の個人財産を投資信託に大量に預けています。昨年の銀行の投資信託での利益は莫大なものだったそうです。
しかし、株価が暴落しているということは、株を組み入れて販売している投資信託も当然、下がっていることになります。財産が目減りしてしまった人の中には住宅ローンが、まだ払い終わっていない人もいるでしょう。これらの人が新たな多重債務の火種にならないとも限りません。
これだけ下がると株で大ケガした人も多いでしょう。中には借金して株を購入していた人もいると思います。こうなると、まさに事態は深刻です。
新年早々、暗い話題で申し訳ありませんが、多重債務を減らす為には、経済がしっかりすることが大前提だと思いますので、株の動向にも注意を向けてしまうのです。
1月
07
2008
新年、明けまして、おめでとうございます。今年も、よろしくお願いします。
さて、私は一足早く1月4日から営業しておりましたが、めずらしく貸金業者から電話がかかってきません。いつもならば、昼間前後は業者からの電話が、あちこちからかかってきて仕事にならなかったりするのですが、1月4日はさっぱりでした。
そうこうしてるうち、こちらから用事で業者に電話をかけると、ほとんどの業者が「新年は1月7日からの営業です。」のアナウンスが流れてきます。「あらあら、銀行は1月4日から開いてるのに、金融機関でもクレジットや消費者金融は大名商売だなぁ」とつくづく思ってしまいました。おかげで仕事がはかどったことは言うまでもありません。
一転して、1月7日は電話の嵐でした。4日とは逆に、全く仕事になりません。4日に集中して、かたづけといて良かったと、内心、胸をなでおろしました。
今年も多重債務問題に関しては激動の1年になりそうです。新しい法律や制度が次々と動き出しています。常に情報に対するアンテナを高くしておかないと取り残されてしまうかもしれません。
きちんとした仕事をする為にも、新たな情報には敏感でいたいと思います。
12月
27
2007
いよいよ今年も終わりに近づいてきました。この一年を振り返ってみたいと思います。
何と言っても大きな出来事は昨年の年末に改正貸金業法が公布されて、今年の初めから部分的に施行されたことでしょう。(改正貸金業法は5段階に分けて施行されることになっています。今年1年で施行されたのは3段階までで、利率の引下げは施行されていません)
この影響で主要な貸金業者は法律施行の前から利率を下げてきていました。利率引き下げについていけなかった業者の中から破綻するところが出てきました。最も話題をさらったのが、東証一部上場の消費者金融クレディアでしょう。今年下半期の話題はクレディア倒産につきると言っても過言ではありません。
改正貸金業法の影響もあって、マスコミでもグレーゾーン金利のことが連日報道された結果、一般の人にも「払いすぎの利息」のことが広く知られるようになってきました。これにより、今年に入って急激に増加してきたのが過払金の返還請求です。
今や5年以上取引があれば、自分は過払いではないかと考える人は決してめずらしくありません。今まで一部の人だけが専門家に相談に来て発覚していた過払金が、一斉に多勢の人が請求し始めたのです。(クレディアの破綻も結局、これが原因です)
過払金を沢山の人が自覚して返還請求できるようになったことは歓迎すべきことです。しかし、一方で問題も起こり始めていました。中小業者で過払金が払えないところが出てきたのです。支払いは半年遅れになるとか、支払いが1年以上の分割払いになるとか、そもそも会社に金が無いので払えないと開きなおるところもあります。
このような状況のなかで、貸金業協会に加盟する業者の中で総量規制が始まります。これは利率引き下げと同じように、法律施行前に主要な業者の間で先に規制を始めてしまおうという試みです。
すでに大手の業者では貸し渋りが始まっていますが、より法律に近い形で、審査の際に源泉徴収票や給与明細を確認して、一定額以上は貸し出しをしないという制度にするのです。より厳しい引き締めが行われるはずなので、かなりの影響が予想されます。
今年の大きな変化を書いてみましが、これほど変化の激しかった年は今までに無かったと思います。改正貸金業法は、まだ一部の施行に留まっており、完全に施行されるのはまだ先になります。来年以降も変化の激しい年になるでしょう。そういった情報を、いち早く、このジャーナルで伝えていきたいと思っています。
12月
18
2007
太平洋信販が、ついに廃業が決まったそうです。
この会社の正式名称はタイホウホールディングスと言い、パチンコや遊技場などを多角経営する名古屋が本拠地の大きな企業です。本体のタイホウホールディングスは営業を続ける訳ですが、その中で貸金業を担当していた太平洋信販が無くなるようです。(ちなみに本体は存続しますので、過払金は取り戻せるのではないかと思われます。しかし、確実ではないので、しばらく様子を見る必要はありそうです。)
クレディアから始まった貸金業の倒産・廃業が、ついに名古屋まで波及してきたか、という感じです。今度は、どこになるのか、危ないのは三和ファイナンス・アエル・ユアーズあたりと言われていますが、今後は貸金業の同行に目が離せなくなりそうです。
11月
27
2007
事務所紹介のページにも書きましたが、私は愛知県の青年司法書士会で倒産法実務研究会という会の会長をしています。この会は債務整理実務にかかわっている司法書士が多数参加しています。
やっていることは最新の改正法の研究、全国で出ている最新の判例(裁判所の判決のことです)の研究、最近の貸金業界の報告や各貸金業者の情勢の報告など、債務整理実務をやっているならば常に把握しておきたい情報を共有することです。
私たちの実務は、常に最新の情報に精通していることが重要です。その為には一人の力では限界があります。皆が情報を持ち寄って、その情報を共有することで、より適切な判断が下せるように努力していくことが研究会の最も重要な目的なのです。
私としては出来れば全員の司法書士に参加して頂きたいところですが、参加は強制ではないので、なかなかそうもいきません。
出来るだけ多くの司法書士が意識を高めて参加しくれるように今後も努力を続けたいと思います。
11月
20
2007
最近、大手の消費者金融を中心に貸し渋りが問題になっているようです。ひと昔前は、銀行の貸し渋りが問題になっていましたが、今回の貸し渋りは明らかに改正貸金業法の影響です。
貸金業の利率が下がることは長期的に見れば良いことなのですが、現在、多重債務に陥っている人にとっては、急に借入が出来なくなるという厳しい事態に追い込まれてしまいます。
もし、このような事態に陥っている人がいたら是非とも早めに専門家に相談して下さい。
最近は中小の貸金業者がつぶれてヤミ金が増えています。NHKのクローズアップ現代という番組では新たに「ネオヤミ金」という業者が現れたと報道していました。「ネオヤミ金」とは、改正法前の消費者金融の利率で貸し出し、対応も消費者金融のようにていねいで、一見ヤミ金らしくないヤミ金のことだそうです。
しかし正体はヤミ金ですから、後から行き詰まった時は、大変な目に合う可能性があります。
貸し渋りで苦しくなった時に、他の借入先に目が行ってしまう気持ちは分ります。その時に勇気を出して専門家に電話して頂きたいと思います。
11月
19
2007
取引期間が7年以上の長期にわたる人は過払いの可能性があります。うまく、過払いになっていれば後は取り戻すだけですから依頼した人にとっては、メデタシメデタシで、あまり問題はおきません。しいて問題になる可能性はクレディアのように破綻した時くらいです。
ところが、取引期間が短かったり、あるいは取引期間が長くても過払いにならなかったりした時(取引の仕方によっては、こういうケースもあります)は、分割払いの交渉を成立させなければなりません。実は、これが最近やっかいになってきているのです。
主要な消費者金融(武富士・アコム・プロミス・アイフル・GEコンシューマー・CFJなど)やクレジット会社の場合は、今まで通り分割払いに応じてくれる場合が多いのですが、中堅以下の消費者金融業者では、だんだん分割払いに対して厳しいことを言うようになってきています。
中堅以下の業者は今や、いつ倒産してもおかしくないと言われていますので、我が身の事情も影響しているのでしょう。分割払いの交渉の時に「分割にするなら将来の利息もつけてくれ、つけてくれないなら和解に応じない。」と言ってくるようになってきています。
任意整理と言えば「将来利息のカット」は、今までは常識でした。しかし実は法的な根拠は無いのです。もし、業者が訴訟をしてきたら債務者が不利なのです。「生活が困窮している債務者に将来利息の支払は無理だから」という理由で、一種の紳士協定のような習慣となってきたものでした。
業者自体が倒産するかもしれないという状況に陥って、紳士協定を破る業者が増えてきた訳です。
これは重大な問題です。最後の手段としては特定調停があります。最近、特定調停に回して成功したという事例を聞きましたから、業者もそこまでやれば応じるということなのでしょうか。
いずれにしても、今後は分割払いの時は注意する必要があるでしょう。
11月
19
2007
債務整理の業務を行なってきて随分と時間が経ちました。その間に、いろいろと状況が変化してきました。今回は、私が行なってきた業務を少し振り返ってみたいと思います。
私が開業した頃は、まだ債務整理と言えば「自己破産」という考えが主流でした。ようやく「特定調停」や「個人再生」という、自己破産とは違う手続が整備されてきたところでしたが、まだポピュラーなものではありませんでした。相談の時に、自己破産以外の方法が使えるかもしれないと伝えると、相談に来た人は大抵驚いた顔をしていたものです。
ましてや「過払い」などと言う言葉を知っている人も皆無でした。その頃は、司法書士や弁護士ですら、過払金の取り戻しについて詳しく知らない人が多かったのです。業者も今よりずっと過払金の支払いに抵抗していましたから、満額取れるケースは少なく元金の7割とか8割で和解することも珍しくありませんでした。
その頃は債務整理を専門に打ち出す司法書士は、愛知県には、ほとんどいませんでした。手前みそになりますが、愛知県で債務整理中心のホームページを立ち上げたのは、私が初めてだと思います。
それから、二つの大きな変化が訪れます。
一つは司法書士に簡裁代理権が与えられたことです。今でこそ当たり前になりましたが、昔は司法書士には任意整理を行なう資格が無かったのです。従って任意整理を司法書士がやり始めたのは、ごく最近のことなのです。
もう一つの大きな変化は、最高裁判所の画期的な判決が、ここ3年位の間に立て続けに出たことです。
これらの判決により過払金の返還請求が飛躍的に有利になりました。それとともに、「過払い」という言葉もポピュラーになり、今では過払いを見逃したら司法書士や弁護士の責任問題に発展します。
この二つの変化により、状況は劇的に変わりました。債務整理の仕事の大半は「任意整理」と「過払金請求」になり、「自己破産」と「個人再生」が急激に減少したのです。
最近になって開業した事務所の中には、開業以来、「自己破産」と「個人再生」は受けていないという事務所もあると聞きます。
しかし、こういう状況は重大な問題を、はらんでいます。要するに「自己破産」や「個人再生」の経験をつんでいない司法書士が増えてしまったということです。
それに対して、貸金業法が改正されてグレーゾーン金利が無くなることが決定しましたから、今後は「任意整理」と「過払金請求」が減ってくることは明らかです。
逆に増えることが予想されているのが「自己破産」と「個人再生」です。総量規制が始まると貸し出し基準が厳しくなり、返済の為の借入が出来なくなりますから行き詰まる人が増えてきます。金利水準は大手を中心に下がっていますから、利息制限法の利率に引き直しても支払えない場合が多くなります。住宅ローンの金利も先行き不透明で、今後金利が上昇した場合、支払いが厳しくなるケースが出てくる可能性もあります。
これらのことを考え合わせると今後は「自己破産」と「個人再生」が増えるだろうと容易に予想がつきます。しかし、あまりにも一時的に「任意整理」と「過払金請求」が増えすぎてしまった為に、技術的な経験が蓄積されていない司法書士が現場の仕事に携わるようになったことは新たな問題と言えるでしょう。
これから移り変わる状況に対して、司法書士業界が、うまく対応していけるのかどうか、司法書士業界全体の課題になるでしょう。
11月
19
2007
今回は時効についての、お話です。債務整理で注意しなければならない時効は二つあります。
一つは残っている借金の時効、二つ目は過払金請求権の時効です。それぞれについてコメントしましょう。
まず、残っている借金(利息制限法の利率に引き直しても、残っている場合のことです)は、いつから消滅するのでしょうか。これは相手方が貸金業者の場合は5年で消滅時効にかかると法律で決められています。相手方が一般人の場合は10年なのですが、貸金業者との取引は通常よりも短い時効期間となっているのです。
では、5年経てば、どんな場合でも時効により消滅するのでしょうか。残念ながら、いくつかの条件を満たす必要があります。
その条件とは、①5年の間、一度も返済していない。もちろん借りてもいない。(たとえ、10円でも本人の意思で返済した事実があっったら条件を満たしません)②5年の間、貸金業者から訴訟をされたり、裁判所からの支払督促を受けていない。(裁判所を通さない、ただの貸金業者からの請求は含まれません)
以上のような条件を満たして5年経っていれば、借金は時効により消滅している可能性が高いでしょう。しかし、時効には最後に、もう一つ忘れてはならない大事なことがあります。
それは、本人が時効を援用する(法律用語で「本人が時効だから払わないと相手方に主張する」ことを言います)必要があるのです。要は何も言わないで黙っていたら、借金を請求されても文句は言えないということです。5年経ったら自動的に消滅する訳ではありません。
次に過払金請求権の時効について考えてみましょう。過払金請求権が時効消滅する期間は10年です。
要は完済してから10年を超えてしまったら過払金の回収が出来なくなる可能性がある訳です。もし、もう少しで10年になりそうだと言う人がいたら、早急に専門家に相談に行くことを、おすすめします。
時効期間経過前に過払訴訟を提起すれば時効は中断されます。例え1日でも期間を超えていなければOKですから、ぎりぎりの人がいたら急いだ方が良いでしょう。